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一兆年の夜 第五十二話 光不変の先へと 後篇(流)

 午前十一時三十分五十二秒。
 銀河連合は総攻撃を開始--隕石並の落下をする一団のみならず、深海から襲撃する一団も含めて!
 一方の真正神武真鍋傭兵団、エリフェイン傭兵団、柊傭兵団、そしてシャーク傭兵団の連合も負けずに反攻を開始--海中はシャーク傭兵団が担当し、海上は柊傭兵団が担当、船内はエリフェイン傭兵団が担当し、そしてサンショウ六が所属する真鍋傭兵団は甲板を担当。
 真正神武軍は仁徳島奪還を開始する!
 舞台はサンショウ六の居る『星季』甲板に戻す。サンショウ六はサンショウ子が所属する山岡分隊と共に降りゆく銀河連合を避けながら反撃を窺う。
(分隊長山岡イタ平は包丁捌きが凄いらしい? それを見たくて山岡さんが率いる分隊に入ったけど、逃げてばっかりだ? 中々攻勢に転じられない?)
 それにしてもあのジャンゲルの部下と一緒に戦うとはなっち--サンショウ六を除く九名を率いるのは齢二十九にして九の月と十日目になる仁徳鼬族の青年山岡イタ平はいつでも刃を鞘から抜けるよう準備していた。
「しかもあのサンショウ六だからね? 頼りになるかしら?」
 なるっこと思いますよ--齢二十一にして十の月と九日目になる藤原子守熊族の青年藤原コア主はサンショウ子の背中に飛び移りながら言う。
「あんまり他者の身体に乗っかるなっち、コア主っち! 自分達の任務は船の死守っち。どのみち自分も含めて死者は出るっち。ならば--」
「死者は出しません? 勝手に死んだりしないで下さい、みんな?」
「お前はっこ口出しするな! 小隊のっこ任務に文章したっあ句を言いたけりゃっら小隊長に進言しろ!」
「コア主の言う通りっち。サンショウ六は部外者でもある以上は小隊長にさえ進言は許されないっち!」
 だってさ--サンショウ子は走りながらサンショウ六の頭を左前足で撫でる。
「そんなことして……ワワッツア?
 危うく押し潰されそうになったじゃないか?」
「御免なさい、サンショウ六?」
 声が大きいっち、二名ともっち--イタ平は分隊全員の足を止める指示を出す!
「分隊長殿っこ。こんな……囲まれたっこ!
 いつの間にっこ奴等は囲むようにっあ落下してきた?」
 間抜けなのは自分達の方かっち--それでも刃を抜かないイタ平。
「どうしますかっこ、分隊長っこ? 足をっこ止めれば生存率はっあ低くなりますが」
「サンショウ六っち?」いきなり振られてサンショウ六は戸惑う。「何でしょう?」
「前と後ろ……お前ならどちらを選ぶっち?」「前?」自信満々に答えるサンショウ六。
「意見は一致したっち。これより分隊は強行突破を図るっち!
 ちゃんとついて行けよっち、自分にっち!」
「「「「「「オオオオオオ!」」」」」」
 鞘から抜き、前方に構えたイタ兵に示されるようにサンショウ六を含む十名は進む!
 前方には分隊の十倍は居る銀河連合--強行突破を食い止めようと一箇所に固まる。
「確かにっこ強行突破を試みる……がっあそれは『真っ直ぐ』というっら意味じゃない!」
 コア主の言葉通り分隊は塊に押されるように二手に別れ、外側から囲むように一団を叩きながら前に進む!
(確かに正面からは数の面でも進めはしない? でも横に流れながらなら……しかも固めたせいで隙間が出来た?
 僕は山岡分隊長組に付いて行くように隙間から抜ける?)
 コア主を含めた五名は左の隙間を通れずに囲まれてゆく--イタ兵、サンショウ六、サンショウ子を含む六名は右に出来た隙間を抜ける。
「また一名っこ死んだ! 藤原鋭棒をっこ振り回してもこれじゃあっあ死ぬしかないのか?」
 そう言いながらも三体倒す事に一秒足らずで刃先を交換し、更に三体を難なく倒すコア主!
