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一兆年の夜 第二十九話 大樹の銀河連合(二)

 午前三時十三分十四秒。
 アリゲルダとサンショウ五、そしてカマキュラスの三名は比較的安全な場所に着くと四十五の分ごとに交代しながら計一の時と三十の分程睡眠をとる。
「組長っぎ。余り眠れないっが」
「俺もだス。いくら変温体質でもここまで眠れないのは傭兵という職業上の性なのかス?」
「そう? 僕は眠れましたけど?」
「サンショウ五さんは最初だけ見張りをしていたから後は眠り放題だよっだあ」
「んス? 誰か来るス!」
 三名の頭上より成人体型一に満たない影が無数の枝を長い舌で駆使しながら降りる!
「カメレーオさんがん! まさか仮眠をとる為だがん?」
「そこでそんな考えが浮かぶとはっだ! 主も意外と頭が良いかもしれんだがん」
「仮眠をとりたい気持ちはわかるがス、その前に報告を済ませろス!」
「せっかちな雄だなス、組長はス。いいだろうス。
 実はここより五段上を確認してみたス。そしたらそこには十種類以上の銀河連合が数百待ち構えておりス、なおかつ各枝には果物のようなモノが生えてあったがス」
 果物--本来なら喜ぶべき食べ物だがここは銀河連合。大樹型に生えるモノが本当に果物であるかどうかは長年受けてきた仕打ちを考察すれば自ずと良からぬ結果が待ち受ける。
「例に食べるには僕の覚悟が足りない?」
「恐怖で筋肉が縮こまるなっど! だけどわしは傭兵として生きてきた以上はそんな恐怖だって背負うっぜん!」
「余り背負い込むなス。恐怖を背負うのは何もアリゲルダだけじゃないス。俺もまた背負ってるス」
「組長ス? 拙者はそろそろ寝るべきかなス?」
 カメレーオの両眼は瞬きを繰り返す。状況がどうあれ、カマキュロスは--
「後で起こすからおよそ四十五の分くらい寝ろス!」
 寝るのを勧めた--カメレーオは反応するように右横に倒れ込み、両眼を瞑る。
「しばらくの間ス、サンショウ五はカメレーオを死守してくれス!」
「は、はい?」
「わしはどうすれば--」
「お前は俺と共に果物が生える枝に向かうぞス!」
「二、二名では危険じゃないでしょうか?」
「心配すんなっどう、サンショウ五さん!
 わしと組長を誰だと思うのですかっぞ! 泣く子も黙る真鍋傭兵団屈指の百戦錬磨であるぞっど!」
「いやここにいないホエ人を含めて全員だろス? だが必ずしも外れでないのは事実だス!」
 アリゲルダとカマキュラスはサンショウ五に向かって右前足(右刃)を頭上に翳した!
「そ、それなら安心かな? まあ死なないように?」
「大丈夫だがん! わしらは死なんっぜえ!」
「笑顔で戻るス!」
 二名は眠るカメレーオとそれをひたすら死守するサンショウ五に背を向け、数百もの銀河連合が待ち構える五段上によじ登る!
(わしはここで気付くべきだったがん! ここに向かう事こそ悲劇の再開であるというのをっごお!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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