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格付けの旅 Gネスαの攻防 ユナイテッド・フェイカー・フリーダム

 デュアンとアルッパーは作戦会議を始める。彼等は互いの罵り合いから始め、次にデュアンの説教、アルッパーの好みと全く意見の合わない議論が三日ほど続いた後、ようやく本題に入る。
「マイマイは強い。GOのように金の力に頼っちゃ居ない。その証拠にあの恫喝、いびり立て。さすがは自衛隊出身者……本宮何とかのようなエセも多く輩出はするが、奴の覚悟は本物だ」
「じゃあどうしてあの野郎は詐欺師の片棒を担ぐ?」
「仕方ないだろ、奴は根っからの『信者』だ。『信者』は思想が仮に反対でも『スネ夫』のように『ジャイアン』に言われた事は言うがままにされるんだから」
 信者……それは良く言えば殉教者、悪く言えば思考停止した人でなし。ここでは後者を説明する。信者は何かを好きに成ったらそれの為に人生を懸けるほど。例えばAさんが48を好きに成った。Aさんはアルバイトをしていた。だが、ライブがある度にアルバイトを無断で休むように成る。チケットを購入する為に途中退社。挙句には最前列を確保する為にライブの二日前、ひょっとすれば発表からすぐに並ぶほど。そんな傍若無人な行動をしたが為にアルバイト先をクビにされる。それでもAさんは48の為に行動。果てには48を悪く言う人を罵倒さえするほどに。他には先生が好きに成ったBさん。Bさんは先生の為にあらゆる布教活動に励む。借金をしようと、家族がバラバラに成ろうと先生の為に身を削る。果てには暴力行為、酷い時は殺人にだって手を染める。そして先生が死を宣告したら本当に死ぬ。二人を例にとっても彼等信者は人ではない。人にあるべき己自身の意志を捨てた人は最早人ではない。一度信者に成った人でなしを人に戻すには夢から覚める必要がある。方法は原始的な拷問による矯正、話し合いという理想の矯正、残酷な隔離という矯正、投薬による矯正のどれかを徹底しなくてはいけない。がこれらを使っても奴らが人に戻る可能性は低い……残念ながら。
「他二つも俺の口から説明しようか?」
「いやいい。お前の話は長い。それで十分だろ!」
「全くお前という奴は。とにかくマイマイの思想は保守だが反戦寄り。Gネスαに共感したのはその反戦寄りの思想があるせいだろう。全く右と言われながら左の部分まで僅かに入るんだから困る」
「おい、その右とか左とかを改めて俺に教えろ!」
「知らん。そんな物を一々教えるほど俺は人が出来ちゃいない!」
「人でなしを超越したお前が言うな! 散々俺を嘲りやがって!」
 この後の議論は罵り合いへと戻る……それも一週間。

 その頃、マイマイはα・グネと映話する。
「あの鯨野郎とやり合ったが、金がもう少し積まれてたなら俺が食われる所だった……さすがは『反捕鯨』の結果生み出された怪物!」
 反捕鯨……それは白人の選民思想を示すバロメーター。彼らの二枚口を調べるには持って来いの自分勝手な自然主義。彼らが捕鯨に反対するのは鯨を大切に思うからではない。言わば日本人を虐めたいから捕鯨に反対する。そうとしか言いようがないのは何故C国やK国を公に批判しないのかを見れば明らかであろう。そう、白人は日本を恐れている。話を戻すが、捕鯨の反対理由が幼稚。例えば鯨は絶滅危機にある。実は日本はそこまで鯨を殺していない。むしろ殺しまくるのは白人。なおかつ鯨を武器の原料としか見ない。よって理由には不適格。もう一つが鯨は頭が良い。これほど幼稚な理由はない。何故なら豚や牛、鶏を殺すのはそいつらが頭が悪いからと言ってるようなモノ……謝れ、そいつらに! とにかくこんな幼稚な理由は許されない。何故なら動物を殺して食うという行為に頭の良し悪しは関係ない。彼らによって我々人間が生かされてるという事を知らなくてはいけない。というか犬や猫を食うあの連中はどうなんだよ。彼等は頭が悪いと思って犬や猫を食い殺すのか? 違うだろ、生きる為に犬や猫を食い殺してるだろう。よって理由には不適格。じゃあ何故反捕鯨か? それは反捕鯨をする事で自分達が乱獲しやすい環境を作り上げる為。そう、二枚舌だよ。なので白人には気をつけるように。
『誰がこんな解説をした? 私とマイマイとの会話に水を差しやがって!』
「お鎮まり下さい、α・グネ様! とにかくあの鯨もそうですが、デュアンという魔法使いも要注意。何故ならいくらルールに不備があったとはいえ、血の死体を作り上げるなんて異常としか言えない。もしも金が一定量あればGOは肉弾戦で打ち負けた。あの男は異常だ! 何としてもα・グネ様の手で我々に有利なフィールドを作って塵一つ残さず消滅せねばなりません」
『そこまで言わしめる二つ……わかったわ、マイマイ。ならば私の銀河で奴等を徹底的に追い詰めて、土下座するくらい悔しがらせてやるわ、フフフフ……ホーホッホッホッホ!』

 Gネス銀河……広大すぎて入った者達の目には星々や隕石、それに太陽しか見えない。けれども入る前に眺めると映し出されるマオフェイスは彼女が最も愛するのは何かを如実に示す。それはいいとして、この銀河に入った者は知らなければならない。いかにα・グネに逆らうのが愚かな行為なのかを。そう、彼女だけの銀河では彼女の価値観が最優先される。そこに入って逆らう者が生き残る確率は零に近い。
(マイマイとの戦いを抜けても次に来るのはあの女か。奴の歌声は聞いた者を洗脳させる。そして銀河表面に見られるあの悪魔の顔。戦いはまだ続きそうだな。国の枠を超えても、太陽系を超えても未だに『共産主義』は人々を縛り付けると言えるか)
 共産主義……それはマルクスとエンゲルスがお互いに資本主義を絶望した結果、誕生した産業を共に持ち合うという平等のユートピア主義。格差はなく、皆が平等になる思想……のはずなんだけど、これを試して、あらゆる物を平等にしようとした結果、資本主義以上に格差を拡大した国が約二つ以上発生。つーか共産主義社会なのにトップが居る時点で矛盾するし、格差を絶対悪にした経済システムを採用した結果、人間の働く意欲が日々失われる。それから政党は共産党だけ。これでは国は機能しないから共産党は必死に他の国以上に成長している事をアピール。例えマイナスになっても成長をアピール。マイナスになってない事を示す為に統計の改竄を繰り返す始末。そう、共産主義とは始めから間違っていたんだよ。だが、この思想を作った二人の髭はもう居ない。けれどもこの思想による犠牲者は現在の地球人口に匹敵するだろう。
(とにかく今はマイマイをどうやって倒すかによる。金は向こうの方が多い。だから力勝負はしない。けれども勝つ為の勝負は必ず仕掛ける。何故ならマイマイは自衛隊員の精神だけは父親から徹底的に叩き込まれてるからな)
 何メモ帳なんか見て--デュアンは背後に声をかける者に気付く。
「お前もこんな辺境の地に来るのか?」
「来て悪い? 私はあの男に復讐したいの。奴のせいで父は死んだ。だから復讐したいの、あなたを利用してでも!」
「煙草は嫌いだぞ! 俺の前でプカスカしやがって!」
 秀美は煙草アレルギーのアルッパーを無視して、デュアンに視線を集中する。
「無視されてるみたいだねえ、アルッパー」
「ウヌヌ、胸が大きかったらこの場に出てパクパクしたのに!」
「変態性なアルッパーだ」
 それでもなお無視する秀美--吸い終えた煙草を携帯灰皿の中で火を消して、仕舞う。
「父は幼い私と母を守る為にマイマイとサバイバルルールによる決闘をしたの。結果は父の敗死よ。マイマイはその時の傷で流石に母を寝取る事は出来なかったわ」
「寝取りかよ。随分アグレッシブな野郎だな、マイマイは」
(ルールか。奴お得意のサバイバルルールでは勝てない。何故なら俺は魔法使い。向こうはたった一年とはいえ元自衛官。かといって主導権は向こうにある。パチンコ勝負はやらない。奴はそうゆうのが大嫌いな男だ。他の勝負は何が思いつく? 鬼ごっこも隠れんぼもサバイバル勝負の一つ。他の勝負なんて早々思いつきも……いやあったな。
 奴は確か日本人だったか? 西洋ではチェス。ならば東洋では囲碁……あるよあるよ。碁盤遊びにサバイバルルールを加えた物なら乗ってくれるかもしれん……クックック)
