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一兆年の夜 第五十一話 光不変の先へと 前篇(三)

 ベアケット分隊を囲むは数万もの銀河連合。よって彼等の戦略は自然と包囲網からの脱出以外にない。一方で戦術面では戦わずして突破する方法は採れない。その為、彼等は数の少ない箇所を見極める必要を迫られる。
(恐い? 僕は恐い? 死ぬのが恐いとかじゃなくこの状況が恐い? どうすれば突破出来る?)
「簡単に死ぬことなんて宣言出来るかい! 副長オオサガが命を捨てたのはわしらに生きて貰いたい為だい! また一名の命を捨てさせるのかい!」
「簡単に結論を出な、サイ頭! まだ死ぬと決まった訳ない」
「けれどもこの状況出端また誰か尾死なせなきゃ突破出来ない。しかもこの数出端軽く二、三名乃命尾投げ出す以外似--」
 アア誰も死なせはアアしないぞ--ジャンゲルはその案を退ける!
「だとしても奇跡なんて起こりますかス? とてもそんな状況に転がらないような--」
 来たぞイー、銀河連合が--四方八方から攻撃を開始した銀河連合!
「いいイイか、オオお前ら! オオ匍匐前進するウウぞ!」
 ジャンゲルの戦術は地べたを這いずる事で包囲網からの突破を図るというもの。この術は四百以上もの年より前に鬼ヶ島からの脱出を図ろうとした三名が行う。一見すると速度は遅く、実用性に乏しいように思われる。だが、大多数を相手にする場合は足払いも兼ねて意外と抑え付けにくい。特に数万もの銀河連合の包囲網では一回の足払いは数十体の足払いと成って銀河連合の体勢を崩しやすくする。
(カモノさんだけは匍匐前進せず、一足早く突破してるだろうか?
 それにしても体勢を崩す間に進むにしろ、僕とベアケット隊長は速く移動出来ても後の四名はそうはいかない? そうゆう風に身体は出来ていないから……わああ?
 危なかったあ? 油売りの真似をすると一気に食われてしまう?)
 彼等は匍匐前進しながら銀河連合に食われそうな仲間がいると率先して助け合い、一歩一歩進む。
「わしの四本足は匍匐に向いていない! だからこそ分隊一名一名で--」
 補うんだろス、サイ頭ス--マルノオビは上からのし掛かってくる銀河連合を払いながら言葉を繋げる。
「疲れる乃端百模承知……だが、兵士たる者牙疲れ尾恐れてどうする!」
「その通りイー……ドオイ!
 羊族を只の鈍重と思わなイーい事ぞ!」
「もうすウウぐだ! アア後一踏ん張りだ、お前ら!」
 一の時をかけて北西に突破してゆくベアケット分隊--カモノも含めて全身傷だらけになりながら!

 午前十一時三十分五十三秒。
 場所は北仁徳市第四地区六番地。ここは藤原大陸とを行き来する港。
 船は三隻停泊するが、内二隻はいつでも発進出来る。
「ベアケット隊長、乗るんですか?」
「乗るのオオではない。オオここをイイ死守するぞ!」
「船に銀河連合が落下すルーう事は--」
 イイ今はアア考えるな--ジャンゲルは飽くまで死守する事に拘る。
「乗ったらクマ孫小隊長に怒鳴られるもんなス。そりゃあ本来の任務とは大きくかけ離れるしス」
「我等は飽まで仁徳島の防衛及び一般生命の避難が最優先。にしもこの数を迎え撃ちにはさがに我等の怪我が--」
「弱気はやめらい! 気を弱めれば負けだい! わしらはオオサガのみならず死んでいった仲間の為にもこんな掠り傷に屈する訳にはいかい!」
「掠り傷端さすが似無謀奈言い方。似したって強気端勝利する上出端絶対条件乃一つ。必ず仁徳島尾食わせない!」
「オオそうゆうことだ! 後少しでエエもいい! 必ずウウ生きてここをイイ死守する!
 いいか、オオお前ら! イイ生きてエエここを死守するんだ!」
 サンショウ六以外の五名の覚悟は身体全体を通して目の前の銀河連合を後じさりさせるに十分だった。
(生きて死守なんて矛と盾のような言いぐさだよ? 僕にはそんな無理なことは出来ないよ?)
 一名だけ、サンショウ六だけは覚悟不十分--そこを突くように先頭の銀河連合十数体は襲いかかる!
「ぼ、僕に向かってくる?」
 アア奴等はイイ気付いていたのか--ジャンゲルは五名に無言の指示を送る!
「覚悟無き者を狙うのが最小の方法なて!」「一番乃若輩端死なせんぞお!」「世話の焼ける山椒魚だい!」「蟷螂族が盾になるんだス!」「羊の毛は案外堅牢だぞーイ!」五名は指示通りサンショウ六の盾となる!
(僕はこの時気付くべきだった……その内の一名が既に死のうとしていることを?)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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