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一兆年の夜 第四十九話 燃える氷の怒り火(六)

 アラツネから聞かされた話はあまりに都合が良すぎた。雄略大陸の周囲を話すより先にシャーク傭兵団の前身についてエラ会話から出る。それによると元々は藤原マス太の後継者を捜す為に結成された調査集団。彼等は血が途切れた藤原マス太の系統は続いているのではないかという目的の下に時の新国家神武最高官兼象徴天同星央から許可を貰い、二百四十の年もの間捜索に励んだ。
 だが、その過程で銀河連合との幾たびに渡る戦いの末に調査団は傭兵を雇う必要性に迫られる。最初こそ調査団の理念を崩さぬ為に反対の声が多く、既存の調査隊に留まった。しかし、年を重ねる毎に銀河連合のやり口が巧妙になるにつれて反対派の声は賛成派と拮抗するようになる。これはおよそ五百の年より前に戦いを巡って豚の親子が争われた光景と瓜二つだ。シャーク傭兵団へと至るまでの話に戻る。調査集団がどうして今のようにシャーク傭兵団と成ったか? そこには雄略大陸周辺の海が関係する。
 ここ江田舟山海も含めて雄略大陸周辺の海は銀河連合が都合の良いように改変された世界だった! それはまるでかつてのアリスティッポス大陸が銀河連合の都合が良いように改変されたのと同じように!
 その周辺の海に入った調査団はいつも通り銀河連合を倒せると踏んだ。だが、先程説明された改変は今まで通用した戦法も意気込みさえも呑み込んだ。派遣された調査員はおよそ一万名。内の二名しか帰還せずに調査は中断された。この報告を聞いた上層部は三の週も経たずに傭兵制度を採用。その時に調査団の名称も変更され、『海洋藤原捜索部』から『強行捜索部』に成る。傭兵制度を採用してからは組織は年を追う毎に拡大し、僅か七の年で現在の『シャーク傭兵団』へと変更された。
 シャーク傭兵団は名称が変更された今でも藤原マス太の子孫を追い続ける組織。彼等は雄略大陸周辺を開拓してゆく内にある事実に気付いてゆく。それこそが雄略大陸周辺に関する話だ。
 雄略大陸周辺の海は銀河連合の都合が支配された世界。それは恐らくかつてのアリスティッポス大陸とは比較に成らない程ではないかとさえ噂される程。特に人族が陸の種族である以上は仙者による力が深海まで及ばない未知なる空間。全てを開拓する日は一体いつに為るのか? 話を雄略大陸周辺の海に戻す。ここも含めて周辺の深海には生命が『燃える氷』と称する上質な炭化水素の固体が眠る。
 本来『燃える氷』と呼ばれるのにも訳がある。それは海の中で起こる地震の際に勢いよく揺れた海はやがて津波と成る。それは誰もがわかる簡単な知識だ。ところが偶然にも大きな揺れで地表深くに眠っていた炭化水素の固体が津波と共に運ばれる。これに適切すぎる温度が加わり、『燃える津波』を発生させる! かつては自然現象の一種と伝えられてきた。だがシャーク傭兵団の度重なる調査の結果、燃える津波を発生させたのは深海深くにある地表に眠る上質な炭化水素出る事が判明。ここに『燃える氷』と呼ばれるように成る。
 話は雄略大陸周辺の海に戻る。実はある傭兵小隊がこの海の秘密に触れてしまう。それは--
「『秘境』? 何で秘境の話が出てくるんだよ!」
「誰かは知らんが、目上に対する態度は改めるべきじゃぞ」
「じゃあ教えて下さい。もう二百三十の年くらい昔に姿を消した『秘境』がどうしてここらの海と関係するのです! お聞かせ下さい、父上!」
「それはのう、実はこの江田舟山海こそ……どうやら話はここまでじゃな」
 皆の者、戦闘態勢に入れ--アラカツは素早く指示を出す!
「わしは絶対に死んでなるものか! 生きてこの海の秘密を明かさねば死んでも死に切れんぞ!」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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