 デュアンの不気味な笑いはアルッパーのみならず二方の女性まで引き摺る。
「ねえねえ、秀美。あいつって人間なの?」
「そう思ったら間違いよ。あの男は『サイコパス』。だから人間パチンコで死体から血を抜き取れたのよ」
 サイコパス……それは人としての常識すら捨てた異常者。良く言えば天才なのだが、悪く言えば人間の屑。彼等が人間社会に入ると必ず犯罪を行う。それで居ながら罪の意識さえ普通の人に比べて破綻してる為、謝罪さえ謝罪に成らない。例を挙げるなら先ずは犯罪者から。かのI小学校連続殺傷事件の犯人タクマは子供達を殺したり傷つけたりしておきながら遺族に対する謝罪の言葉すらなく、ただ平然と殺した子供達とその親を侮辱。動機についても常人には理解しづらい。何故なら動機はただ死にたかったから。これをサイコパスじゃなくて何だと言えるのか? 他には幸せそうな面が気に入らないとか何とか。次に経営者から。かのブラックキングの称号を得たWの元会長にして議員を務める男。奴は二十四時間三百六十五日死ぬまで働けを本当に会社の方針にしたり、かのリュウ・ムラカミの番組で『無理は嘘吐きの言葉』なんて言ってのけ、リュウを呆れさせた。後は介護事業で死人が出た際に『一億要るか』を言ったとか言わなかったとか。他には自身が運営する学校に堂々と自画像を飾ったり、選挙で公職選挙法違反を冒しても平然としてるなど彼をサイコパスと呼ばずして何と言えるのか? 最後に二十世紀の独裁者ベスト3もサイコパスだったという事実だけを紹介しよう。勿論、ユダヤ人虐殺とナチスで有名なヒトラーは当てはまる。自国民をおよそ二千万人も殺し、なおかつ人間不信者スターリンもソ連建国の父にしてロマノフ王朝の人間全てを皆殺しにしたレーニンもそうである。かの大陸の独裁者マオさんとその妻ら四人組は当たり前。かの大陸ではサイコパスが毎回トップに成るのは日常茶飯事であるのは歴史が証明している。何れにしてもサイコパスは近付いては成りません。是非ともかのアニメで採用されたネビュラシステムでサイコパスが……無理だろうな。そもそもネビュラシステムを管理した奴でさえサイコパスだもんな。
「オイオイ、自分で認めるなよ。俺は絶対認めないぞ!」
「あのなあ、アルッパー。サイコパスってのは誰もがかかりやすいおぞましい精神病だぞ。俺だって好きでサイコパスに成れた訳じゃない。成るようにして成ったからもう矯正さえ出来ないぞ」
「駄目だ、こいつ。最早重傷だ」
「アルッパーもその魔法使いと変わらないけどね」
 随分と和んでるなあ、オイ--そこへマイマイがガトリングガンを抱えて現れた。
「現れたわね、父殺し!」
「オイオイ言い過ぎだぜ。俺とあいつとは正統なルールの下で戦い、奴が死んだ。無駄じゃないぞ、奴の死は」
「だからって許せると思ってるの? 残念だけど、復讐する心まで消えないわ」
 いい女だ、益々気に入ったぞお--秀美の顔に近付けながら舌なめずりしながら高揚するマイマイ。
「いつ見ても下品ね」
「反抗しとけよ、今の内に。そうすりゃ益々精力が活発に成れるぜえ」
「止めとけ、マイマイ。俺はそうゆうアダルトな話題は範疇外だ。それにお前は俺に負ける。そうゆう運命だ」
「さすがだな、その自信。だが俺が勝負内容の主導権を握るぞ。簡単に勝てるルールで挑むと思ってるなら痛い目みっぞ」
「わかってるさ。だからこそこんな提案をする。どうだ、いっそサバイバル方式の将棋でやるってのは?」
「軍人将棋を俺にやらせる気か?」
「そっちだとお前が勝つだろう。それじゃあ面白くない。ここは不定形による将棋を俺は提案する」
「成る程」マイマイは舌なめずりする。それから……「いいだろ。乗った!」了承した。
「どうせルールや駒はあなたが主導権握る気でしょ?」
「当たり前だろ! 俺が勝てるルールでなおかつ面白ければ満足する。何せここは--」
 既に惑星<Gネス>に辿り着く。
「『α・グネ』様の母星さ。雌雄はここで決す。さあて、と。
 ゴオオオオオオオオオ!」
 慌てて、スッ転びながら華麗に決めて現れるGO!
「お呼びでしょう--」
 さっさと案内しろや、ゴルアアア--恫喝しながら命令するマイマイにGOは三回転バク宙する。
「わかりましたあああ! す、すぐに案内させますす!」
 船は<Gネス>へと吸い込まれてゆく……

 惑星<Gネス>のあるジャングル地帯。そこにはある星のある国の戦後総理の駒が並ぶ。デュアンとアルッパーはどうしてマイマイがこんな将棋を思い付いたのか試行錯誤したが、わずか一分で諦めが付く。
「そもそもこんな情けない奴等ばかりの駒はどんな動きをするかわからないぞ」
「情けない連中ばかり? 違うな。この駒それぞれにはある動きが用意されてある。説明するぞ」
「何々? 稔彦、シデハラ、シゲル、TETSU、『何、気にする事はない』、イチロー、タンザン、妖怪仙人、『目だ、耳だ、鼻だ』、新聞嫌い、カクエー、ミキティー、フクタケ、アーウー、ゼンコー、ヤスバーロ、ウィッシュ、UNO、カイフ、灘心影流当主、熊本のお殿様、アレ、マユゲ、ポマード、ブッチホン、森元、轟盲牌、サイボーグ、フクヤス、スナイパー御曹司、宇宙人ハト、お遍路、上島竜兵(仮)と成ってる。中には時間を置いてまた首相になった奴も何人か居るぞ!」
「まずは俺やお前らは言わば王将又は玉将。取られればそこで負け確定。
 ここではターン制ではない。敵味方含めて全員が行動を終えるまでターンは終わらない。よって速さが勝負を決めるルールだ」
「となれば俺達はいつでも素速く行動出来るから逃げ放題じゃないのか?」
「まあな。だが、所詮は王。後手に回らないと駒をとれないという点が健在だ。
 そんな事は今は良い。駒の動きを説明しないと将棋は始まらない。まずは前に斜め前に一マス動く駒であるが、これはシデハラ、『目だ、耳だ、鼻だ』、アーウー、ブッチホンのみ。次に後ろに斜め後ろに一マス動く駒はTETSU、タンザン、ミキティー、フクタケ、ゼンコー、カイフ、アレ、フクヤス、上島竜平(仮)のみ。前にひたすら進むのはイチロー、新聞嫌いのみ。飛んでニマス先の斜めと逆に飛んでニマス後ろの斜めに行くのは『何、気にする事はない』、カクエー、ウィッシュ、ポマードのみ。横にひたすら進むのは熊本のお殿様、お遍路のみ。斜め前のみひたすら進むのはマユゲ、宇宙人ハトのみ。横と後ろ以外一マス進むのは稔彦、UNOのみ。斜め前と後ろだけ一マス進むのはヤスバーロ、灘心影流当主、轟盲牌のみ。横以外一マス進むのはシゲル、妖怪仙人、森元のみ。斜め後ろ以外一マス進むのはサイボーグ、スナイパー御曹司のみ」
「オイオイ、まるで歴代総理の評価みたいだぞ。というか後ろにしか進めない総理なんて情けないぜ!」
「それでそいつ等が成ったらどう変化する?」
「成ると今までの動きに加えて新たな動きをする。稔彦は成ると玉将のように全方位一マス。シデハラは成ると後ろに最大ニマス下がれる。シゲルは横と縦をひたすら進めるように成る。TETSUは横にひたすら進むように成る。『何、気にする事はない』は横に飛んでニマス斜めに進めるように成る。イチローは斜め前にひたすら進む。タンザンは全く動かなくなる。妖怪仙人は前に駒の邪魔が入ってもすっ飛ばして取れるように成る。『目だ、耳だ、鼻だ』は動かなくなるが、敵の駒が一マス先にいれば全方位ひたすら進む。新聞嫌いは前に進まない代わりに斜めにひたすら進むように成る。カクエーは成ると敵側に寝返る。ミキティーは成れば敵の王将以外の全てに勝てなくなる。フクタケは成れば敵側に寝返る代わりに敵味方関係なくカクエーだけ勝手に倒してくれる。