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雑文特別編 一兆年の夜外伝丙話 おいらは彷徨う(前篇)

 どうも最近は日曜だけ怠惰に成ったdarkvernuです。
 早速いきましょう。

 IC(イマジナリーセンチュリー)四年五月三十六日午後七時二分四秒。

 場所は西物部大陸アリストテレス地方メデス村。
 齢二十二にして二の月と十二日目に成るテレス燕族のやんちゃ青年は空を飛ぶ。
(今日は快晴行き渡ろう日だなあ。このままこの日が続こうように)
 学問の道を志すものの、余りの辛さに度々外へ出ては神々より上空を旋回して回る。彼の名前はヒュット・ヒッスイ……未だ青さの目立つ燕。その若き燕は向上心に乏しいだけじゃなく、現実に対しても乏しい。恐るべきモノが水の惑星に恐怖を蔓延し続けても彼には何が恐ろしいのかさえわからない。故に学問を志す心は薄く、翼が詰まったら晴天の空を飛んで自らの青春を楽しむ。
 そんな彼はある牛が村に入って行くのを目撃。齢二十歳にして三の月と一日目に成るテレス牛族の青年が影を帯びた表情でなおかつ二日以上も何一つ食べない状態でここへ入るのを。
(牛族で俺と年が変わりようない奴でろう。声を掛けてみよう)
 オーイ--ヒュットは青年に声を掛ける。
 だが、青年は無視。それでもヒュットは「オーイ、君は誰だろうかな?」と再度声を掛ける。青年は無視。更にヒュットは「無視は良くなかろう。年も近そうだし、何か反応を送れい」と三度目も声を掛ける。けれども青年は無視し続ける。
(あいつめ。三回も無視されると何か頭に来られよう。俺が怠け者だからか? 神々の上を礼儀も無しに飛ぼうせいか? 傷付かろう)
 そうゆう所だけ諦めの良くないヒュットは何度も青年に声を掛ける。村に来てから何の目的もなく彷徨ってばかりの青年に対する苛立ちと重ね合わせるように心配する気持ちから。それでも青年はひたすら無視。終いにはヒュットを避けるように牛族の図体で飛んで通るには少し狭い道を行くように。
(そう来ようか! 陸の種族に有利な道を行こうならこっちは空の種族に有利な近道で対抗しちゃろう!)
 ヒュットと牛族の青年は自らを懸けて下らない競争を繰り広げるものの……ついには決着を付ける。牛族の青年が空腹から来る疲労で気を喪失した事によって。
 それから三の日が経つ。牛族の青年はヒュットが暮らす宿の二階にあるヒュットの部屋で目を覚ます。目覚めて早々にヒュットからお粥を口に放り込まれる。
 な、何すんだう--それが最初の一言。
「ようやくだろうな」
「よくんもおいらを!」
「名前を教えろ、俺はテレス村出身の燕族であろうヒュット・ヒッスイ」
「おいらは……おいらはその村の住民で名前をソウスブ・ブルホルと呼ぶう」
「ソウスブでろうか。宜しくのう」
 宜しくなう--ソウスブは突然激昂する!
「そう、そおれ! ど、どうしたろう?」
「わからなかうか? 食われたんだう、テレス村がう!」
 何だって--ヒュットはそれを聞かされ、波長の小さい反応しか出来ない。
「良いっか、おいら以外がみんな食われたんだう!」
 ヒュットはこの後、ソウスブからテレス村がどのように変わったのかを聞かされる事に……

 続く……


 という訳で今回も前後編に成りました。後篇は来週に成りますので気長に……

 そんじゃあ恒例の予定表をどうぞ

 予定日不明    第五十三話 再誕の火 真正神武最後の最高官 作成日間
            第五十四話 再誕の火 男女は運命に導かれて 作成日間
            第五十五話 再誕の火 火は日を呼び寄せる   作成日間
            第五十六話 再誕の火 再誕の灯火        作成日間

 一ヶ月に一回は載せるけど、自分自身でさえどのように初め、どのように終わらすのかを忘れてる気がする。その時に成ってみないとわかんないけど。その為に外伝を急遽書く事に成った。一兆年の夜がどんな物語なのかを思い出す為にね。
 そうゆう事で今回はこれまで。来週こそ格付けの旅を書くぞ。

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プロフィール

darkvernu

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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