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一兆年の夜 第四十九話 燃える氷の怒り火(四)

 午後二時一分五十九秒。
 アラカツら六名は深部四に到達。お日様の光が届く限界深部。水温がやや寒い場所は傭兵の健康に変化を起こしかねない。
(なんて格好つけて考えても状況が良くなるとは限らない。自分達やるべきは無事にシャーク傭兵団江田舟山海支部到着出来るか? それも残った六名……いや父上入れて十一名無事に!)
「七光り。鰭を堅くしないの! こうゆう場合に限っては身体の力を緩めるのが大事よ」
「雲丹よ、それは中々出来るものじゃないけど」
「若の言うとおりだ、雲丹。我は分隊長を務める者だからわかるよ。力を抜くにしても要はどの時機なのかにかかる!」
「へえ、それで分隊長はわかるの?」
 わからん--イカレガは正直に即答。
「そんなのはあまりに責任感を放り出してます! ここは『わかる』と伝えた方が--」
 誰かが続きの言葉を伝えようとしたが、イルカナは光ある方向から何かが来るのを五名に電信!
(深部三から……クウ! どうして神々は都合の良い出来事を避けるのか!)
 近付くのは剥きだした十三の影……銀河連合の混合型--アラカツらは大部隊からこのような銀河連合が居ない事を知っていた!
「オイオイ! 俺の種族や隊長の種族を掛け合わせた銀河連合とか居なかったぞ! さては鮫型や鯨型の肺で生成されたモノを十三体も吐いたんじゃないだろうな!」
「正解だろうが、的外れであろうがこれだけはわかる! この場所は銀河連合に都合よく出来ているというのだけは!」
 そうに決まってる--アラカツは銀河連合の領域を少しだけ実感する!
(でなければ吐いた銀河連合僅か二の時足らずであんなに成長……なんて考える暇はない!)
 アラカツの思考を読むようにイルカナは四名に撤退準備の信号を送る!
「若! どこへ逃げるのだ!」
「包囲が完了する前に自分達は隊列で生じる穴を見極める! 合図はさっきとは逆で行く!」
「逆ってなんだよ、アラカツ! 俺にわかるような--」
 六名が比較的大きい穴を通ろうとすると十三居る混合型の内、四分の一が特攻を仕掛ける!
「分断させるつもり? 甘いわ!」
 雲丹と名前は知らない雄は一体の特攻を回避するが、後者が列を離れてしまう! 機会だと感じるのか、残り二体は同時に誰か知らない海洋種族に身体をぶつけて来る!
「若! それに隊長! たい亜は俺が助ける!」
「腰砕けたことをするな、クラ彦!」
 もう遅いですよ、隊長--クラ彦は誰かを守る為に混合型一体に集中攻撃を仕掛ける!
「止めるんだ、クラ彦! 二体いる中で一体に集中することは--」
 クラ彦は一帯を重傷にする。だが数の論理により二体目の攻撃に耐えきれず、全身を食い尽くされた!
 クラ彦自身も激痛のあまり叫んだもののそれ以上に無口な者を除いた四名の絶叫が彼の泡を飲み込んでゆく……!
「俺のせいだ! 銀河連合によって--」
 誰かの弁明はイルカナによる無言の説得で諭された!
「そうゆうことだ、たい亜! クラ彦の分まで我々は生き延びねばなるまい!」
 うう、了解--雲丹に右ヒレを掴まされながら列に戻ってゆく何か。
(これで小隊十名に。自分誓いを破ってしまった! 副長の格を降ろされるようなものだ!
 父上! 現在どう為されてますか?)

 午後二時十五分四秒。
 場所は深部四。アラカツ達の居る場所よりやや北西に位置する海底洞窟。
 アララギノ小隊アラツネ班は全員無事に逃げ延びる。
「どこが逃げ延びておる! わしの体だっていくら角を掠ってもこれじゃあ--」
「小隊長殿、生きているだけいいじゃないですか! 僕なんかあの瞬間に角を噛んで岩壁に刺した後、急所を噛み砕くなんて出来っこない!」
「あの時はまぐれじゃ。本当なら死んでいたのにわしは運よく--」
「また根拠のないまぐれですの、小隊長。いつだってあたし達を拍子抜けさせるんですから!」
「先輩の伝えるとおりですよ、小隊長殿。まさか二体の梶木鮪型を倒すなんて--」
「あれもまぐれじゃ。あ奴が前に気を取られてなければ確実にわしらは倒されていた!」
「若達の事かしら?」
「まあ息子の活躍を持って行ったことは後で誤らないと……どうやらわしらに休息はないのう」
 こんな時に来るなよ、銀河連合め--現れたのは二体もの若布型。
 苛立ちを見せながらもヤッドンは二体だけなら難なく倒せると踏む。がその考えが後に三つ目の悲劇を招こうとはこの時誰も予測出来なかった……!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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