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格付けの旅 ブラックストーンが起こす悪意 神計画の一端

 神計画……それはルビを振れば『ゴッドプロジェクト』と読む。頭の痛そうな計画と思うが、本当に頭の痛い計画。その内容は蟲毒に近く、生命同士を争わせて極少数を神にするというシンプルな内容。だが、巻き込まれた方は溜まった物じゃない。故に許されざる非人道行為としてこれを阻止する者達が後を絶たないのも事実。
「オイ、二本足!」
「何だよ、アルッパー」
「どうして神共は神計画なんか進める? 確かにに怯えるのはわからんでもないが、イマイチはっきりしない事だらけだぞ」
「そうだなあ、確かにわからない事だらけだ」
(まあそれだけじゃないんだがな。俺達『神才』を恐れるのも事実だが、『因子』の存在だって奴らは恐れる。そいつらは俺達と違ってほぼ無数存在しててなあ……まあ説明、しとこうかな?)
 因子……それは俺達とは正反対の存在。俺達は最大九十九に留まるのに対して因子の数は無数。ンでそいつらは凄い奴らなのか? 一見すると使い物に成らないのが一般的。何故って? それは何をやらせても習得が遅く、おまけに身体能力だってヘタレな奴ら。そんな奴らも一般人にはない物がある。それが一撃必殺。それについては詳しく知らない。はっきりするのは奴らの攻撃は不死身だと思ってた奴も確実に死ぬ。そう、存在を断つほど凄まじい一撃を秘める。でもブラックレイピアは死なないんだよな、あいつは一体どう成ってるやら。
「オイ、ブラックレイピア関係なくね?」
「一応ブラックレイピアも因子と遭遇してんだ。それくらい付け加えて問題ないだろ」
「わからない事だらけだぞ。如何して神は因子を恐れるんだよ!」
「そこは……目の前に居る神と対話しようぜ」
 デュアンとアルッパーは察知した--一見したらブラックホールのように見える銀河規模のブラックホールが生きてる事を。
 そのブラックホールは正しく最高神の一柱だった--正式名称はブラックホールの神『キルアインシュ』。
『貴様らは既に捕捉した』
「早速俺達に喧嘩を売る気か、えっと名前は何て言った?」
『キルアインシュだ。まあ覚えきれない事だらけだろうが、長い付き合いに成るぞ』
「悪いが、お前と付き合ってる暇はない。そもそも死んだはずのお前がどうして生きてる?」
『神には人から人……要するに知的生命体の記憶に残ればそれを手繰り寄せる事で復活を果たす者も居る。俺のような存在がそうだろう』
「それで俺達を仕留めて何がしたい? 神計画を進める為か?」
『その通り。貴様らは神計画の障害と成る存在だ。わかるだろう、<マザーシステム>はどうして貴様らに<因子>撲滅を勧めたがるのか?』
「知るかよ! 俺は二本足さえ食べればそれで良い!」
「俺も同じだ。俺は格付さえ出来ればお前らや『マザーシステム』のやりたい事は割とどうでも良い」
『教えてやろう。<マザーシステム>はの英知を超えた力を恐れるが余り、永遠の時間稼ぎをしたいのだよ。その為に封印を解く<因子>は邪魔で仕方ない』
「どうして『因子』が封印を解くんだよ! 一撃必殺しか能のない才能無しにどうして!」
『それは<因子>と会わないからそうゆう答えしか出ない。良いか、<因子>とは周りを高めさせてあらゆる階級を破壊する革命者に他成らない!』
 デュアンはここである事を思い出す。
(そういえば主役が駄目でも脇役がそれを補おうと迫真の演技をする事で作品を盛り上げるという手法もあったな。恐らく『因子』とはそうゆう存在だろうな。だからキルアンシュが言うような革命家と言う表現もあながち間違いじゃない。けれども)
『何か質問があるか、デュアンよ』
「脇役を高めさせる存在なのは良いけど、それがどうして封印を解くのだ?」
『教えてやろう。生命体とは本来、適度にリミッターを掛けられてある。見えない者は見えないようにな。ところが因子はそのリミッターを壊す程に周りを高めさせる。それは即ち複数に分離したはずの並行世界はやがて一つに集結させる事を意味する。その時に起こるのが我々最高神と共に戦った勇者達が命を賭して築き上げた一繋ぎの秩序を壊してによって世界は危機に陥ってる事を再認識させる事に他成らない!』
「神語で語るなよ! 何言ってるのかわかんねえだろうって!」
「これは盲点だな。確かに能力を高め過ぎると逆に支配者にとっても都合が悪い程に大衆は何が何でも優秀な行いをするように成ってゆくのは痛いな。だが、本来はそれが世の常だろう。逆に支配者に思うが儘に支配される大衆の方が不幸と言えるだろう」
『その点では我々神と<マザーシステム>は利害は一致する。我々は神として絶対的な支配者であり続けねば成らない。それを<因子>によって崩されるのは我慢成らない』
「だからお前らも『因子』抹殺に乗り出す訳か」
『悪いか?』
「悪くはない。だが、お前らがやるべきなのは因子よりも先に『全生命体の敵』を殲滅する事だろうが」
 全生命体の敵……それは絶対悪を定められた自らを悪だと認識出来ない或は出来てもそれがわからない生かす価値もない悪役集団。主に単独行動をする物や謎組織同様に集団で活動する者達も存在。そう言った連中の戦闘力はピンからキリまで範囲が広く、尚且つピンに近い程神だろうが最高神だろうが手に負えないレベルに達する。まあ最弱レベルなら赤ん坊、最強レベルなら欠番と同等。そう、ここで言う最強は一部を除いてだから注意する事。兎に角、奴らは発見次第殲滅する事を心掛けよう。可哀想だから生かしてあげてと思っては奴らの思う壺だぞ。
『全生命体の敵は四天王だとか八十に別れるだとか色々あるだろうが、その全てを把握できない上に何処に存在するかを一々弱体化した俺達が知る訳ないであろう』
「お前ら神の癖して情けないな!」
『神を何が何でも全知全能だと思うな! 全知全能の神が居るとするならそれこそ全生命体の敵だと思え! そんな神はこの世に存在しない』
 それでも一神教は全知全能を求める。多神教の様に万物に神が宿ると主張すれば支配体形は崩れる恐れがある。故にこれを先程の因子に関連して捕捉するなら因子の存在は生命体皆が神に成れる素質を秘めると証明するが為に今まで素質ある者を神にしようと試みた神の行いを否定するに相応しい。故にキルアインシュを含めた神々はそれを阻止しようと因子抹殺を始めるのであった。
「そろそろ戦おうか?」
『鯨の分際で最高神である俺に勝てると思ってるのか?』
「思ってるぞ、俺はアルッパーだ」
 斯くしてアルッパーとブラックホールの神キルアインシュの戦いは始まった……
 キルアインシュの発生させるブラックホールは相手を只吸い込むだけじゃない。何と潜在されたエネルギーを吸収し始めた--アルッパーは放射能熱線が使えない事に気付き、一億光年離れる事で回避!
「俺が溜め込んだエネルギーを吸収したな、ブラックホールだけに!」
『そうゆう貴様も中々やるな。俺のエナジーホールは一度受けるとおよそ九千九百万光年以上離れないと全エネルギーを吸い尽くされるのだよ、わかるか?』
「俺を窒息死どころじゃない状態まで追い詰めやがって!」
『ああ、そうだ』
 キルアインシュは突如、宇宙全体の空間を重ね合わせの状態にしたかと思ったら既にアルッパーの背後を突いた--それはブラックホールバスターと呼ばれる体当たり!
「うがあああ、全身が搾り取られそうなこの感覚はあああ!」
『回転をしようともこのキルアインシュが放つブラックホールバスターの前では無力よ、アルッパーとやらが!』
「ふざけるなよ、ブラックホールの分際でええ!」
 キルアインシュは光を放って驚きを見せる--何とアルッパーは先程キルアインシュが見せた重ね合わせの技法を模倣したではないか!