アーウーは成れば動かなくなるが、敵側は全ての駒を使っても取れなくなる。ゼンコーは成れば敵側が取るまで駒の使用が出来なくなる。ただし、敵が取るとゼンコーの駒を使用するまで他の駒の使用が出来なくなる。ヤスバーロは成ると斜め前に進めなくなる代わりに後ろにひたすら進む。ウィッシュは成ると敵に取られる。UNOは成るとカイフが成るまで動かなくなる。カイフは成ると敵側に寝返る。灘心影流当主は成ると後ろだけしか下がらなくなる代わりにカイフを味方に戻す。熊本のお殿様は成ると味方しか倒せない。アレは成ると熊本のお殿様の暴走を止められる。マユゲは動かなくなるが、味方のコマが五体以上敵側に回ればようやく動けるように成る。ポマードは成ると前に飛んで進む動きを失う。ブッチホンは成ると全く動かなくなる代わりに全ての味方側だった駒を味方へ戻す。森元は成ると後ろに居る駒をすっ飛ばして敵側の駒を取れる。轟盲牌は成ると敵味方全ての駒を取りに行く。サイボーグは取られそうな状況で全ての駒に必ず勝てるように成る。フクヤスは成ると敵側に寝返るが、フクタケを味方に戻せる。逆にフクタケが成ったらフクヤスは味方側に戻る。スナイパー御曹司は成らない。宇宙人ハトは行動順より前の駒によって寝返ったり味方に戻ったりするように成る。お遍路は味方しか倒せなくなる上に上島竜平(仮)以外勝てない。五個以上倒してようやく元の状態に戻る。上島竜平(仮)は成ればお遍路を倒せなくなる。以上だ」
「複雑な上に嫌すぎるルールだ。二本足の無能政治屋が仕事しないせいでこんな能力に成っただろうが!」
「慎重に選ばないと駒に噛みつかれる……で駒は最初から配置されてるのか?」
「最初から手元にある。配置されているなら敵陣地に入れない駒が山程あるだろうが」
 確かに--デュアンは右米神を通るように汗水垂らす。
「じゃあ本格的なルールを説明するぞ」
 マイマイは右で挙手するポーズを取る。すると天井にホログラフが映る。
「将棋と言っても軍人将棋が基だ。よって駒には勝てる駒と負ける駒がある。主に負ける駒は駄目大人党内ではイチローより後に総理に成った駒。ブーメラン党を始めとしたエンゲルス党系列ではTETSUより後に総理に成った駒。それ以外なら稔彦より後に総理に成った駒。ただし、返り咲いた駒の場合は少し訳が違う。サイボーグを例に取るとサイボーグはフクヤスに勝てる。けれどもフクヤスに負ける。何故なら上島竜平(仮)の後に総理に成った駒でもある。他にはシゲルは『何、気にする事はない』に勝てるが負ける事もある。何故なら『何、気にする事はない』より後に総理に成った駒でもあるから。それじゃあ最強の駒は稔彦に成る。そう考えるだろう? だが、稔彦の駒は時に他の駒に負ける事もある。それは相手の駒が陣地に入って成った時だ。成れば序列は無効化される。他には成る事がないスナイパー御曹司だ。実はこの駒は成らない代わりにシゲル以外の成った全ての駒を倒す事が出来る。後は天敵同士の相性。カクエーはフクタケに弱いが新聞嫌いに強い。イチローはシゲルに強いが妖怪仙人に弱い。『目だ、耳だ、鼻だ』は妖怪仙人に強いが新聞嫌いに弱い。矛盾する部分があるだろう? でも成るまではそれで済むが成れば相性は意味を為さない。成った時の効果が優先される以上は」
「ややこしいルールだ。頭が痛い」
「だが、序列が絡む以上はそれを基に戦略を立てればいい……んでエンゲルス党系列の下位は上位を屠るというルールなのか?」
「いきなりそんな事言われて……ああ、そうゆう事を言いたいんだな、デュアン?
