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一兆年の夜 第四十九話 燃える氷の怒り火(三)

「いいか、皆の者! 真っ向から対峙するんじゃない! 二分隊をものともしない銀河連合であることはわかるよな?」
 わかるよ、そんなことは--誰かは知らないが、上に対する態度は宜しくない模様。
「かといって消極的な姿勢は死期を早める……皆の者よ、前進するぞ!」
「「「「「「え!」」」」」」
 無口な者を除いて九名全員の反応はやや引き気味だ。
「別に『防御を捨てろ』とも伝えん。わしがやるのは……どうやらあちらは待つのが好きでない様子じゃ! わしが東側を先導するから北側は誰がやるのじゃ?」
 自分がやりましょうか--アラカツは自ら役を引き受ける!
「いいのか、七光り!」
「わかってるよ、雲丹。自分が頼りないのは一番わかる! けれども時間を急がせる以上は自分がやってやる! 無謀でも何でもかかって来るんだよ!」
 そう身なの前で伝えたアラカツは「じゃあ全員生きて帰りましょう、父上」とアラツネに目で送る!
「そうじゃのう、達者でな!」
 アラツネはいつも通り自らの運命を決めるような事を伝えて東の方向へ泳ぐ--付き者にはカブ弥、ヒト菜、ナマンダ、ヤッドンを連れて!
(相変らずお父上いつ死んでもいいことを伝えて……そんなことはいつだって有り得ない癖して!)
 北へ前進するのはアラカツ、イルカナ、イカレガ、クラ彦、雲丹と後は……だ。
「俺を忘れるとは何たる屈する恥! 俺の名前は--」
(来る! 梶木鮪族持つあの角には絶対に刺さったらいかん! 何としても通過しなくては!)
 イルカナはアラカツの反応を予想し、的確な信号を他四名に送る! 四名は--角を避けろ--という言葉を基にギリギリを定めに入る!
「さすがはイルカナ……でもここからは自分が送るから泡と同時に動け!
 いいな!」
「「「「「「おお!」」」」」
 泡による雄叫びと共に六名は梶木鮪型との距離を成人体型五十まで迫る!

 東側ではアラツネは自ら先頭に立つ--四名の士気を高める為に!
「あの距離ですと成人体型は三十しか--」
「わかっておるわい、カブ弥! じゃからこそわしはあの銀河連合を倒すのじゃ!」
 はあ、倒すって--ヤッドンは先程と異なる戦法内容を目にして一瞬足の動きを緩めてしまう。
「わしはとりたいのじゃ! 部下の仇を! なのでわしはここで命を落としても--」
「小隊長、前を!」とヒト菜は五本腕による信号をアラツネに送る……がどうやら避けるには距離が短すぎた!
「わしは死なん!」
 角はアラツネを串刺しに--

 北側では七名と梶木鮪型との距離は成人体型二十五に迫る!
「よし、送るぞ!」とアラカツは泡--避ける合図--を出す! 泡と共にアラカツら六名は角を正確に見極めてこれを回避!
(追撃が恐い! けれども無視してやるウウウ!)
 イルカナは--前だけ見ろ--という信号を四名に伝える! 六名の迷い無き前進に追撃する機会を逃した梶木鮪型はアラカツらと距離を離してゆく!
(やったぞ、自分! 後は別の穴にいる父上部隊救援……いや合流しないと!)
 そう思いながら彼は東側に通じる場所へ顔を向けようとしたが--
「何だこりゃ! 待ち伏せまで用意しやがるなんて!」
「数は……ハア、四分隊を食らった大部隊よりも二--」
「気が重くなるじゃない、クラ彦。折角命がけで通過したのにまだこんなにも!」
「前門の大部隊に後門の梶木鮪型……若よ。どこへ向かえば無事に済むだろうか?」
「合流を諦める以外に他は……それに後ろは見るな!
 人生なんて前に進む以外の道しかない! 特に自分達海洋種族は退路すら用意されてないんだよ!」
 二百以上もの銀河連合が上方向にも左右の方向にも部隊を展開。更にはいつ奇襲するかはっきりしない梶木鮪型が背ビレに突きつける!
 六名が自然ととる行き先は--
「下はまだ可能性がある! 皆の者、深部四に潜るぞ!」
 誘導されるのを承知でアラカツは短くも長い逃避行を始める……そこに待ち受ける先にあるのは灼熱の氷であるとも知らずに!
(雄略大陸まだ知られていない資源眠っていると石版伝わるが。自分そんな物を確認する暇はない! 今は自分自信を付ける為に現状生き残った部下全て守り通さねば! 自分自分自信を持ちたい、今度こそ!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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