『ウガアアアア!』
「どうだああ、お前のやって見せた術とホワイトホエールの重ね打ちを!」
『たかが猿真似が出来たくらいでこのキルアインシュを』
 キルアインシュは中心部からビッグハンドを取り出してアルッパーを引っ叩いた--アルッパーは空間を突き破って十三も離れた大宇宙まで跳ばされた!
『これが俺のマザータッチディメンジョンアタックだ!』
(ブラックホール全然関係ない……何て突っ込まないように)
 突き破られた空間は宇宙の膨張が続く限り最低速度宇宙速度一で修復される。そんな中でデュアンはアルッパーが宇宙速度一よりも速くここへ戻って来ると確信--
(の前に俺の封鎖魔法で帰って来ないようにしよう)
 していたのか、アルッパーを追い出す事にしたデュアン。
『貴様、相棒じゃなかったのか?』
「あいつの餌代が馬鹿に成らないからな」
『ペットと主という間柄とも思えないが?』
「それよりもお前は俺だけに成っても始末を諦めないか?」
『当り前だ。貴様を--』
「ぶち殺すぞ、二本足イイイイ!」
 アルッパーに封鎖魔法という小賢しい真似は通用しなかった--直径およそ五十八銀河もの空間を開けて只今帰還を果たす!
「ちえ、わざわざホワイトホエール使って帰って来やがったぞ」
「そんなに俺の邪魔がしたいのかああ!」
『またお袋の張り手を受けたいか、アルッパー!』
 キルアインシュの繰り出すマザータッチディメンジョンアタックにアルッパーは最初より更に二乗の百六十九も離れた大宇宙まで飛ばされながらも距離無効と急激な停止して空かさず『空間突破』でデュアン達の居る大宇宙まで宇宙速度四で戻ると三度目のマザータッチディメンジョンアタックを受けながらそれを学習--アルッパーの新必殺技がここに来て披露される事に!
『何! 俺の繰り出すお袋の張り手を真似ただとおおおお!』
 何とアルッパーの張り手だった--それ以外の名称が思いつかない程にネーミングセンスは枯渇した模様!
 アルッパーの張り手でキルアインシュは十三の三乗まで跳ばされた--この勝負、アルッパーの勝利に終わった!
 空間突破……それはワープ航法を意味する便利機能。目的地にたどり着くにはどうしても空間問題は避けて通れない課題。実際問題、空間は恐ろしく不平等で人間共の叡智でも光最速神話の中では地球から冥王星まで到達するのに五時間以上という状態。そこでワープは欠かせない。それは空間という障害を避けて一気に跳ばす最高の道具で目的地までに五時間以上掛かる所を一時間或はそれ以下にまで縮小させる事が出来る。のだが、ワープの弱点がある。それは重力。重力問題がワープ理論に支障を来たし、今では多くの学者研究者の間でワープ理論は机上の空論に成る。まあ量子ワープは……うーん。もう少し勉強しとこう。
「キルアインシュは倒せたようだが、あいつは現在残ってる最高神の中じゃあ最弱だろう」
「お前は何が言いたいんだよ、ぶち殺すからそこで大人しく--」
「それよりも恒例のあれでも復習しようか、ちょうど更新してたし」
 デュアンが取り出したのは『神殺しの九十九 デュアン監修』だった。
『[神殺しの九十九 verデュアン監修]


  ~生誕の順-統合日時より
 【緑肌の剣士】
 【混沌の帝皇】
 【植物学者】
 【格付士】
 【時空王】
 【政治家】
 【防犯の家】
 【不死身の銃士】
 【人肉喰らいの科学者】
 【爆発する老人】
 【初めからない欠番】
 【妖艶の痴女】
 【1/1のスケール】
 【紳士的な骸骨】
 【卑怯なる黒豚】
 【俗物の悪獅子】
 【収集の古代種】
 【右に属する化学記号】
