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一兆年の夜 第六話 特別配達員 シュラッテー(三)

 午後一時八分二十二秒。
 場所はエウク町南地区一番地。
「ドウシテサイテイゴニンナワケ? ヨニンデモヨインjカナイノ?」
 キュー香の満足しない焦りを吐いた。
 それに対してシュラッテーは木戸デュー雄の話を持ち出した。
 事の発端は十九の年より前、メッサーシュミット隊がセネカ村へ配達中に
剥き出されしモノ(仮)と遭遇。その結果、フッケンを含むメッサーシュミット隊は
壊滅した。
 剥き出されしモノ(仮)との遭遇は八十の年より前から発生した。
メッサーシュミット隊壊滅事件より前までで少なくとも百万名に満たすか満たない数の生命が死んだ。
 そして今回の件は初めて配達隊全員の死亡が発生した。配達本部は
これ以上死者を出さないために時の上空配達総長であるセネカ烏族の
カッカ・ダリッキャによって規模縮小を宣言し、翌日には希望退職者を募った。
 だが、総長の希望通り退職者は現れなかった。何故なら配達員達は生命と生命の繋がりを重視しようと懸命だった。それを危惧した木戸デュー雄は点呼の時に自ら中段の席に立って配達員全員を説得した。必死な説得は多くの配達員達の心に刻まれた。その翌日以降希望退職者が日に日に増していくことになった。
「カッカソウチョウモ、デューオサンモジブンナリニハイタツインノイノツヲ、マモリタイ
イッシンダッタヨ!」
 それが肉を皮にする結果になると分かりながらも。
 それ以降の配達は過酷を極めることになる。何故なら六名掛かりでやる仕事を
四名でやったり三名でやると言うことはかえって一名当たりの重荷を増すことに
他ならなかった。それに責任を感じると分かりながらも木戸デュー雄は自らの重荷を増やしてでも生命と生命の繋がりだけではなく、自らの罪の遺志を背負う覚悟でいた。
「ソシテソレガ、ジュウサンノトシヨリマエニ、トウトウタオレテカエラヌセイメイトナッタンダヨネ。
 トッテモツライワ、コンナハナシヲシテル、シュラッテーノココロガカナシイヨ--」
 当のシュラッテーはむしろデュー雄の気持ちを考えて反論した!
「ソ、ソウナノ? デモホントウノココロナノ、アナタノ? マ、マアイイヨ!」
 キュー香もシュラッテーの気を遣ってか、自らの心の内で納得した。
 そしてシュラッテーは話を続けた。
 デュー雄の件を聞いたカッカ総長は心の葛藤の末、配達員の過労死を防止するための議論を村中で呼びかけた。その結果が--
「ゲンザイノエウクマチタンジョウニツナガルンダヨネ! ハイタツインヲフヤスシカナイケド、ソレデハジブンジシンガナンノタメニデューオサンヲシナセタカワカラナイ。ケレドモコレマデドオリシュクショウシタラ、デューオサンノヨウニカロウシスルセイメイガデルカワカラナイモンネ」
 そこでシュラッテーは話を打ち切る。話が長すぎたのか、特別配達員捜しを優先した。
「デモホクセイチクハヒトトオリヨビカケテモコトワラレルバカリナノヨ! ココデモウマクイクホショウアルノ?」
 キュー香の言葉に納得しつつも、シュラッテーは羽を動かした!

 午後二時一分三秒。
 三番地ダリッキャ邸。
 シュラッテーはこの豪邸に住むデッガ・ダリッキャに手紙を渡した。
「どっうも! おっおこれは二番地のサク夜からか!
 あっの雌め! まっだ我のことを諦めんか!」
「アイカワラズネ、デッガ! タシカニカラスゾクノデッガニトッテハ、クモゾクノサクヤサンノキモチニコタエナイノハタダシイケド、デモチャントアキラメノコトバヲカンガエナイトイツマデタッテモ--」
「よっけいなお世話だろ! なっんで我がサク夜のために返事を?
 どっの言葉で面を上げきった状態で? どっう断ればいい?
 おっしえろよ!」
 シュラッテーは特別配達員になれば諦めてくれるだろうと、デッガに説いた!
「はっあ? わっれがどうして配達員の真似事を!
 そっんなの親父の代で終わったことだ! わっれに関係ないこと!」
 デッガは必死で断った!
 何故ならデッガの父はかつての上空配達総長カッカ・ダリッキャ。つまり、
木戸デュー雄の過労死を作った張本者の第四子である。
「タ、タシカニカッカソウチョウハ、デューオサンノシヲキッカケニ、ココロヲ
イタメテシマッタヨ! ソレガゲンインデアノカタハ--」
「いっわれなくても分かるだろう。 そっの翌年に病を患って今は墓の下で
我らを見守ってるよ! ほっんとあの親父は身崩しな雄だったよ!」
 それがデッガにとっての心の傷となった。そんな雄を配達員にさせるのは難い。
「エッ! シュラッテーッテバ! コンナヤツハイクラトイテモコトワルッテ!
 アキラメテツギサガソ!」
「そ、そっうだ! わっれが配達員になると思ってか!
 なってやるつもりは微塵もないぞ!」
 シュラッテーはその言葉を待っていた! 彼はその言葉を出したわけを
有無も言わさず聞いた! そんな言葉責めにデッガはとうとう--
「よ、よっくなかった! わっれが浅はかだった! やってやろうじゃないか!
 で、でっも勘が良いと思うなよ! と、とっく別配達員以前に我が配達員経験は
浅いから最初の内は慣れないのは知ってるよな?
 そ、そっんなわけで迷惑かけっぱなしになるぞ! いっいな?」
 それで良いとシュラッテーは即答した!
 何故ならササーキー隊の隊員がかつてそうだったとシュラッテーは言うが--
「イヤイヤ、デューオサンヤ、スラキサンノレイガアルカラッテ、ソレデ
ヒキイレルッテナンカオカシクナイ?」
 キュー香の反論はシュラッテーには通用しなかった。彼は少しだけ
ストルム・ササーキーに似てしまった
「かってないな、あんたには。いっいぜ!
 そっれじゃあ改めて自己紹介してやるぜ!
 わっ我はセネカ烏族のデッガ・ダリッキャだ! よっ齢二十八にして零の月と
八日目になる雄だ!
 げっ現在は上空流通商業の仕事があるが、あっんたの期待に応えて
特別配達員となるぜ! よっろしくな、シュっラッテーの爺さんよ!」
 こうして特別配達員は二名となった。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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