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一兆年の夜 第七話 はじめての戦い(七)

 村は火に包まれていた。ベアールの両親になった毛利の家は全焼。村長邸は見る影もなくなるくらい赤黒く変色。他の民家もまた……
(そ、そうだ! プロティイムのあるところオならみんないるかも!)
 ベアールは果樹園の方へ走った! 骨だらけの道を! 骨を踏まないように気を付けて走り続けた!
 そして二十の分が過ぎた。ようやく辿り着いた時、現実がベアールに突きつけた!
「うあ、ベ、ベ、ベティ江エエエエ!」
 業火で倒れていく果物の木々。それは一つの命が今失っていく姿だ。その中の
一番斜め右にベアールは走っていく!
「べあ、る、く、うぅ、ん?」
「何なんダアヨ、これ!」
 毛利ベティ江は果物包丁を背中に刺されたままうつ伏せの状態であった。
「こんな、こんなのは生きている者のスウルことなのカア!」
「よ、く、な、よ、おこ、た、ら」
 息絶え絶えになりながらもベティ江はベアールの怒りを鎮めようとした。
「良くないよ! こんなの! そ、ソオウだ! 今すぐベティ江の傷を防がないと、
って、アレ?」
 ベアールは今何がしたいのか分からなくなった。それに気付いた頃にはベティ江がもう助からないのではないかという諦めの気持ちが広がっていく。
(僕は何したいんだ? あいつを倒すんか? いやベティ江を助けたいんか? あ、アレおかしいな? 僕は分からないよ! ワカラナイヨ! ワカ、ワカ……)
 ベアールは迷っていた。怒りを優先すべきか、大切な者を助けるべきなのか。
 その二者択一の迷いは考えを降着させ、自らの意志すら手放していくのであった。そんなベアールに対して--
「あ、た、し、ぃ、ぉ、ら、くぅに、し、ぃ--」
「な、何を言イってるベティ江! それは僕に君を死な--」
「し、な、すぅ? そう、じぁ、な、ぁ、ぁ、の。こ、れグウウ!」
「ベティ江! もう口を動かさないでくれ! 僕が君をラアクにしてやる!」
 ベアールはベティ江の訴えにより、今までの迷いを吹き飛ばした!
(僕は今まで忘れていた! 僕は実奈通兄ちゃんカアラ言ワアれてるんだ!
 僕は全せいめいたいの……希望ナンダ!)
 そしてベティ江に刺さっている果物包丁に前右足で掴むと--
「僕は全てを受け入レル!」
 そのまま引き抜いた--血しぶきを上げ、齢十一の少女は解放された顔つきに
なり息を引き取る。
「ハア、ハア、今すぐベティ江を……何?」
 ベアールは急にベティ江の死体を飛び越えたその時--何かがさっきまで居たところに落下してきた!
「お、お前は、そうか! 僕を食らオウとしたな!」
 ベアールは何故食らうモノが広報から飛び込んでくるのを分かったのかを理解
出来ない。ただ、ベアールは食らうモノが四の年より前にプトレ村を食らった人型と同じであるという確信を持てた!
「僕を今までみタイに出来イルと思わないで下さい! 僕は必ずお前を死なセル!」
 人型の左足は一瞬だが、震えた! ベアールが確実に倒す気なのを直感で感じたのか。
(僕はようやく分かったよ!
 大人になることがみんなを守るための方法だったのを!
 大人になるには目の前の現実に目をつぶらないことなんだね!
 見えない現実に意地を張らずに諦めて進んでいくことなんだね!
 現実を認めて未来へ一歩一歩進む生命のことなんだね! 
 そして僕自身も過去へと還って、現在を見守っていくことなんだね!
 それが全生命体の希望僕自身はその為に礎になるよ!)
 ベアール・毛利はゆっくりと歩を進める。影と影が触れた瞬間!
 果物包丁を握り、駆け抜ける--遠すぎる過去へ!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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