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一兆年の夜 第二十九話 大樹の銀河連合 後篇

 ICイマジナリーセンチュリー九十四年八月百四日午前零時二十五分一秒。

 場所はラテス島海底火山。そこに巣くう大樹型銀河連合入口。
 アリゲルダが現在に切り替わる時、眼前には無数の枝が蝸牛族の速度で接近!
(はっどぞ! これはっが?
 わしはさっきまで夢を……って今はそうする訳には--)
 アリゲルダの思考が現在に戻った瞬間--枝は速度を上げて串刺しにしようとする!
「筋肉鍛錬した鰐を甘く見るながん!」
 アリゲルダは鰐族独特の捻り回転で串刺しを避けると、勢いよく枝の一本を掴み
ながら避けた時とは逆方向に捻り回転を行い、引き千切った!
「やるじゃないかス、アリゲルダス!」
 声をかけたのはキキミミノカマキュラス--彼もまたアリゲルダと同様に過去へ
記憶が遡った後、現在に戻ると無数の枝を両刃で捌きながら隙の出来た枝を交差
するように切断!
「さすが組長ですね?」
 疑問するような訛りが特徴の雄は山一サンショウ五--アリゲルダとカマキュラス
と同じような体験をした後、無数の枝の一つを掴む事で他全てを避け、そのまま噛み
千切った!
「危ない雄だよ?」
 前に喋った者の真似をする訛りが印象的なカメレーオ--同様の体験をする事
なく普通に避けるとカメレオン族の十八番である背景と同化するように体中の色を
変化させ、無数の枝の追撃を躱す!
「せこいやり方ダナ、カメレーオ!」
 特殊な周波で相手に耳に伝える者は吉良ホエ人--枝の攻撃を受けるが、血が
流れる場所に届く寸前で全てを力尽くで食らい尽くした!
「後で吐き出して下さいっぞお、ホエ人さんっがい!」
 大樹型の初撃をそれぞれのやり方で凌いだ五名は残った二十を上る枝を一つ
ずつ丁寧に倒してゆく!
「組長がん! 包丁の方は大丈夫でしょうっがし!」
「今のところ刃毀れは少ないス!」
 カマキュラスが装着するのは蟷螂式神武包丁--現在は中条獏の婿養子に
なった武内人族のバルダンが雄略の集落で技術者集団に弟子入りし、そこで十の
年まで技術を磨いて国家神武に来ると新たなモノ斬り包丁の開発計画を始動。
その計画で誕生した刃毀れが少なく、切れ味が良い武器。
(ただしっが、耐久性を削ったから使い手が上手くないとすぐに折れてしまうがん)
「ところでここからドウスル?」
「そうダナ。拙者は偵察ノ方が向クシ、このまま身体ヲ動かしたいが」
「僕達三名は戦えばいいけど他二名は異なるよね?」
「ここは組長である俺が決めるぞス!
 まず俺とアリゲルダとサンショウ五は例の者を死守しながら中枢に潜るス!
 カメレーオは地上から大樹型を偵察せよス!
 ホエ人は海から大樹型とその周りを偵察せよス!
 もう一度言うかス?」
「いや結構ダヨ!」
「わしらはいつも通り銀河連合を倒してゆくぞっどお!」
「拙者は先に命令された事を実行するがん!」
 カメレーオは身体の色を変化させながら飛び跳ねてゆく!
「じゃあ僕達も行くね? ホエ人さんは気を付けて行ってらっしゃい?」
「サンショウ五が言ウト気が抜けてシマウヨ」
 ホエ人は狭い中、大樹型の周囲を偵察しに海へ潜った!
「じゃあ行こうかス! 銀河連合は待たしてはくれないス!」
 そして三名は中枢に向かって枝の上を跳ねながらよじ登る!
(わしは今度こそやるんだがん!
 もうカバンナを救助出来ないわしとはおさらばしなければ意味がないっぞん!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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