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一兆年の夜 第五話 恐怖心と怒り(二)

 報告しに来た燕族の青年を食らったモノはストルム達が恐怖で身動きがとれないのをいい事にゆっくり食事をした。
(僕はなんて罪深きを! アガッサが死にいく姿を黙り見るるなど)
 ストルム達が同じようなことを思う内にアガッサの死体は骨だけとなった。
「悔いるるも始まらん、二名よ。恐怖心でしどろもどろとなりしは共通じゃ。
 けど翼を動かさな。しっぽを動かさな。
 死にゆきたアガッサ達や今まで食われとう生命に申し訳がつかろう!
 お前達はまだ若い! ここで命を捨てるるものでない! さあ面を上げきっても逃げるるぞ!」
 そう言ってヒュットは雀型に飛び込んだ!
(だ、駄目だ! それはただ、あれらに食わるるだけじゃ--)
 雀型は好機と思い、嘴からヒュットを食らおうとした--だが、ヒュットは果物包丁の鋭利な刃先ぐらいぎりぎりでかわした!
「な、なんっと! ヒュット様はやってくれたよ! まさかぎりぎりの範囲で燕型の特性を活かすなんてか!」
「身崩しな事言うる場合なのか! さっさとお前達は逃げんかあああ!」
 ヒュットは怒鳴り声を上げてでも二名が逃げる時間を作ろうとした--雀型からの攻撃をぎりぎりでかわしながら!
「そ、そ、そうだ! い、行くぞキッシャ! さ、さ、さっとにげにげ、え、えと」
「わ我も、もう恐怖心が少し溶けてっから分かるが我は飛べないぞっと!」
「がああああああ!」
「ヒュット様ああああ!」
 ストルムは叫んだ! とうとうヒュットは雀型の攻撃を受けた! 右足はもはや見ることは敵わなくなり、その部分から赤い物がゆっくりと流れていく。
(そ、そんな……僕がバタバタなことしたせいで! けど--)
「キッシャ、僕の背中に乗りな! 今から全速力でここから出ろさ!」 
 ストルムは決心した! 嘴でキッシャのしっぽを掴むと扉の反対側にある窓に向かって突っ込む!
「グウルウウ!」
 硝子が割れ、彼の左眼を直撃! それでも彼は飛ぶ!
「わ、我は良いっけど、ストルム君は平気どころじゃないって! 左眼に破片が--」
「これはヒュット様の言うるを素直に聞き流すからこうなる! たかが左眼がな--」
 ヒュットは背後から追ってくる雀型に気付いた!
「あぎゃ、あぎ、ぎ、やばってじゃ!」
「ここであのモノに食わるるにはゆきたくない! もっと速度があれば僕達は--」
「何を悔やむるあああ! 後ろを振り向からずお前達は進めえええ!」
 ヒュットは更に左の翼を食われてもなお、雀型への追撃を諦めなかった!
「も、もうやめろってヒュット様ああ! そ、それ以上はもっもう--」
「頓珍漢な言葉を吐けるか! 私のことを心配するもより自分のことを。大切な者達の心配しるべし! まだお前達は……お前達は希望の種なんだぞ! ここで死ねば神々のみならず--」
 ヒュットは雀型の首筋に嘴で噛みつく! 雀型はたちまち痛がった--その影響からか、追撃する速度が落ちた!
(その間に逃げる! ここで僕達は死んで行こうか! 死んだら両親や村の人々の死に申し訳が着かない! 面を上げきっても逃げ生きないとお!)
 ストルム達が豆粒まで小さくなるくらい遠くへ逃げるのを確認したヒュットは最後の力を振り絞り、雀型を振り落とそうとした!
「があああああ! 私がどうして恐怖心の中で動きしか分かるかああ! それはなああ!」
 だが、途中で嘴を振り払った雀型は遠心力を応用してヒュットめがけて突撃した!
「お前達への--」
 彼が最後に言おうとした言葉--それは……


 怒り!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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