FC2ブログ

一兆年の夜 第四十七話 質量は保存される(六)

『俺は現在荷物を纏めて五番地の港に寝泊まりした。といっても倉庫の中だけど。
 どうしてそんな状況なのか? 実は昨日の就寝時間帯にラテス島東地区に勤務
する軍者有野アリ太さんから避難勧告が出された事に端を発する。そもそもどうし
て避難勧告か? それがわかるのは東地区で俺と大原ダン児のおっさんだけ。
 その経緯としては接近する銀河。二の日より前におっさんから歪みを観測するよ
う勧められてからだ。ちょうど火の星に銀河が現われるという有り得ない現象を観
測。そして、銀河は僅かではあるが動いているという事も確認。ところが昨日の場
合は恐怖心すら抱いた。火の星周辺にあった銀河が月と火の星の中間にあった。
銀河の動きに関しては近付いたからわかったが動く事が明白になった直後。有野
さんがおっさんの部屋に入ってきて現在に至る。
 どうして倉庫で寝泊まりしているか? それは避難勧告だよ。有野さんから避難
している時に聞いた話では観測班が一の月より前から俺達二名が観測した銀河を
調査していたんだ。それから一の週より後、銀河は真っ直ぐ水の惑星にあるラテス
島を目指している事が解った! そして一の週より後に首都タイガーフェスティに今
までの調査が纏められた報告書が届き、僅か二の日より後に緊急招集でラテス島
住民全員の救出を決定したが、船や積み荷の準備やその他多くの案件が重なり、
東地区に避難勧告が届いたのが昨日の就寝時間付近だった。
 ひょっとして銀色の光が関係しているのか? あの光は直接あの銀河を呼び寄せ
る合図だったのか?
                            俺はどうすれば良いのかわからない』

 まま船に乗るべき? とも寿命迫る蝉族らしく命を散らしてでも救助にあたる? も故郷を……大樹型倒して以来、ずっとラテス島棲みついたラテス蝉族の故郷をこんなにもあっさり捨てていいのだろう? こは先祖だけでない。俺だって思い出深い。セミ麻呂先輩、シ点殿、大原のおっさん、して会社の同僚及び上司……他にも思い出せば言葉表せなくなる。両親居ない俺には親の愛情わからない。けど、友及び劣友達愛情は両親の愛情を持たない蝉族の心を満たすのに十分! 俺未だに情への恩返しを……して居ない!
 動かないと……ラテス島まだ残る生命を助ける為も動かないと! 俺は倉庫から出る--軍者達の注意を背に受けて!

 俺まず、おっさん部屋で観測しよう思った。がどうやら朝は日差し眩しく、観測向かない事を改め思い知らされた! して天体観測なんかしようと思ったん、俺! 時間数十の分くらい余計に使った!
 気取り直して俺はまだ残っている者を探しに家々回った! が、途中齢三十四にして一日目になるラテス栗鼠族の中年に説教食らった!
「いくら短命であってもやって良いこととそうでないことを分別しろ! てめえ一名で俺達軍者の数名に迷惑を及ぼせば助かるん命も助けられないぞ!」
「わかってます! すが、うか俺にも--」
「聞く耳持てるんほど俺は寛容な性格じゃねえんだ! と言ってもどうせてめえは俺の忠告を無視するんだろ?」
「いや、だ何も--」
「俺はマルメロン・ベンジャロボロスだ! 俺と共に避難の遅れた生命を探すんぞ!」
「ま、だあんたと一緒に行動するとは一言も--」
「四の五の言うんな! 俺に出くわした自分の境遇でも悔いるんだな、蝉族の若造!」
 案外聞く耳持つ軍者出くわしまった。確かマルメロン・ベンジャロボロスいい? と、にかく俺はそのベンジャロボロスさんと共に逃げ遅れた生命を探し回る事にした!
 東地区から北地区……そ、う言えば何だか空が暗いよう? だお日様が頂上に来る時間のはず?
「とうとうラテス島は終わりそうだな、えっと名前は何て言うんだ?」
「ラテス蝉族セミ吉・後藤申します。う見えて齢は--」
「年は言わなくんていい。短い付き合いなんだから……なんて言ってるん場合じゃないぞ、セミ吉の若造!」
 空見上げられない! 恐くて無理! 暗いど見上げたくない! そ、れでも見ないといけないような……あれ!
 俺言葉選ぶ。表現少ない俺がどうして言葉を選ぼうとする? 現実から逃げる為? 現実逃避んて蝉族やっちゃいけない。じゃ何の為? 恐怖心和らげる為? 他何ある! 俺知りたい!
 本題入る! 俺見た空は……赤く燃えていた! 只赤なら表現としては意味ない。俺の見た赤は血と炎が混じり合った自然界では有り得ないモノ
「何ボケッとしているんか! 考えているん暇があるんならさっさと島から脱出するんぞ!」
 そう、脱出……出来る? 蝉族小さい身体でもわかるがこの大きさはとてもじゃないが……船を出しても間に合う程なの?

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR