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一兆年の夜 第五十二話 光不変の先へと 後篇(迷)

 サンショウ六は握足(握手)して気付く--目の前に居るラディヴェヴァルデェンが自分よりも二倍以上も年上であることに!
「あわわわ? そ、そんなに高齢だったのですか? まさ、まささか仙者ではないでしょうか?」
「仙者? ああ、我の年齢の事ですか! 四十八なんてまだまだ若い年齢ですぞ。それにそもそも『仙者』とは何でしょうか?」
「え? 若いの? さすがにそれはないよ? 四十八なんて僕ら生命がそこまで長生きできるかさえ分からないんだよ? それを『若い』の一言で済ますなんて? 僕には是非とも長寿法を知りたいよ?
 そ、それから『仙者』を知らない生命が居るなんて初めて知ったよ?」
「長寿法はないです。元々……おかしいですな?
 我ら生命の平均寿命は百歳なのにどうして君はそんな事を言えるのです?」
 ひゃ、ひゃくさああああい--思わず飛んでしまうサンショウ六!
「あれ? とすれば君は我とは違う世界の生命なのですか?」
 ど、どうゆう意味--とんだ衝撃で右後ろ足を捻って痛がるサンショウ六はラディヴェヴァルデェンの疑問に耳を傾ける。
「ひょっとすると君の言う『仙者』とは我の常識で言う『導者』かもしれないですね」
「『導者』? 導く者と書いて『導者』? じゃ、じゃあラディヴェヴァルデェンさんが住む世界は違うというんですか?」
「済まないです。我の事はこれから『ラディヴェ』と呼んで欲しいです。
 話を戻してサンショウ六君だったっけ?」
「そうですが」「君の住む所は何銀河なんです?」「そこまでは知らないけど、星は水の惑星だよ?」サンショウ六は頭の中が混乱して自力で思考できない状態であった。
「水の惑星、まさか……いややめましょう!
 とにかく君の住む銀河はアマテラス銀河。その中にあるスサノヲ太陽系なんですね?」
「た、たぶん?」「じゃあ我の住む銀河を教えましょう。我はオオクニヌシ銀河に住みます」「オオクニヌシ銀河?」サンショウ六にとって星を観察する趣味がない以上、何の話だかさっぱり分からない。
「そして我が住む惑星はオオナムヂ太陽系第三惑星『空』です」
「『空』? 何だか空に住んでそうな名前だね?」
「いや文字通り空に住みます
 はい--幻を披露されるような感覚に襲われるサンショウ六。
「我の住む世界では空を登る事以上に地上へ潜る事を夢見る若者が多いのです。けれども蝙蝠族や黒羽族のように滑空を用いて潜らないと中々深くまで潜れません。ですので--」
「すみません、そこまでの話はいいですよ? つまりラディヴェさんは僕ら水の惑星民じゃないってことでいいんですね?」
「そうゆう事になります。そしてここが……重要なのはそこじゃないです。
 とにかく我とサンショウ六君は急いでこの中から脱出しましょう!」
 ええ--再び握手(握足)を交わす二名。
「とにかくここはドラゴンタイプ銀河連合の体内です。いくら進んでも我々が小さくなりすぎている以上は--」
「どらごんたいぷ? 何ですか、それ?」「名称は気にしなくていいです。どうせ我の住む星の用語ですので」「訳分からないよ?」サンショウ六にとって異星の言葉ほどややこしい物はない。
 二名はようやく歩き始めようとしていたが--
「どうしたんですか、サンショウ六君?」
「えっと僕が起きたのはどれくらいですか?」
「時間の事ですね? 君を発見したのはついさっき……二、三分前だよ」
「えっと僕が眠っていた時間がわかりさえすればいいんだけど?」
「じゃあ体に触れて数値を測ります」
 ラディヴェは右手の平をサンショウ六の背中にそっと触れる。するとサンショウ六はよくわからない文字が飛び出すのを目撃した!
「な、な、ななんだ?」「『龍道』……それによると眠った時間は二日と三時間十五分です」「二日……二の日なんだね?」よくわからない単語を質問しようとしたけど、ややこしくなるので流したサンショウ六。
「どうやら銀河連合は眠っているサンショウ六君を食らえないほどにこの領域を支配しきれていないと見ました!」
「もうさすがに混乱するから話は後で聞きます?」
「うーん……そうですね。先に進みましょう」
 二名はやっと足を動かし始めた……。

 未明。
 二名が歩き始めて五の時が経過。二名は空腹の只中にあった。
「僕は二の日も食事してないから余計に食べ物にありつきたい?」
「仕方がないでしょう、サンショウ六君。銀河連合が食べ物を提供してくれる存在だったら我々生命は四万年以上も苦しむ事はありません!」
「『四万年』……まあとにかく銀河連合は僕達が飢えて死ぬことも望んでいることはわかります? だってこんなにも歩いて一体も銀河連合が居ないなんてさすがに--」
 いや、目の前に居ます--ラディヴェが右人差指で示す方角には百獣型と指揮官型が聳えていた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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