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一兆年の夜 第七話 はじめての戦い(八)

 ICイマジナリーセンチュリー二十五年三月百日午後九時五十二分二十七秒。

 場所は小プロティ村果樹園跡。
 大雪が炎を包み込む。生命の悲しみを包み込む。やがて雪は解けて水となり
村全体を浄化する。
 果樹園は無くなった。それだけは事実である。
 ここへ来た主のデュア・ジニンは自分が丹精込めて作り上げた果樹園が跡形も無く
なった事を受け止めた!
「クァこれで一からまた作り直すしかないな。ゥゥそれまでわしはすべてを教えられる
か、ァァダガン?」
「ジュ自信はありません! ンンわしはこれまで一度もプロティイムが無い果樹園を
見たことがおありでないので!」
「ツィ作り直すよりもむしろ新しく作るってのはどうかしら? ゥンそれなら心機一転
できるかも?」
「コラコラサンメイガタ! ソンナコトモダイジダケドモットダイジナノハ--」
「ゥヅだからこうして心を入れ替えようと親父たちは必死なんだよ! ンェ誰も
悲しまないなんて本当じゃないだろ!」
 親善大使一行とキュツ男は悲しみを抑えられなかった!
「ァスわしは妻よりも長く生きてしまったこと。ェム皆よりも長く生きてしまったこと。
 スゥそして、ヅォ誰よりも皆の希望となった--」
「クァこんなことを認めるのは難い。ォズだが、ァォこれを希望と言わずしてわしは
何て言うんだ!」
「ゥゥ希望になったんだねべアールちゃん!
 ァァ大人になったんだねべアールちゃん!」
 彼らの眼前に見える人型はもう動くことすらままならない。
 何故なら左胸のあたりに果物包丁が刺され、それが致命傷となった。
「コレハユルセルコウイデハアリマセン! ダケドコレヲワタシタチハキボウト
ヨバズシテナントヨボウカ!」
「ァァ永い眠りにつくんだ、ァァ小プロティ村の希望。
 スゥそしてあの世でプロティイム競争をベティ江と共にして、ゥゥ決着をつけろ!
 ェェそしておれたちは死んでいった者たちを弔う!
 ォォ希望を語り継ぐためにも……」
 べアール・毛利は齢十年にして二の月と五日の生涯を終えた。
 前左足と後右足が欠けた状態でベティ江のほうへ前右足を出しながらうつ伏せに。
 ここからが戦いの始まりだった……

 ICイマジナリーセンチュリー二十五年三月百日午後十時五分零秒。

 第七話 はじめての戦い 完

 第八話 戦いへの一歩を に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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