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一兆年の夜 第五十一話 光不変の先へと 前篇(二)

 事の件には必ず複線はある。仁徳島が今食われようとする切っ掛けは八の年より前に起きた満月規模の歪み--あれはカモノの先祖カモツが発表した『カーモネー予測』で詳しく記されている。
「うわっ……カモツ爺さんはとんでもない生命でよ!
 規模の大きさだで今日に至まで……ヒエ!
 あがとう、サイ頭!」
 お喋りはするない、カモノ--サイ頭は体当たりという安易な戦法で降りたばかりの銀河連合を次々と轢いてゆく!
「カモノ、解説するのは後にしろ!
 今はここを突破する以外に道は無い!」
 了解しぜ、副長--カモノはオオサガの背後にある壊れた展示物の上に降りて翼持刀を構え直す。
「俺を狙えス、銀河連合ス!」
「わしは狙うなよ。機動力低いーイから!」
 真面目にやアアれ、メエメン--ジェンゲルは大小の鶏型を二体相手にしながら渇を入れる!
(ウワッ……山一一族は代々徒足空脚の使い手だよ?
 ドリャア……と蟻型くらいは何とかなるけど、ハイエナ型になるときつい?)
「さすがだない、サンショウ六!
 機動力や攻撃性ではハイエナは相手しづらいのに反撃で捕えてそのまま噛み千切るなんたい!」
 こ、これでもきつい--サンショウ六はハイエナ型を倒してもその背後から飛びついた必要な筋肉だけを備えた黒い犬型に前左足を噛みつかれる!
「倒してもオオ倒してもキリがアアない!」
「突破するのがこんなに難しいなんて……ウワ!」
 オオサガ、何をしてるんだい--オオサガが突然望遠刀を放り出し、雄略包丁で銀河連合の大群に突撃するのを見て叫び声を上げるサイ頭!
「まさかイイ死ぬ気イイか、オオサガアア!」
 死ぬ気だよオオオ--三回斬って錆び付いてもまだ包丁を振り回し、駆け足を止めないオオサガ!
「止めるんだあああ、ふくちょおおおおう?」
 銀河連合のど真ん中で包丁は下くの字に折れると命運びを受け入れるように「申し訳ありません、父上、母上。私の代でスメラビノ家をた--」と黒く覆われた空に顔を向けた。
 オオサガアアア--きね由の叫びはもうオオサガに届かなくなった……。
「今すぐ副長を助けないたい!」
「やめろ、サイ頭! どみち助からない……だったらどうすか!
 銀河連合がオオサガに目を向けいる間に俺達は進むみ!」
「お前は一分隊員だい! わしに命令するのかい!」
 ならばオオ俺が命令しよう、今のオオ内に突破するぞ--分隊長ジャンゲルの命令には誰でも従う六名。
「さよなら、オオサガ副長?」
 オオサガの死体を食べ尽くした銀河連合は狙いをベアケット分隊の方に切り替える--先行するのは隼型を初めとした翼を持つモノ達。
「ベアケット隊長?」
「前だけオオを見ろ! オオこのまま廃倉庫まで突っ込め!」
 捕まりそうになりながらも分隊は北の方角にある取り壊される予定の倉庫内へと避難!

 午前十時一分七秒。
 場所は旧食料庫。かつては北仁徳市にある食糧を保管する施設だった。だが、新たに食料庫を建てる為に一度取り壊される。取り壊した後、ここを仁徳水の生産工場に建て替える予定。
「だが、その願い空しーイく今日に至ルーうか」
「ところで仁徳水とは何だい?」
「仁徳島出身者じゃないからわからないーイのか? あれは応神海で採れルー海洋深層水の事だ。
 味は水を愛飲する者にしーイかわからないだろうけど」
「お喋りはアアそのくらいにしイイよう。オオサガが生きていたアアなら音にウウ注意が回ったんだが」
「音ス? 言われてみるとここは倉庫内だったなス。となると音が聞こえづらいからすぐに--」
 突然、倉庫内に三回内臓が破裂するような音が響く!
「銀河連合が落下したんだい! しかもここの建物は鉄で出来ているから衝突と同時に--」
「恐いこと言わないで下さい? 肌に快くない感覚が流れるから?」
 二度目の音が響く--今度は内臓破裂音だけでなく何かが軋む音まで響く。
「こりゃあ大変だ。今度響けば間違いなく天井端--」
 三度目の音はきね由の言った通りとなった--天井の壁は内側に曲がり始めた。
「お前らアア、いつでもイイ避難する準備をしろ!
 次こそアアは--」
 四度目の音と同時に穴が開く。穴は瞬きもしない内に広がり、次々と銀河連合が入り込む!
「絶対にイイ当たるんじゃない! 俺達イイはオオサガの為にもこの状況からイイ生き抜くぞ!」
 崩壊してゆく倉庫内から全員脱出したベアケット分隊は取り囲まれてしまう!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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