 【左に属する化学記号】
 【交渉家】
 【強者を屠る格闘家】
 【踏ませる地雷】
 【神死なせの哲学者】
 【快楽の半人半獣】
 【アンキモの覇者】
 【宇宙鯨】
 【人道家】
 【多忙の声色】
 【木から落ちるが登る】
 【離脱者】
 【サイボーグ】
 【傍観の数学者】
 【心優しき繋ぎ屋】
 【逃走の槍使い】
 【駆け抜ける偶像】
 【画家】
 【亀】
 【戦争の鳩】
 【殲滅の司令官】
 【探偵】
 【酔っ払い】
 【長名のガン=カタ】
 【吾輩は猫である】
 【専業主婦】
 【烏合の長】
 【検事】
 【最後尾】
 【怠け者】
 【中毒に成る煙草】
 【農家の米】
 【善良なる複製者】
 【形を成さない従属者】
 【複数を見つめる外道】
 【闇のエルフ】
 【勇敢なる白金】
 【教える酸素】
 【女殺しの居合い】
 【好敵手成るパイルバンカー】
 【鉄と血の守護者】
 【大天使】
 【競走馬】
 【名前に負ける犬】
 【傭兵鰐】
 【魂集める死の鎌】
 【丑の刻】
 【教師に成ったヤクザ】
 【経済学者】
 【草原の男】
 【天からの雷槌】
 【GTK】
 【全局面の型】
 【草むしり】
 【税務官】
 【公害】』
「オイ、白い方は白い方でやれ!」
「何が?」
「何だよ、その『GTK』って!」
「ああ、グレートティーチャー……えっと何だ?」
「もういい。それに出て来る度に適当なのが多く成ってるぞ!」
「『マザーシステム』も大分集めて来たという証拠だろう。にしても九官鳥やクラゲ、それに山羊やヘドロまで神を超えるんだな」
「おいおい、それが新たな神殺し共だと言いたいのか! ヘドロなんて神を超えたらどうやって倒せば良いんだよ!」
「その前に『ブラックストーン』……こいつが良く取れる星まで急ぐぞ、アルッパー」

 デュアンとアルッパーが向かうのはパジャマ銀河にあるヒモ太陽系第六惑星<パジャア>……そこは神々の咆哮で戦死したパジャマの神ぱじゃあの残留思念が太陽と成り、その周りに星を形成して最終的には銀河が完成。その<パジャア>にデュアンとアルッパーは乗り込んだ。
(現地住民共は俺らを警戒しないな。まあみんなネグリジェを着込むか或はパジャマ姿で活動してるもんだから朝に成ろうと蛭に成ろうと夜の気分で暮らしてやがる)
 尚、<パジャア>は年中気温に変化はない。寧ろ、パジャマ文化によって水泳大会でも水泳用パジャマが開発される程にパジャマが日用品と化す。中には戦隊ものでさえパジャマの平和を守るとか言う訳のわからない大義名分で悪のパジャマ軍団を殲滅する物まで出る始末だった。そんな星にデュアンとアルッパーを迎え入れたパジャアの住民はパジャマさえ着込めば彼らを温かく迎え入れる。逆にパジャマを拒否するとそれは自分達が築いたパジャマ文化に支障を来たすと判断して防衛本能が働く事に。
「何で俺まで鯨用パジャマを着こなすんだよ」
「パジャマ文化だぞ、ここは。ぱじゃあの残留思念に従うのも俺達神才の務めでもある」
「年がら年中神を侮辱する俺達がそんな務めなんか知るかよ!」
「そんな事よりもブラックストーンが良く採取される所まで向かおうぜ」
「何が狙いだ?」
「これだ」デュアンはノートの為にここまで来た。「材料がブラックストーンの方がより筆が通りやすい」
「てめえのノートの為に俺が連行される意味が解らねえぞ!」
「いざという時、お前をノートの材料にすれば良いだけだ」
「てめえ、やはり食ってやるぞ!」
「元から敵同士の俺達だ。いざ尋常に……おっと」
 お前も気付いたか--神殺し故に気配を察知。
