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一兆年の夜 第四十八話 大陸移動の予兆

 ICイマジナリーセンチュリー百五十八年十二月九十五日午前八時零分零秒。

 場所は新天神武北アリスティッポス海。
 海は陸と空の種族にはまだまだ未知数かつ未開拓の世界……。
 未だに銀河連合の勢力は弱まる事を知らず、海の生命は陸以上に死者を出し続ける。
それでも海の種族達は懸命に泳ぎ、戦い、自らの地及び家族を守り続ける。そんな彼等
の中で一際戦闘に特化し、並み居る銀河連合を倒し続ける傭兵集団が存在した。
 彼等は『シャーク傭兵団』。彼等の前身は『海洋藤原一族捜索部』と呼ばれ、発起者は
武内鮫族のシャーキング。後にセネカ秋刀魚族の明石サン太郎ら調査団が加わり、規模
が拡大。本来は調査を中心とした海洋集団だったのが、調査の妨げになる銀河連合を
倒してゆく内に何時の間にか武闘派集団に様変わり。代々の部長は戦闘に特化した鮫
族。特殊な世襲制度故に捜索部は何でも屋に変貌し、いつしか『シャーク傭兵団』に様変
わりした。
 話は現在の北アリスティッポス海に遷る。この場所でなおかつ深部二では北アリスティッ
ポス海担当の班と未だに猛威を振るうアリスティッポスの銀河連合が死闘を繰り広げる。
現在で二の時が経つ。そんな激しい戦いを遠目で眺める傍観者が一名。齢十九にして
五の月と二十八日目になるセネカ秋刀魚族の少年明石サン幕。彼はある理論に興味津
々。故に戦おうとせず、眺めるばかりだ。
(倒しても倒してもきりが無いっちゅうねん。もう二の時経つっちゃう? 戦おうかなっち?
いやいやいやいやっちゃ。俺が行くと皆の妨げになっちうて! つーかっちゃ、学者肌の
俺が行っても追い出されるのが責の山っちゃ! 出来れば特攻……死ぬのは恐いっちゅ
うの! ここは--)
「オイ、サン幕! 泡ばっかり吹きやがって! とっとと退くぞ!」
 彼に声をかけるのは班長秋山サバ蔵。齢三十二にして十四日目になるルケラオス鯖
族で海中包丁捌きが優れた中年。彼に付き添うのは現在三名。中央に配置するのが
齢二十三にして十一の月と一日目になる蘇我鰯族の青年蘇我イワ男。副班長を務め、
班の頭脳を担う。左方には齢十八にして二の月と二十二日目になる物部鮭族の物部サ
ケ眼。中性的な顔付きをしており、あらゆる意味で皆から羨ましがられる少年。右方には
齢四十五にして八の月と三日目になるエピクロ黒鮪族の老年マッグネス・ブラーネス。
班では最年長で最も大きい体格の持ち主。
 班は戦闘前まで七名が居た。だが、現在二名食われて残り五名。撤退を余儀なくされ
た。
「撤退は僕と班長、それにマッグネス殿の意見が一致して決めた事。納得のゆかないの
はサケ眼。彼によると--」
「二名も死んだんだぞ! 彼等の念無き声を無視して逃げるなんてどうかしてるだろ!
 けれども、多数決には……従う!」
「だそうじゃ。案外利口じゃの、若いの
「我等四名も『若いの』だよ。とにかく利が訪れるまで撤退するぞ、皆!」
 だが、十体以上もの銀河連合はサバ蔵達を逃さない--アザラシ型及び鯱型は秋山
班(北アリスティッポス海担当班)に勝るとも劣らない速度で追跡!
「班長! あわわわ、早過ぎるよ! このままじゃあ俺達は逃げるよりも先に食われてし
まいます! 出来れば身体を洗ってから--」
「いくらエラ会話でも少しはこちらに伝えさせろ、サン幕!」
「班長にサン幕先輩! もう尻尾に触れようと--」
「間に合わない! 神頼みで--」
「頭脳なんじゃからそこは--」
 突然海を揺るがす轟音が響き渡る! 音に反応するように深部十以上から陽炎が銀
河連合に向かって触手を伸す!
(わわわわわっちゃあ! あれは炎っちゅうもん! 触ると火傷を……って何で炎が海の
中から出てるっちゅうの!)
 炎はその場にいる銀河連合の部隊を呑み込み、深部零を超えて津波と共煌めきを見
せる!
 その光景を目撃した秋山班の誰もが自然の不可思議現象に唖然とするばかり--只
一名のお喋りな者を除いて!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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