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一兆年の夜 第四十六話 ニュートンが支配する世界で(三)

 と言う訳で別の部でカイ彦先生の落ち語り『エーテルホーラウ返し』の続きが聞けます聞けます。さあ、どんな語りになるかお楽しみ楽しみ。
「突然隕石が落ちてきたもんじゃから親子喧嘩の目撃者で一名だけエーテル論を専攻する古式神武出身の雌ミス・マハルーンが隕石がどんなものかと用心無しに近付くのじゃ。まあ近付くとはいえ隕石の周りは足場がいいものではない。特に周囲半径成人体型二まではまるで蒸し風呂みたいに熱いんじゃ。
『熱は平気じゃないーイわ。羊族たる者が無理しイーて熱々の隕石に近付くなんて無茶でね。特にあたしは雌の子。齢三十越えても雌の子。いくらマハルーンの亜種でも雌の子。果報を寝ながら待つようにーイ隕石が近付けルーう温度までよ。そこまで下がるーウのを待つしいーかないわね』
 雌はこうゆう時には雄よりも頼もしい。何て事は置いといてマハルーンはその間まで隕石が銀河連合とどう繋がるかを考察するのじゃ。ところがマハルーンにとって困る事は隕石に近付く生命が他にも一名居たのじゃ。その者は武内山羊族のエリフュウリ。ツル助と鶴次郎の親子喧嘩を見にきた野次者じゃ。
『おいおいうえ、どうして隕石に近付かねえい? 俺の勘では銀河連合はいないはずでえい』
『蒸し風呂みたいーイに熱いわよ、坊や。毛が燃えたらどうすルルー訳?』
『坊やとは礼を知らんお嬢さんだうえ! 俺の名前はエリフュウリでえい! 齢は今日で三十一でえい!』
『三十一? てっきり十八に見えた!』
『やいやい、年を聞かれてその反応はないだろお嬢さんでえい!』
『礼を知らないのはアーアあなたの方よーオ! 第一あたしと大しーイて変わらない三十過ぎの癖しねえ。<お嬢さん>呼ばわりーイなんて!』
『何? お嬢さんの年齢じゃないうえ! じゃ、じゃあ本当の年は--』
『雌に年を聞くのはエーテルの波を乱すのと同じイー行為よ!』
『エーテルうえ? 何それえい? 雌の名前うえ?』
『あら、知らなイーの? エーテルとは光を伝えルー物質よ。あたしは日々エーテルの研究をしイーているーウのよ』
『むむうえ? もしやうえ!』
『どうやら思い出したみたイーね!』
『<ホーラウ歪み公式>の事かうえ! かのホーラウスが流れ星と銀河連合発生件数から--』
『言い違いはしーイてないわよ! <エーテル>よ、<エーテル>! どこから……なんて言ってルーう間に湯気が少なあーアくなってきたわ!
 ひょっとしーイたらこの隕石にエーテルの波がわかルーかも!』
 マハルーンは近付く。湯気がさっきよりも五分の一までしか出ないから大分冷めたようだの。だからマハルーンは隕石のすぐ側まで近寄ると蹄程の面積はある隕石を両前足で持ち上げてのう……左後ろ足を滑らして地面に顎をぶつけてしもうた!
『イダダ、絶対折れてルーわ!』
『言った通りだろうえ?』
『何、にイーが言った通り?』
『<ホーラウ歪み公式>は必ずしも正しい訳では--』
『話が異なルーわ。そもそも何が言った通りなのか解らなくなったけど』
 エリフュウリを無視して先程の隕石を持ち上げようとしたら……今度は後ろにひっくり返ってしもうた! 四本足が空の方角に向いている以上は自力で体勢を戻したくても戻せないから困ったものじゃ。マハルーンはこんな時に助けを呼べば良かったものを何とあやつは論理学者の思考が勝ってしもうた!
『わかったアーわ! 今までの論理をひっくりイー返す方法。これぞ正しく--』
 かくして『エーテルホーラウ返し』が完成したのじゃ。
 愛でたし、愛でたし……と」
 うーん、これも何だかしっくり来ないような? というかどうしてそんな落ちに収めたのか聞きたい聞きたい。
「そうじゃの。それ以上思いつかなかったので尻切れの蜻蛉族にしてみたのじゃ」
「タコタルゾ……読まれてるぞ、心を!」
 そんなに単純なのなのか、僕は?
「そんな事よりもこんなのもはっきりって消化しきれない落ち語りです! 聞いてる者が納得しますか!」
「そうじゃのう、納得しないのう。だけど某はもうこれ以上思い付かんでのう。何ならイカランが続きをやってみるかの?」
 え? 収集付かなくなると今度は僕らに投げるおつもりですかですか?
「タコタルゾの思った通りです、師匠! いい加減にして下さい!
 師匠が始めた落ち語りをどうしてわしらに投げるのです? 『エーテルホーラウ返し』は--」
「これも『万有引力』の作用じゃ。『エーテルホーラウ返し』の続きを披露したまえ。
 なに、足の力を緩めるようにすれば自然と伝えたい事が思い付くぞ」
 先生……貝族である先生が僕ら種族の身体を知らないんですです。なのでそんな知ったような言葉は説得させる力を十分に発揮出来ないと思うのですがですが。
「ま、まあいいでしょう。わしは落ち語りの道を進む者。土壇場で対応出来なくて落ち語りをする資格はありません!
 よって始めましょう! まずはどの辺りから初めていいか悩むなあ」
 落ち語りは辛い道だ。語り部に本番で思う存分発揮する舞台俳優の性質を混ぜた以上は。僕は本番に結構強くないから僕に投げられる前に終わらせてくれくれ! 頼む、イカラン君!
「取り敢えずイカランは考え中での。まあ、次の部までには思い付くじゃろう」
 何だか今回は誰に向かって伝えているのかわからないわからない!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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