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一兆年の夜 第四十六話 ニュートンが支配する世界で(二)

「『エーテルホーラウ返し』とはいわばかの歪み公式を記した新天神武の天体研究家ホーラウス・フォーディーが晩年に天動説をひっくり返すような予言を呟いた事でとある無名の絵本作家が作ったお話」
 聞いた事ないない! そもそもホーラウスはそんな予言をした石版なんて知らない知らない! 絶対カイ彦先生の--
「有無、その通りじゃタコタルゾ! これは某がついさっき思いついたお話じゃよ」
「え? いくら独り言を吹いてもそんなにあっさりと読まれるもん?」
「案外お前の考える事は単純だからな。師匠に読まれても不思議じゃないだろ?」
 そうだったのか!
「お喋りをさせて済まん。それじゃあ始めようか。
 このお話はとある天文学者板垣ツル助が父で同じく天文学者の板垣ツル次郎とあちこちに補強の木板を張った一階建て木造建築でお食事している時じゃ。ツル助は父に望遠鏡返しを期待しとったんじゃ。そこから親子喧嘩となって晴れて普通の家族並の心温まる雰囲気を醸し出したかったのじゃ。
『オイ、親父! <飯が大変美味しくないのでよろしいかと>何て言われてもなあ』
『事実だから仕方が無かろうかと。それにあまりにも美味しくなかろうなので』
 とうとう望遠鏡をひっくり返すどころか折ってしまったよ、縦にも横にも!
『折角の貧しい建物で真実であられない事を言っても仕方が無かろう。けれども、これも良い物でしょう』
『あの、親父。一応望遠鏡を折った事は謝るの?』
 負けるのが一番好きでないツル次郎に謝罪の言葉はない。それでも望遠鏡を元に形に戻す手羽先の力はあった。
『これで宜しいかな、ツル助?』
『え? あ、うん』
 二名の家族会話はまだまだこれからじゃ。第二部に移る」
 うーん。正直微々たる妙だ。そもそもそんな鳥が居るのか居るのか? 望遠鏡を縦にも横にも折った上に折った望遠鏡を元の形に戻す手羽先の力があるのは?
「あの、師匠!」
「何かの、イカラン」
「そもそも始まりからして意味が明らかではないかと。そのツル助とツル次郎は一体何者でしょうか?」
「徒翼空羽家。特にツル次郎は空族では空最強の生物なんて呼ばれとる負け知らずの鶴じゃ」
「設定は大事だな、タコタルゾ!」
 これはきつい落ち語りだ! 先生はたまにつまらないおち語りを僕達に聞かせるから叶わん叶わん!
「じゃが種を蒔くのは師の務めじゃ。けれどもまだ某は種を蒔いちゃいないぞ。それじゃあ第二部を開始するぞ。
 ツル助とツル次郎は今度、六階建ての煉瓦建築の五階で食事をとっていた。その時、ツル助は事もあろうにツル次郎を挑発しおってのう。
『お袋が死なれた時、親父はどうゆう気持ちでいらしたのかな?』
『ツル助よ。親への口の利かれ方は考え得るべきであろう。でないと窓の外から迫る隕石からお前を守ってはやらぬぞ!』
 偶然にも隕石は二名が居る食事部屋を通り過ぎて、反対側より成人地形およそ二の地点に落下--ラカ地点より半径成人体型十まで震度四の揺れを観測!
 そんな状況下でツル助は更に挑発。今度は事もあろうにツル次郎の着物の襟首を掴む行為にまで及んだ!
『俺を怒らようか、ツル助エ!』
『え? 何を?』
 その時、二名の様子を眺めていたであろう銀河連合鳩型と烏型が一斉に襲いかかりおった!
『銀河連合であられよう! ツル助は俺への礼無き態度の責任をおとりになって颯爽と倒しなされエ!』
 ケツを強烈な左翼で叩かれたから勢いよくツル助は二体の銀河連合に勝負を挑んだ。けれどもこの二体がえらい強かったのか、思った以上に翻弄されるツル助。それに業を煮やしたツル次郎はツル助の背後に立ってまたもやケツを叩きおった! 今度は二体の銀河連合どころか煉瓦の壁一層を壊すくらいの力で!
『やっぱ強うございます、親父』
『さすがであろう。俺は内心体中が冷えよう。あれほどの力であろうともお前は立ち上がり候。ならば空最強の生物はお前に譲り受ける』
 とうとうツル助は空最強の称号を獲得した。空最強を襲名したツル助は蹌踉けながらこう口にしおるのう。
『勝負とは最後まで平静に立たれる者でありましょう。なればこそ、この勝負は俺の負けでよろしいかと』
 何と空最強の負け宣言とはこれは真かのう? 一体全体何の為に銀河連合が現われたのかは明らかではないが、空最強の生物獲得の為に彼等は現われ、時代の最強を示すべく彼等は倒されたといえよう。
 正に『エーテルホーラウ返し』の如き展開じゃ! めでたしめでたし!」
 正直僕はようやく……苦しみから解き放たれた気分であったあった。
「師匠。エーテル全然関係がない。頼むから出だしでつまらない話は止めて下さい! 聞いているこっちが--」
「苦しい? 苦しいからこそ次の話が楽しくなる可能性が出てきたじゃろう! これはまだ『エーテルホーラウ返し』の前日談に過ぎん」
 え? まだあんのあんの? さっきのが『エーテルホーラウ返し』じゃなかったの?
「続きが聞きたい? 聞かせて進ぜよう。あの語りには別の側面があったのじゃ。今から語られるのがエーテルに関連した語りじゃ」
「先生。さっき思いついたんでしょ?」
「細かい事は別の部で話すかの?」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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