「コア主やわ、どうやら俺も……グワアアア!」と名も無き熊猫族の中年が血を吐きながら仰向けに倒れながらも戦意を保つコア主。「残りはっこ俺だけ? 腰砕けもっこ良い所だぞ、これっこ!」
 絶体絶命の状況に追い打ちをかけるように空から数体もの銀河連合がコア主の頭上に落下してくる!
「残り刃は……二つウウっこ! 俺にっこ『死ね』と言いたいのか、神々はっこ!」

 午前十一時四十七分二十八秒。
 山岡分隊の数は五名。抜ける際にイタ平を庇って一名の傭兵が討ち死にしたばかり。この状況になってサンショウ六はある事を思い出す。
(あの時と同じ? 副長が死んだあの時と? あそこから僕らベアケット分隊は次から次へと死んだ?
 だからって諦める訳にはいかない? でないと小隊長メデリエーコフに宣言したことが本当でなくなる? 意地でも生き残ってみせる?)
 その通りだっち、サンショウ六っち--心を読まれて一瞬だけ震えるサンショウ六!
「前向きになれないわ、分隊長? 正岡さんが死んだのにどうし--」
「だからこそ僕らは諦めてはいけないんだ? そうでしょ、分隊長?」
「そうだっち。それに自分は死なんっち。その可能性すら存在しないっち」
 イタ平は刃毀れ起こさず空からも横からも急襲する銀河連合を次々と両断--サンショウ子は驚くばかり!
「デエエエッダ……これで三体目?
 何をしている、サンショウ子? 死にたいのか?」
 死なないわよ--無気になったのか、足斧でサンショウ六の背後から迫る牛型目掛けて投げる!
 眉間に命中し、踊るように蹌踉ける牛型銀河連合。牛型からで達を右頬に辺り、背後に気付くサンショウ六の全身に痺れが駆け巡る。「あ、ありがとうサンショウ子?」と返事をするしかなかった。
「いえいえ、どういたしまし……テ?
 あ、わわ--」
「どうした、サンショウ子? 後ろなんて……な、何て都合なんだ?」
 二名は左翼から落ちてくる鯨型銀河連合を目撃--全長成人体型はおよそ二十七と巨大な姿に痺れと冷却の両方を身体に流れる!
(あれが船に当たれば沈没する? 間違いなく沈没する? 戦うと決めたのに逃げるなんて出来るか?
 それでもあれは無理難題過ぎる? 柊傭兵団? いやいやいやいや、あの方達じゃ軽すぎる? ど、どうすればいいんだ?)
 気合いで何とかするんだ--分隊長イタ平に続いて小隊長ドストリーニもサンショウ六の心を読むかのように答えを出す。
「生きてたんですか、小隊長殿?」「礼を失するんぞ、山一! わしはお前達若いもんよりも早くん死ぬんつもりではあっても簡単に死ぬんような軟弱者ではない!」「申し訳ありません、小隊長殿?」傷一つ無いドストリーニを見て驚くばかりのサンショウ六。
「それに所属のない者はわしの所に付けって言っただろうんに!」「も、申し訳ありません?」「話はそこまでにしてあれを倒すんぞ、お前ら!」飽くまで気合いで何とかしようとするドストリーニ。
「で、でもあんなに大きくて空から降る銀河連合なんて迎撃出来るの?」
「雌の糸風君にはわからないだろうんが、雄というん者は何よりも気合いを重視するん性だよ」
「お、雄の僕でもあんなのはどう考えても--」
 成る程っち、その足がありますかっち--まるで何かを理解するかのように左翼甲板物摺りに近付くイタ平。
「まさか揺れを利用して飛ぶんですか、二名は?」
「それ以外に何があるっち、サンショウ六っち?」「一つ訂正しなさい」「まさか僕を?」三名の力で鯨型まで飛ぶ事を本能で理解してしまったサンショウ六!
「な、何て罪なことを? 一歩間違えたら--」
「お喋りはもうそのくらいにしましょう、サンショウ子さん?
 どうせ死ぬはずだった命? 少しくらいは対価を払わないと死んでいった者達に申し訳がない?」
「よう言った! それでこそわしが見込んだ雄じゃ!」「まさか乗り込むのはサンショウ六?」何時の間にか足斧をサンショウ六に渡すサンショウ子!
「僕には徒足空脚があるじゃ--」
「これは雌の勘よ? どうせ大きすぎて絞め技は意味ないからこれで?」
「……わかったよ、サンショウ子? じゃあ行ってくるよ?」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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