 御覧の通り、年代が新しい総理は年代の古くてなおかつ対立する党の総理を屠る事が出来る。が一応わかりやすく示せば零年代、十年代に総理は九十年代の総理に勝てる。要は宇宙人ハトは零年代に総理に成った。よって九十年代の総理カイフ、灘心影流当主、ポマード、ブッチホンに勝てる。が十年代に総理に返り咲いたサイボーグには勝ったり負けたりする。同年代なら先に手を出した方が勝てる。こんな所だ」
「そうなるか。であればいかに屑駒を起用するかが争点となる、だろアルッパー?」
「俺はまどろっこしいのは嫌いだ! そんなんだったら俺一頭で全て食ってやる!」
「そう言えば速さについては説明してないな? 実はまあ俺達は最速で決定。でないと頭の意味がない。俺達の次に速い駒は何か? 実は任期を基に決める。只、一次中の日数ではなく総合の日数で速い駒は決まる。よって最速は稔彦。最遅は新聞嫌いと成る」
「オイオイ、じゃあ稔彦とアレとタンザンは場合によってはやりにくい駒じゃねえか!」
「長期政権の新聞嫌い、シゲル、轟盲牌、ヤスバーロは要所要所で出さないと他の駒に食われる。もしも独裁者将棋でも開いたら最も遅いのはアラファトとかそれらの長期政権築いた連中になるなあ」
「そんなのを一々計算出来るなら苦労しない……んで頭を詰ませば即ゲーム終了。
 もう長々と説明するのは終いにするか。そろそろやりあおうぜ!」
 手を下げると消えゆくホログラフ--それは即ち戦いのゴングが鳴らされる。
「それじゃあ位置に付け……と言ってもそちらの頭は俺が勝手に決める。
 アルッパーは駒に成れ!」
「て事は俺は控えか?」
「不満か?」
「後悔するぞ、マイマイ。猛る奴を王将にするってのを」
 歴代総理将棋は開始した。将棋盤は八一ではなく、二二五。しかも綺麗な長方形ではなく偏った形をした乱雑盤。その為、もしも大将が端っこに追い込まれたら詰みに成る可能性は高まる。
 序盤は互いに駒を出さずに敵陣地へと歩を進める。特にアルッパーは曲がらずに真っ直ぐ進む。そして六ターン目に入る。
(奴め、ここから駒を出してきたか)
「イチローだと! メイソンの手先を使って俺を食らうつもりか!」なお、一度出した駒は次のターンに成るまで動かせない。これはこの将棋にも適応される。
(アルッパーの場合はまだ出さない。まああいつの場合は何が何でもマイマイを追い詰めるまで自力でやるつもりだろう)
 七ターン目。当然、右へ移動するアルッパー。右に動くのを確認するマイマイはイチローを動かす前に--
「不肖の孫と優秀な祖父の友愛タッグ。どうだ、最高だろ?」
 そんな駒なんて叩き潰す--とうとうマイマイのニマス前にブッチホンを出す。
「では成ろうか」
(自陣に防御を張らない以上は、成らざる終えないな。さあ、こっからどう動く?)
 八ターン目、アルッパーは動く前にマイマイのニマス後ろより左にポマードを置く。
「王手か、笑止」
(手が早過ぎる。すぐさまマイマイはポマードの尻まで動いたぞ)
 ブッチホンは前に出て、成らず。宇宙人ハトは動かず。アルッパーの右横に見える位置にイチローは斜め後退する。
(九ターン目はどう進むのか? というか将棋は何時になったら終るのか?)
 計画無しに書き続けると、気が付けば四ページ目に入るとは……



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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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