 彼らの背後に近付く影はパジャアの住民ではなく、フードを被った男だった。
「久しぶりだな、デュアン・マイッダー……ン?」
「オイ、てめえパジャマ着込んでねえなあ!」
「俺にとっては関係のない事だ。貴様のような鯨も俺より遥かに強いのか!」
「出て来たな。『ワイズマン』!」
「知ってるのか、二本足!」
「ああ、奴は全生命体の敵だ」
「酷い事を言うなあ、デュアン。それは貴様らの勝手な決め付けだ。俺達は世界を正しくする為に--」
「それが全ての根源を断って永遠の無にする事だろ? それの何処が善だ? 悪その物じゃないか!」
「悪とレッテルを張るなら貴様らはどうだ? 格付けの為に多くを犠牲にする事、或は食事の為に多くを犠牲にする事が開くでないと誰が--」
「五月蠅いぞ、そうやって子供みたいな屁理屈で俺が二本足を食べる事を否定する意味に成ってねえぞ!」
「これはこれは。それで戦いますか?」
「お前が単独でここまで来る訳がない。何を引っ提げて来た?」
「ほう、気付いたか」
 突然、デュアンとアルッパーの足下に蠢く影が揺さぶり始める。その影はデュアンとアルッパーの影を呑み込んで益々、凶暴化してゆく。
「影を食べた……つまり俺達は」デュアンは影を纏った。「それを維持すべく影を纏う事に成るか」
「何だ、こりゃああ!」
「ブラックストーンが齎す悪意にはお前達だけじゃなく、『銀河連合』の残滓さえ存在する」
 銀河連合……それは遠すぎる過去の時代に於ける全生命体の敵。善など存在せず、只快楽や食事など邪念を優先して行動するが為に全世界を喰らってきたとされる吐き気催す邪悪にして殺しても良心の呵責を起こさない程の存在。そいつらは最終的に滅んで全ての悪意を全世界に飛ばし、物質の方はブラックストーンを飛散する事で完全に潰えた。だが、銀河連合が滅ぼうとも全生命体の敵は世界が変わろうが実在する事に。
「お前も銀河連合の残滓だろうが!」
「俺は違う。そもそも銀河連合の悪意はお前らにだって存在する。でないと先程の説明は出来ない」
「言ってくれるな。確かにその通りだが……ところでこいつは何者だ?」
「格付師たるお前が知らない存在とはな」
「影を喰らう全生命体の敵なのは何となくわかっても一体どんな奴なのかわかんねえ!」
「ふうむ」デュアンは冷静にB5ノートを取り出す。「ええ、と……あった」
「わかったか?」
「こいつは影を欲しい侭に食らい尽くす『シャドーデビル』だな」
 シャドーデビル……それは表宇宙を全て影宇宙にして最終的には宇宙を滅ぼす全生命体の敵。しかも実態が掴めず、更にはどうやって攻撃すればいいかわからないくらいにあらゆる影に潜む存在。故に術で攻撃するのが手っ取り早い倒し方だろう。
「だろうって……何呑気に構えてるんだ。ワイズマンが去っていくぞ」
「それよりも先にシャドーデビルを倒さないとな」
 ワイズマンが居なく成った事でシャドーデビルは口を開く。
 --倒す? この俺様がお前らに倒されるだと、グハハハ--
「不快な声だな。何故なんだ?」
「音にも影が潜むのか? まあそんな事よりも」
 --随分呑気だな、デュアン・マイッダー。生かされてる事も知らずに減らず口が良くもまあ叩けるなあ--
「お前も同じだ。取り敢えず、俺が相手をするからギャラリーを全てお前の得意な影に叩き込めよ」
 やっぱりぶっ殺してやるウウ--アルッパーはデュアンに悪態吐きながら影宇宙に呑まれた!
 それだけでなく、シャドーデビルによって惑星<パジャア>は影しか実在しない星と化して徐々に死を迎えつつあった……デュアンさえ居なければ!
