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一兆年の夜 第五十一話 光不変の先へと 前篇(四)

「オオお前ら! アア守る戦いでは守りにイイ入るな、攻めるオオように守れ!」
「わかってるよス、ベアケット隊長ス!」
「この……毛を切らせて骨を断つーウ!
 また一つ足斧が使い物にならーアなくなったぞ」
 知るかい、こっちは徒足空脚じゃい--惹き付けるように自慢の角で突き刺してゆくサイ頭!
「ごめん、みんな? 僕が覚悟出来ないばかりにこんな--」
「謝る奈、サンショウ六……ドオ!
 どのみち銀河連合端せめてきたろう。後ろ向き端健康似良くない」
「わしみたいに前向きで……ダアアアイ!
 跳ね飛ばせばいいんだよい!」
 そうゆこと--残り三本の物部刃を三体の陸上銀河連合に当てるカモノ。
「ダアア、フン! コノオ、ドオオラア!
 数がアア多すぎるからオオ徐々に後退してゆくなんて!」
「こんな時に他の分隊は何をしてるス! 俺の両刃はもう錆びちまったぞス!」
「結局頼れる乃端己自身なの科……フン!
 棍棒乃凹み牙多すぎる! 後ろ向き奈考え牙浮かび始めて--」
 危ないーイ、鈴村殿オーお--一瞬の隙に鰐型は長い口を伸してきね由を食らおうと仕掛ける!
「ああ、メエメンさん?」
「どうやら自慢の毛がなかったら死んでいーイたなあ……今だ、鈴村殿!」
 オオオ--メエメンに気を取られている隙に棍棒を鰐型に振り下ろすきね由!
 頭部は棍棒の凹みが問題にならない程歪み、両眼は飛んで口から赤黒いものをメエメンにかけながら鰐型は息絶える。
「ぐうう、よくーウやった……きね由」
「まさかその傷端……申し訳ない、メエメン!」
「腰砕アアけ、メエメン! オオサガのイイ遺志を忘れてエエどうする!」
 そんな、メエメンさんが--メエメンが受けた傷はサンショウ六でもわかりきった致命傷。
「うわス! 悲しみに暮れる暇は俺達にないス!
 でス、でもメエメンは生きなければならないだろうにス!」
「ブブ……どうやらそうもいーイかん。わしはここで退場する運命にイーあったな、御免よ」
「謝るない! 諦めるのはまだ……ダア!
 わしが押し負けるだとい!」
 もはやベアケット分隊には死守するだけの力は残されていなかった--メエメンにはサンショウ六を守る時から気付いていた。
「ど、どウーうか六名だけでも生きて下さいーイ! わしらの命を代価に払ってでも……ガブ!
 ブッフウ……どうか--」
「オオもう喋るんじゃアアない、メエメン! オオそう言ったからアアにはこの大群を抑えられるのか?」
 おさえ、まーアすとも--それがメエメンの遺言となった。
 メエメンを見送るように五名は二つの内、中央の船に進んでゆく!
「何しる、サンショウ六! メエメンの覚悟を意味なきものにすのか!」
「いえ、見届けたいんです? メエメンさんの覚悟を?」
「オオそう言ったアアからには見届けるんだ、サンショウ六!」
「いいのかス、ベアケット隊長!」
「ただアアし、本当に危ない時イイはサイ頭が無理矢理にでも連れて行け!
 オオこの中では船までエエ飛ばせるのはサイ頭以外には--」
 いえ、そ任務は自分にお任せを--志願するカモノ!
「重たいぞ、意外似山椒魚族端」
「気合いで何かすばいいださ!」
 ありがとう、カモノさん--感謝するサンショウ六。
 サンショウ六は十の分を切る間、メエメンの勇姿を刻む--全身の毛は毟り取られ、首筋に次々と噛まれながらも戦う意志を捨てずに果ててゆく様を!
 こまでだ、連れ行くぞ--頭を両足で掴み、重々しい状態で船まで運んでゆくカモノ。
(さよなら、メエメンさん? 僕はあなたの戦う姿を忘れません?)

 午後零時五十七分十九秒。
 場所は中央の船。名称は『ハヤブス』。成人体型縦二十、横九、高さ十五はある旅客船。その甲板で町を眺めるサンショウ六とサイ頭。
「副長、メエメンさん? 僕達は生き抜いて見せます、絶対に?」
「疑問文の訛りはどうしても意志が伝わりにくい。これも種族の壁かない?」
「そんな壁がある中で僕達は共存出来るなんて素晴らしいじゃないか?
 なのに銀河連合とは共存出来ないなんて?」
「出来たら六百の年以上も苦しまない。あれからもう六百の年はゆくのかい?」
「そんなに時は過ぎるのですか?」とサンショウ六が尋ねると「まるで光の速さだい」と納得ゆくのかわからない答えを返すサイ頭。
「光? それと時が過ぎるのとはどう関係しますか?」
「学者じゃないわしが明確な答えを返せると思ったら見当外れだい。
 けれども時の流れは長いようで短いぞい、例えばサンショウ六が二十歳になろうとしている様なんかい」
 そう言えばもうすぐ二十歳か--後七日で二十歳になるのを不思議に感じるサンショウ六。
「実感は湧かないようだない。わしだってサンショウ六の年頃ではそう感じたんだい。お互い様だい」
 お前は寧ろ二十四になっも実感を感じない口だろ--割り込むようにカモノが甲板に出る。
「どうだい、カモノ? 愛しの彼女と会えたかい?」
「済まなが、その話は止めう。特にいつ落下するもわからんこの船に乗ってる間は」
 そうかい--何かを悟ったサイ頭。
「それはとかくクマ孫小隊長が呼でいぞ、早く行こぜ!」
 いそがないと--三名は駆け足で甲板を降りてゆく!
(まただ……また僕は気付かなかった? サイ頭さんとカモノさんの内、どちらかが死のうとしていることに?)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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