FC2ブログ

一兆年の夜 第一話 悪魔が落ちる夜(四)

 男は足下に注意しながら山を登っていく。
「雄として試されてるんだ! ここで退けば生命への恥さらしモノだ」
 彼の身体は小刻みにも震える。それは初めて芽生える恐怖心が心身を駆け巡っているからだ。それは山で起こったモノを目の辺りにした時、待っているのは己自身の生の終末に対する心の脅えからくるモノである。
 だが男は四の五の言わず足を動かす。
 愛を振ったブル璃の為にも。
 神を鎮める雄として。
(こんな震えが何だと言うんだ! こんなモノで俺が足を止めてたまるか!
 例え良からぬ事を目にしても足を止めたら一生モノの恥だ)
 男は心の中で言い聞かせた。そして山の頂上へ一段、また一段と登っていく。
 男が山を登り始めて四時間と十二分が経過した。
「もうすぐ、もうすぐ頂上に着くぞ! たぶん山を登り始めて四の時間くらいかな?
 お日様がもうすぐ登り始める頃だと思うんだ。それにしても眠くなった来たよ」
(ずっと寝ずに登ってきたからな。それに、お腹にある虫さんにも食べ物を与えないと餓死するかも知れない。)
「でも駄目だ! それでは神様に申し訳が立たない! 俺は雄として示さなければ神様の怒りは静まらない! だからどうか眠りの神様に空腹の虫さんよ、どうか俺自身のご無礼をもう少しだけ許して下さい」
 男は無理を押し通す。そしてついに頂上に辿り着いた。
「これが頂上… …なのか」

 男と同じ種族と思われる血だらけの白骨死体を目撃する形で。
 

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR