FC2ブログ

一兆年の夜 第七話 はじめての戦い(三)

 デュアは手紙を読んで顔を引きつる。
「ねえデュアおじさん! 手紙にハアどんなこと書カアれてたの?」
「スゥそれはベティ江ちゃんの知ることではないよ。クォ今日は帰った帰った!」
「まさかやつラアの事じゃないよね! だったラア僕が--」
「ウォ親父の言うことを聞け! ォウお前らはさっさとお家に帰れ!
 ウィ今すぐに!」
 デュアよりも先にドラグルと呼ばれる少年が二名に怒鳴った!
 それは彼なりにデュアやベアール、ベティ江に気を遣っていた!
「そ、そうだよね。ドラグル兄ちゃんの言うトオりだよ。行キイましょうベアール君!」
「あ、ちょっとベティ江--」
 ドラグルの気持ちを何となく理解したベティ江はベアールの前右足を強引に掴んでそのまま果樹園から離れた!

 午後二時三十分五秒。
 場所は四番目に小さな民家。
 昼ご飯を済まして一の時が経過。
 ベアールは納得のいかない様子だった。
(デュアさんは何イカをかくしている。きっトオやつらのことなんダア!)
 ベアールは四の年が過ぎても忘れることの出来ないことがあった。
 それは故郷を食らったやつらと呼ぶモノ。内にある炎に似た赤いモノ。
 そして……
(実奈通お兄ちゃんカアら言われてルウんだ!
 僕はぜんせいめいたいのきぼうなんだと!)
「何前足をにぎっテエいきがっテエるの、ベアール?」
「ワ、ワ、な、な、な、何故こコオにイイる!」
 我を忘れていたベアールは声をかけられて踊るように飛び上がった!
「ひともので遊んでるノオ? そうじゃナアいでしょ!
 それにあたしならズウっとここにいたわよ」
「そ、そ、そうだヨオな。ご、ごめんベティ江!
 じ、実は手紙のことが気になっタアンだよ!」
「知らなくていい事だってアアルのよ。あたし達はマアダ子供なんだから大人アに
なってからにしよう」
「そ、そうダアヨね。大人にナアったらね。僕とベティ江はいつ大人ニイなれるかな?」
 その言葉は毎日の言葉とは明らかに違っていた。本来ならら彼等子供達は新鮮に感じ、その言葉に大喜びする。
 だが、二人は毎日が変わらないことに慣れていた。その言葉を聞き、ベティ江は案じない気持ちになる。
「お父さんは教えてくれない。お母さんだって教えてクウレないわ。デュアおじさんも、ダガン兄ちゃんも、レイデ姉ちゃんもドラグル兄ちゃんも村長様もみンナア大人に
ナアレる年を教えてくれナアイよ。なアンデ大人って勝手なノオ?
 教イイえて、ベアール!」
 痛すぎる思いを突きつけられたベアールは答えることが出来なかった。
(こンナアの大人なんて分からなイイヨ! 僕が分アカラないのに大人ガア
分かっテエくれるの!)
 少年はまだ子供。子供にとって重い課題は背負えない。
 そう思うのは必然であった。
 二名の間に思い空気は流れたが、晩ご飯を経てその空気は緩和された。

 午後十一時零分五十七秒。
 ベアールはこっそり目覚めた。
(大人になる方法なんテエ分からナアイ! でも、行動する方法ナラ分かるんダ!)
 十分後、彼は家を出て、村長邸に向い走り出す!
「僕は全せいめいたいノオきぼう! 答えは行動シイテ決める!」

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR