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一兆年の夜 第二十八話 大樹の銀河連合 前篇(七)

 午後十時零分十八秒。
 ラテス島書いて火山に住み着く大樹型に向かって吉良ホエ人は顔を上げながら距離成人体型およそ六十六を七の秒で到達する速さで向かう--四名を背中に乗せながら!
(紐で捕まってるとはいどう、この速さは辛いっぞ!)
 アリゲルダだけではなかった--カマキュロスやサンショウ五、それにカメレーオも必死であった!
(これだけの速さで顔を出しながら進むんっだが! 周りの状況がどうなってるのかは検討が……一瞬だが若布型や鮎型を見かけたがん! ホエ人は無事でいられるっが!)
 真鍋傭兵団応神支部の目的はラテス島にある大樹の銀河連合を打倒。
 それから大樹型に突入する数は僅か五名。組長カマキュロスを始め、アリゲルダ、サンショウ五、カメレーオ、ホエ人だけ。彼等はいずれも通常の銀河連合十以上三十体以下まとめて相手出来る実力者。
 それだけ過大評価されても今回の目的を達成する事は極めて難い。まるで優秀な蟻族五名が象型一体に挑むようなモノである。そんな腰砕けた事を引き受けた真鍋傭兵団には勝機があった。それは--
(組長が持参する袋ダガン! あれには六名目以降の要員が潜っぞ! それを大樹型の中に入れば勝利出来っぞう! 最もわしらがそれまでに無事でいられるっだが!)
 袋の中身はまだ判明しない。ただわかる事は袋を取り出す機会が恵まれるかそうでないかで勝敗を決する。それは彼等五名以外の四名にもわかる事実。
(副長の立案した作戦によるっど、丸一の日までに達成しなければならながん。でないといずれ帰る船は沈められる確率は高まっじい。
 次にわしら四名は吉良ホエ人さんに掴まっじ、出来る限り速度を落とさず真っ直ぐ突き進どう! だが--)
 ホエ人の周りを囲い始めた水棲式銀河連合が接近し続ける。ホエ人は上から横だけでなく下の方にも銀河連合が近付くのを感じ取りながらなおも針路と速度を変更しない。
(寧ろ速度が増している感じがすっぞ! なのにまだ大樹型には届かないっとが!)
 とうとう指先まで接近を許すとホエ人は速度を落として右横に回りながら銀河連合を振り払う!
(回るだけでも振り落とされかねっぞん! 意識さえ飛びそうっでえ!)
 距離がちょうどホエ人の鰭ぐらいの長さまで空くと再び針路を大樹型に固定。そして再加速!
(間に合うっが? 一の日までに!)
 ホエ人はそろそろ潜りだす頃合いであった。

 午後十一時零分三十九秒。
 組長カマキュロスと偵察員カメレーオは泳げない。
 だが泳げない彼等にはホエ人が大樹型に直接飛び移れる距離まで接近する事を願うが--
「申しわけアリマセン! 僕は限界が近いので沈ミマス!」
「速度を落としてたのはそうゆう事なのかス!」
「ということは拙者ら二名はどうやって行こうかス?」
 ホエ人は沈んでゆく--沈みゆくホエ人に群がるように銀河連合が近付く!
「お勧めしないがカメレーオよス。水の上を渡れるかス?」
「銀河連合を踏んで渡る事なら可能ス!」
「罪深いなス、自他共にス!」
 群がる銀河連合に素早く頭を下げたカマキュロスとカメレーオは素早く頭を上げると、一気に銀河連合を踏みつけながら大樹型に近付こうと試みる!
 それを見ていた二名は--
「組長とカメレーオさんが水の上を渡ってるけど?」
「あれは踏みつけながら渡ってがん! 二名だから出来る芸当っでん!
 わしらはわしらで中に入るっぞお!」
 一方のアリゲルダとサンショウ五は両生類の特性を駆使しながら泳いで進む--迫り来る銀河連合と戦いながら!
(関節技は熊猫族に負けられなっがあ! わしはお父さんだがん! お父さんの関節技は子供とじゃれ合うようにお前達銀河連合の肉体を痛めるのだがん!)
 首から下或いは横を分断しながら迫り来る銀河連合を次々と締め死なせてゆく!
(泳ぎだってわしは亀族に引きを取らんっぞ! 寧ろあちらに引けを取らっぜん!)
 アリゲルダより下方に潜るホエ人に近付く速さで大樹型を目指す!
(次から次へと銀河連合はわしらとじゃれ合う気っげ! 今度は良くないが相手を死ないっぞん!)
 そう思考しても兵士の気質がそうさせるのか次から次へと目の前に立ち塞ぐ度に相手をし、確実に倒してゆく。

 八月百四日午前零時二十四分四秒。
 五名は合計六十四体を倒しながらも全員無傷のままラテス島海底火山を食らう大樹型銀河連合に--
「先陣を組長キキミミノカマキュロスが切るス!」
「世界観補正ハこの僕吉良ホエ人を選ブ!」
「山一サンショウ五もお忘れなく?」
「カメレーオを只のカメレオン族と思わないで?」
「いいやっど! 先陣を切るのはこの応神鰐族で最も筋肉鍛錬を重ねたヤマビコノアリゲルダだがん!」
 ほぼ同時に大樹型の根っこに触れた瞬間--無数の枝が五名に襲いかかる!
(ここからが本当の戦場っどお! 死と隣り合わせの誰が生き残るか定まらない大樹型銀河連合との一騎打ちが始まるとはっだあ……)







 ICイマジナリーセンチュリー九十四年八月百四日午前零時二十五分零秒。

 第二十八話 大樹の銀河連合 前篇 完

 第二十九話 大樹の銀河連合 後篇 に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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