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一兆年の夜 第七話 はじめての戦い

 ICイマジナリーセンチュリー二十四年三月九十八日午後九時八分七秒。

 場所は東物部大陸ピタゴラス地方プトレ村北地区三番目に小さな民家。
 燃えさかる場所で齢六にして二の月と三日目になる少年は凍り付いた!
(コンアノナイナイナイ! ボクハボクハボクハボクハ)
 少年は眼前に捉えた事実を認めなかった。眼前には今も何かが食事をしていた。
(ああ、ああ、お母さん……お母さん!)
「おかああさあああん!」
 少年は何かに向かって突撃しようとしたが--右前足を掴まれた!
「逃げろ、ベアール! もうお前の母親は手遅れだ! もうあれに食べられてみるも
堪えられない姿になっていくんだ!」
 掴んだのは齢二十九にして一一の月と十二日目になる青年だった。
「お兄さん、でモ僕にとってはお母アさんなんだよオ!
 プトレくまぞクで、たダひともののお母さんなんだよオ! そんなアお母さんを--」
 ベアールと呼ばれる少年が青年に訴えかける暇もなく、食事を追えた何かは
二名に突進する!
「させるか! こう見えても俺は飛遊の雄だ!
 一般生命をみすみす死なせるものか!」
 飛遊と名乗る青年は右肩を突き出した体当たりをかける!
 だが、それは飛び上がることで回避--すかさず握った右手を青年の後頭部めが
けて振るった!
「が、あ」
「おにいさアアん!」
 青年は昏倒した。
「うう、うわああああ!」
 ベアールは恐怖のあまり、燃えさかる民家から出た!
(いやだいあだいえだいうだ……)
 ベアールは訳の分からないことを考えながらもひたすら逃げた!
(お兄さんをおいてエいった! お兄さんをおいたア! オニイさんをおオいた!)
 訳が分からなくてどうしようもない。それでも少年は逃げた!
 プトレ村の外へ! 吐く息が激しくなっても!
 しかし--あれは逃がさなかった!
「え? ぉぅぃ・・・・・・ぇ?」
 あれは北地区の門に先回りしていた--少年は万事休すと感じた!
「俺の名前を宣言する! 俺は実奈通みなつ! ゼノン族の長にとして飛遊兎通実うつみの第四子であるぞ!
 若い命をここで死なせてたまるかああ!」
 実奈通と名乗る青年はあれに飛び込んだ--あれは両足を掴まれて後ろへと
倒れ込んだ!
「お兄さん!」
「行け、ベアール! お前は全生命体の希望だ!
 ここで死んだら--」
 それは遺言となった! 実奈通の首筋まであれの口に入った!
「お、おにいさああああんン!」
 あれは頭から実奈通を食べ始めた。それをみたベアールは。
(お兄さんがア、お兄さんンが、いやもうここかラ出なアいとお兄さんに怒オられる!
 僕はお兄さんのきぼうウなんだ! ぼくウがきぼうなんだ!
 ボオクガキボウナンダ!)
 そう念じるようにベアールは門から村に出て行った!

 午後十一時三十分三十秒。
 場所は北プトレ道。村から成人体型二千離れた雪原。
 前後の両足は雪に浅く埋まっていた。ひりひりしながらもベアールは赤いモノを全身
まで流し込む!
(たおレないと! あれは僕の足でタオれないと!
 僕はキボウなんだア! 僕は全せいめいたいノ……
 キボウウナンダ!)
 ベアールの両眼は怒りで満ちていた!
 両眼から放つ怒りは四の年より後になっても消えることはなかった。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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