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一兆年の夜 第三十五話 蜥蜴の尻尾(六)

 午後九時五分六秒。
 偵察を済ませたイン歌が戻ってきた。彼は班長トカッガに五の分くらい報告をした。その後は五名の所へ行き、会話の中に盛り込む。
「ありゃあむりだよ。わたしめはかつてしぶちょうから、らてすとうたいじゅがたとのはなしをきいたことありますよ。それとおなじじょうきょうだとそうぞうしますよ」
「支ー部長は確かーヤマビコノアリゲルダだーったわねー。三名の仲間ーが死んーだって聞いたわー」
「正確にはもう一名以上追加するべきだス。言葉が複雑な真正細菌族の方々ねス。彼等が居なければ負け戦でありましたス」
「な、何呑気に喋ってるんでっさ! やっぱ逃げまっせう!」
「ここまで来ておいて逃げ戦は一生悔いを残すゾゾ! 俺は家族の無念をここで終わらせに来たんだアア! 逃げるという単語はもう意味ないのだアア!」
「待ち時間は過ぎ、行くぞみんな。
 己の過去との決別をし」
 一名除いて彼等の足(翼)は前進する!
 まず六名は防波堤第一関門--正式には最終関門だが銀河連合に占拠された今では第一関門である--を無傷で突破しようと試みる!
(ここは楽、内容によると銀河連合が十体程度しかいな、俺達六名を甘く見ないことだ)
 先陣を切るのはブルルン--牛、羊、豚の三体は突進を敢行するものの予想を上回る力の前に弾き飛ばされてゆく!
「俺はこう見えて国家神武軍者ダダ! そこにある突進倶楽部に所属燃していたんだぞオオ!」
「とこーろで『倶楽部』ってー何? 私知らないんーだけーど」
「『倶楽部』とはなアア! ややこしいから言わねえぞオオ!」
「ドヤス、こやつううう……『倶楽部』ってのは趣味を一つにする者がねス。ええと……危ないス! ノワアッツ……後で説明するよス!」
「みなさんきんちょうがなさすぎるよ。わたしめはていさつたんとうだから、これをほごすることでせいいっぱいだよ」
「やっぱり帰りたっさいイイ!」
 コケ真とイン歌を除く四名は十の分も経たないうちに銀河連合十体を倒した!
(ここは俺の経験上は楽、問題は次の関門から、ここでいつも俺は油を断ってしまうん)
「私の雄ー略包丁は二回斬ーったから残ーり三回までーだわ」
「ほえっす? 包丁は三回までじゃないのっそ? いつからそこまで切れ味が保証出来っそ?」
「あんたはすぐやめたからわからないだろうけど、たいじゅがたとのたたかいいこう、しんせいさいきんぞくのじゅうようどがましたのさ。それまでてつのきょうどときれあじをほしょうするゆのおんどだとかそうゆうのから、いかにしんせいさいきんぞくにきょうりょくしてもらうかがじゅうようになった。そのけっかとしてきれあじはそのままにきょうどをたもてるものきりほうちょうへとしんぽをとげたんだ。まあそれでもし、ごかいまでしかほしょうできないけど」
「腕の立つ生命なら何回斬っても錆を残さないと聞くが本当かなス?」
「俺はモノ切り包丁ではなく望遠刀を使うから気持ちはわからな、だが居たとしても国家神武軍者カゲヤマノツクモノカミかイタラス・ジャレモンドか天同八弥様くらいしか思いつか、他にいるの」
「俺だって思いつかないぞオオ! そんなに強い存在がいるわけ……関門で待機しちゃくれんかヨヨ!」
 第二関門は本来遠距離から望遠刀による雨あられで防衛するはずであった。ところがそれに反して銀河連合蠍型がブルルンに向けて突進!
「待てブルルン、ここは俺が--」
「大事な尻尾は最後まで取れエエ! ここは俺がになってやルル!」
 ブルルンは五名を後ろに下がるように進めた後、自ら蠍型に突進! 蠍型との距離がブルルンの角の長さまで詰めた時だった!
 第二関門から大量の物部刃らしき物が雨あられのように彼等二つに襲いかかるのを!
 ブルレットの兄貴イイス--カマ汰は叫ぶ!
「蠍型を倒した後に考えるウウ!」
 ブルルンは左角で蠍型の胴体を貫くも雨あられのように振る物部刃のような物に次から次へと刺さる!
 叫び声を抑えつつも致命傷を避けるものの第二波がそれを許さないかのようにまた降り注ぐ!
 ガアアアアアアア--とうとう叫び声を上げるブルルン! だが軍者としての経験からかまたしても致命傷だけは避けるが、第三波は赦しを容れなかった!
