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一兆年の夜 第五話 恐怖心と怒り

 ICイマジナリーセンチュリー十年二月二十五日午前六時四五分五一秒。

 場所は西物部もののべ大陸アリストテレス地方メデス村。
 中央地区で最大のビル三階にある第二授け部屋。そこに二名が会話していた。
 一名は齢四五にして三の月と三十一日になる一人の老年。
 もう一名は齢十五にして九の月と九日になる少年。
 ある時、少年の意見に老年は困惑していた。
「何? 太陰暦よ太陽暦な変われ新しう暦が欲しうだと?」
「はい! 近う将来、我々生命体は深遠なり宇宙に出ろうと思いめし。ですのだ今の暦では宇宙の全きを覆えことは困難になれかと」
「我々の寿命は五十年にどぞ! 近い将来という百の年より後か? それとも千の年より後のことのか? いずれにしろ水の惑星くる出れなど神々への礼に欠くる行為だと思いないのか!」
 少年は分かっていた。宇宙へ出ることは神様への一方的なお別れに繋がることに。それでも少年はどうしても生命体はいずれ宇宙に出るという確信があった。
「母なる星を捨つることは僕自身としても内側なりし痛むくものありえます。ですが現実とは捨ててしか我々生命体に生ける術はありえませ! いずれあのモノ達はこの星全きを食らいつくしかも知るないってのに!」
「恐怖心を抱いておりようだな。五の年より前にプラトー村を食るったあのモノ達に!」
「ええ、彼らはそれより二十三の年より前にテレス村を食るった。唯一の生存者はその日を境に生命不信に陥て、翌年お亡きなりになった。最後の言葉は正に勢い迫りしものでし」
『得体の知れないモノは必ず生かすんな! 必ず生かすんな! あいつらはおいらの全とを奪ったう! 生かすばおいら達は全て食う尽くせるてしまう……んだう!』
「ストルムや、お前はまだ産まるとういな当時を調べてるものはないぞ! 当時十七の年でのこの私だからこそよく分かりし件なのに」
「ですが、プラトー村を失っとうからこそ僕はあの件を調べるる決心が付きまし! そして何より僕は恐怖心から逃げとうございりませ! プラトー燕族にして長の家系、ササーキー家の第一子としの誇りでもありまする!」
「家系が通常ならばなここまでで思い詰めるることもなかろう……
 雄ヒュット・ヒッスイに止めるる権利無しな。
 いいだろ! 新たなるる暦を使えん!
 ただ分かっていりし思うが、新たなる暦とは今までの暦とは違うるような何かを備えるるようしろ!」
 ヒュットは年長者らしいアドバイスをした。
「太陽暦の四の倍数に閏日を足するものでどうでありえるか?」
「それは何か欠けるる……いずれにその暦では宇宙全てに追いつけざる気が」
 ストルムは悔しい気持ちになった。せっかく開発した暦は完璧じゃないということに。
 するとどこからともなく二名の会話に割り込む者が現れた。
 その者はストルムより三つ年上の少年にして普段から礼を欠く者なり。
「これこれヒュット様じゃありませんか! 礼に欠けるとは思ってが、我メデス蠍族のキッシャ・キシェールによって意見を挟みしよ」
「お前かよ! 帰ろよ、キッシャ!」
「ストルム君は相変わらず冷たいってね! 考えの同じでない意見があって完璧性を追求できるということ!」
「いや、意見を許可すべし!」
「ありがとうございますって、ヒュット様。では、数年を境に暦の長さを変えてどうでしたか?」
「それ! キッシャよう、あっがとな! 少し見直したよ」
 ヒュットより先にストルムは賛同した。
「これ、ストルムよ! お前まで礼を欠くる行為はよせか!」
「す、すみませるる、ヒュット様!」
「全くこれだっからストルム君って奴はよっと! あんまり悔やむなってよ! 神さまには我から直々に頭を下げとき差し上げまっせらストルム君はいつもの調子で言いよっと!」
「ありがとな、キッシャ! お前のお陰で僕が考案し暦の欠点と利点が見つけられしや!」
「ほう、利点と何ゆえで?」
 ヒュットはストルムに質問した。
「ええ、利点となるるべきは宇宙を支配する何かを僕の暦で予測可能であるべきだ! その為にはキッシャの案である数年を境に暦の長さを更新。それによりて宇宙への対応を機能的に活きとし暦が出来上げると!」
「待てって! 暦一つで宇宙の全ては分かるかって! 第一どのくらいの年月で更新するっとだ?」
「一ある万の年でどう? そこから太陽暦四の倍数と閏日計算から太陰暦八の倍数と二の閏日なら宇宙への対応が出来るるありしよ?」
「いや、それはますます宇宙への対応は厳かであり! 余計に欠点が目立ちしとの!」
 またストルムは悔しい気持ちになった。
「まあ悔やんでちゃ前に進めないって! いつの時代でも公式には必ず目に見し欠点あるってのよ。でもそれが魅力的だと我は思ってけど!」
「キッシャに慰められるなんてまだまだ僕は罪深いよ。自分に溺れているなんて神さまに申し訳が立たないよ。所詮イリュージョンセンチュリーは公式化しは--」
 突然、村中で悲鳴のような者が聞こえた!
「な、何で! そ、外で何があってじゃ!」
 暴風の如く扉を開ける音がした!
「た、大変でする! 村に突ぜ--」
 内容を話す前に何かに食われた!
「あ、あ、あ、あれははは、は、うわああああ!」
「ス、トルムムム、大声だ、だ、出すんじゃだじっでええええ!」
「来たか……私達生命体にとっては切りも切れる。
 く、縁とはよくいうるじゃな! 生命を食らうモノより!」
 その姿は雀族によく似ているが、剥き出しの周りを何かが螺旋状に駆け巡る得体の知れなさ。全ての生命に恐怖心を芽生えるには十分であった。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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