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一兆年の夜 第五十二話 光不変の先へと 後篇(乱)

「まだ我の知ってるリーダータイプじゃなくて良かったです」
「知ってる……ってことはやっぱりラディヴェさんは--」
 そんなことよりも先を進まなければいけない--神のみぞ知るのか、それ以上話すのを遮るラディヴェ。
(僕が質問しようとしたのはラディヴェさんは『竜宮』から来たのかについてなんだけどな? やっぱりあの反応ではそうかも知れない?)
 サンショウ六はラディヴェこそ古代から通じる『竜宮』の在処を知る者ではないかと睨む。

 未明。百獣型及び指揮官型を倒してから四の時経過。
「はあはあはあ、さっきの百獣型との戦いと今までの疲労で僕の足は思うように動けない?」
「とは言っても都合良く食べ物が落ちたりはしないのです。どこかに穴でもあればいいですのに」
 ないなあ--二名の表情は空腹で生気が落ち始める。
(腹減った、腹減った? 何か食べたい? そ、そうだ? この際は--)
「止めるんです、サンショウ六君。それは銀河連合の壺思いです。そうやって地面や壁を食べさせる事で君を銀河連合に変異させようとしてます!」
 そ、そうだった--サンショウ六はもはや冷静でいられない程にまで疲れ切る。
「にしても腹が減ります。『ヴィスター』が居れば少しは落ち着けますのに」
「『ヴィスター』って誰? 雄の名前みたいだけど?」
 実は雌なんです--改めて価値観が異なりすぎる事を再認識した二名。
「雌って? じゃ、じゃあその『ヴィスター』さんは天使族でラディヴェさんの恋者なんですか?」
 さ、さあ--頬を赤くしながら目を逸らすラディヴェ。
「ま、まあ空腹を紛らわすついでだから『ヴィスター』さんについてお話ししましょう? ど、どうせまだまだ先は長い訳ですし?」
「……そうですね。ではお話ししましょう。『ヴィスター』、いえ偉大なる血統の末裔『ヴィスティス・テッタリア』について」
 二名はどこまで続くかわからない道を少しずつ歩きながらラディヴェが言う偉大なる血統の末裔『ヴィスティス・テッタリア』についての話が始まる。
 彼女はラディヴェの居た空の惑星では『導者』と呼ばれし存在で、実質百五十年以上も長生き出来る存在。彼女は『龍道』のみならず『魔法』と呼ばれる『エーテル』と『マナ』の融合が織りなす奇跡も使える。それだけでなく『導者』は代々、身体能力と特殊な呼吸法を用いた尋常成らざる身体能力も併せ持つ。その中でヴィスターは双子の妹でありながらも同時代の導者の中では抜きんでており、『テッタリアの末裔』と呼ばれるに相応しい存在である。
 そもそも『テッタリア』は過去の惑星から来た一族で彼等は過去には『テンタウ』と呼ばれし一族。やがて空の惑星のとある現地で『テンタウ』は『テッタリア』と名字が変化してゆく。そんな『テッタリア』の一族は代々男系による万世一系。中継ぎで導者の雌が長に成る場合もある。ヴィスターは中継ぎという役割を揺るがす存在であった。
「あれ? どこかで聞いたような一族だね、『テッタリア』は?」
「これ以上は話せばそちらの歴史を変えかねんのでここまでです……我が居ること自体が歴史を変えていますかな?」
「ま、まあいいじゃないです? この際、僕も水の惑星に於いて自慢となる一族を紹介するよ?」
「一方通行だが、聞いても歴史に変化は起きないはずですが」
「代々続く万世一系の『天同家』のお話を?」
 サンショウ六は自分が知りうる『天同家』についてラディヴェに聞かせた。それによると現在三つの内、二つの国を支配する一族は皆『天同家』であり、支配体型は大きく異なる。
 まずサンショウ六が国籍を持つ真正神武は仙者と呼ばれる天同が最高官を務め、政が出来ない場合は副最高官と摂政が代わりをやる。その内の副最高官は必ず天同の者が務める。
 次に古式神武では真正神武と同じように最高官はある。だが最高官こそ一般生命でも可能。ただし、ここ古式神武には象徴制度がある。象徴には天同の者しか成れず、なおかつ万世一系の流れを汲む者でなければ象徴になれない仕組み。故に中継ぎとして雌が成る場合もあるが、女系は成れない。
「不思議な国々ですな。どちらも天同が実質の支配者なんですね」
「元々は同じ天同が三つの国に別れる時に彼等も三つに分かれたって聞きます?」
「それにしても天同とテッタリアはこうも類似しすぎます。まさか元々は同じ一族なんて事はないですよね?」
 それはさすがにやりすぎでしょう--二名はその説を完全に間違いだと断定した。
「テッタリアにテンタウ、それに天同……ん?
 そう言えば君は『仙者』なんて言葉を口にするけどあれはどうゆう意味ですか?」
「あ、話に入れるのは忘れた? それは--」
 突然、雷の鳴る音が二名の耳に響く!
「わわ? どうなってるんですか?」
「どうもこうも……う?」「どうしたの……ってここどこ?」二名は瞬きする内に花の大地に立つ。
「花? どうして花が……ここはまさか--」
 二名が花の大地を眺める暇なく花は二名に襲いかかる!
「この花も銀河連合だったのか?」
「奴等が花になるなんて朝飯前です! 本当に恐ろしいのは--」
「話は一旦中断するね? 花が相手じゃあ僕は自慢の徒足空脚も意味がない?」
「『龍道』で一掃したいがヴィスターとの思い出に似すぎたこの花園を払うなんて我には出来ません!」
 じゃあ一緒に逃げましょう--二名は花型銀河連合から逃れるべく蹌踉けた足を無理矢理動かしてゆく!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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