「早くブルルンさんを助けましょっし! このままじゃあ死んで--」
「あんたがいえるたちばかよ! というかわたしめらがたちいるすきがない! どうしろと!」
「二名とも黙るん、ブルルンは命をかけて俺達を守ってるんだ、それに只受け続けている訳じゃないん。
 奴は窺って、俺達が突入出来る僅かな時間を」
「『信じろ』なーんてー無茶な要ー求ね。でも雄なーんて格好つーけの集ーまりだからこーれくらい身体を張るー者よ!」
「ブルレットの兄貴……ス」
 第四、五……と次から次へと第二関門で構える銀河連合三十体は三交代で物部刃を放ってゆく--さすがのブルルンも幾度の致命傷は避けても流れる血は不可避であった!
 そして第九は目に入ろうとする時、第二関門で思わぬ間隔が発生--後日物部刃らしき物を出す木箱のような物が倒れる事故であった--し、ブルルンはその間隔を見逃さなかった!
「未だああああああ無能うウウ!」
 ブルルンは第四関門まで響くような怒号を上げる--三名は一斉に突撃!
「止まるんじゃねえ、二名と」
 そーの関ー門を突破しーてやるわ--パト恵は成人体型六十六を七秒台で駆ける速度により第二関門内に入るとすかさず中に居た銀河連合人型、猿型、鬼型の咽を切り裂く!
「後二ー十七体! 囲まれーたわーね!」
 某が助太刀するぞス--カマ汰はパト恵が入って一の秒も経たずに援護するように両刃で二体の銀河連合の急所を切り裂く!
「右は一回ス、左は三回ス。当然奴等は左を狙うに決まってるス!」
 カマ汰の予想通り残り二十五体中九体はカマ汰の左方に向かって襲いかかる!
 だが、九体の内三体は胸と頭をどこからともなく飛んできた物部刃に貫通--放ったのはトカッガだ!
 俺を忘れるん--呟きながらもトカッガは移動しながら残り本数を数え、一本しかない事を確認。
(だからこそ第二関門は恐ろし、いつもここで俺は部下を一名死なせ、乗りきっても次で全滅必至。
 いくらイン歌に頼んだあれとはいえ、あれは第三関門を抜ける為、ここじゃな。
 だがこのままではブルルンよりも先にまた一名の部下を--)
 諦観しそうになるトカッガを見たのかブルルンは表情をより険しくしながら--
「何後ろ向きに考える無能ウウ! 一一悩んでるからお前はいつだって死なせるんだろうガガ!」
 ブルルン--トカッガは渇を入れられ我に戻る。
(そう、俺は何をしてい、俺も過去に決着付けに来たのだろ。
 こんな時は前向きに考えないといけな、その為にはどう--)
「確かに考えたくないだろうがこの際また俺に任せロロ! 一体でもではなくこの関門全部を倒してやるからさアア!」
「……頼んだ、ブルルン・ブルンデッド。
 でも俺からの無理な頼みになる、生きろ」
 了解したゾゾ--傷付きながらもブルルンは最後の戦いへと臨む!
「わわ……一体をーやっと倒しーたけど刃ーが欠けたわー!」
「危ない……合計四体ス! ノワ……某も限界だス!
 うわうわ……残り十七体は数が多すぎるス! コケ真とイン歌の二名は第三ス、第四で必要だから……さあっと!
 錆びた両刃ではもう--」
「十七体はこのブルルン・ブルンデッドに任せろオオ!」
 ブルルンは叫び声を上げながら十三体固まった銀河連合の群れに突進--正確には残り一本の物部刃を頭に貫通させ、銀河連合十二体が集まる群。
「一体減らしたブルルン、これで少しは--」
「なにやってるんですかはんちょう! ぶるるんどのをしなせるきですか!」
「あいつが臨んだ事を駐める権限は俺にはな、俺達五名はこれより第三関門に突入するん」
「つまり死なせろってことなのっせ! 何て罪深いことをっそ!」
「はんちょうもりょうしょうしたいじょうはあのかたにまかせましょう。わたしめのとめるものではありませんし」
 コケ真を掴んだイン歌は第三関門へ向けて翼を広げる! 地上にいるパト恵とカマ汰もまた無言の了承で第三関門へと進んでゆく!
「おおとオオ! お前ら五体も俺の相手をしてもらうんだアア! はあはあ、血を流しすぎたようだがやっと十五体になったんだアア。これくらいじゃあ息子二名も嫁も満たし切れンン! 別に喜ぶ訳じゃねえが俺の過去に決着を今つけるんだよオオ!」
「絶対に守れ、必ず生きるん」
 トカッガはブルルンに背を向けて前進する!
「そうだなアア。死んだら嫁さんに叱られちまうんだから死んでならねえよナナ」
 血の溜め池を作るブルルンは最後まで戦い、残り十五体全てを倒した

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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