 --デュアンロールで自らの実態を保ったな。中々の手ではないか。だが--
 --どうだ? 声だって影っぽく成っただろ?--
 デュアンは実態こそ表宇宙のままだが、存在その物を影と同化させる魔法を掛ける事でシャドーデビルへのダメージを通す準備が完了した。
 --掛かって来るが良い、俺の体積は東京タワー二個分だ!--
 --さては元々は地球人だったな、シャドーデビル!--
 シャドーデビルはスライム型の全生命体の敵。故に心臓部と脳の特定は難しい上に彼の体積は東京タワー二個分という平均すれば極小ではあるが、デュアンにとってはまるで基地一つを相手にするような物であった。それも空間移動さえ可能にした基地一つを。
 --(思考まで影と同化したのは良いが、魔法がほとんど逆だ。火属性は氷属性、水属性は雷属性、風属性は地属性。じゃあ重属性は……無属性と成るのか?)--
 デュアンは表側でいう重系拡散魔法を放った物の……まるで無重力のように自分も含めてランダムに飛んでゆくではないか--そうか、重属性の反対は意味のない重属性だった!
 --馬鹿の一つ覚えよ、ブラックストーンに惹かれた己の不運を嘆いて--
 シャドーデビルは決め技であるデビルスパークと呼ばれる相手を見つめるだけで直接マグニチュード無限大を放つ矛盾攻撃を仕掛けた--デュアンはそれを浴びて全身を二の九十九乗分分割された!
 --フハハハ、案外呆気なかったな……デュアン・マイッダー--
 読者の皆さんはこれでデュアンが終わると思うなら甘い考えだと思って頂こう。そう、彼がどんなに理不尽な状況でも難なく突破出来る事を考えれば--でなければ突然、重属性魔法を放つ訳がない。
 そう、二の九十九乗分分割されたデュアンは何と--分割された分だけでしかも一つ分辺り体積で表すなら二階建て木造建築二戸建て分だけ表宇宙にしてそこから分割された意思が集約して重系拡散魔法でシャドーデビルに攻撃する事が可能と成った!
 --わざと俺様の攻撃を受けたのか、デュアン!--
 --囲まれたぞ、シャドーデビル。俺に勝てると錯覚したお前には二の九十九乗分の俺が放つ俺の通常体積分で放つ重系拡散魔法を浴びて液体から固体に変わりやがれえええ!--
 それを直接浴びたシャドーデビルは見る見る内に全身を液体に維持する事が叶わず……何と東京タワー二個分から人間サイズでしかも身長徳川綱吉サイズまで縮んでるではないか--それがシャドーデビルの実態なのか!
「貴様あ……クソ、影が!」
「丁髷しちゃって……本当は」デュアンが表宇宙状態で勝つ分割された全てを集合させた頃には既に<パジャア>は元の状態に戻った。「徳川綱吉ではないのか?」
「違うな、俺は確かに徳川家の人間で苗字は確かに徳川だが……本家ではなく、尾張出身の徳川だ。まあ今の名前はシャドーデビルが一番良く似合う」
「ぶっ殺してやるぞ、二本足イイ」勿論、アルッパーも元の状態に戻っていた。「って避けんじゃねえ!」
「まあそんな事よりもその実態がさらけたんだ。まだ戦うか?」
「戦う?」シャドーデビルは全身を影で覆った。「この状態が最も強いが、俺様の主義には影無しという三文字はない!」
 影に呑まれるようにして綱吉と同じくらい低身長のシャドーデビルは姿を消した。残ったのは激戦の爪痕だけ。
「何なんだ、あいつ? 元は二本足だったのか?」
「それよりもさっさとブラックストーンを採掘しようぜ」
 どうしててめえは呑気なんだよおお--アルッパーの声は惑星<パジャア>を木霊する!
 彼ら二体は気付かなかった--死んだはずのパジャマの神ぱじゃあが全生命体の敵として再誕しようとしてる事に!



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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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