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一兆年の夜 第二十八話 大樹の銀河連合 前篇(五)

 午後十時三十五分二秒。
 場所は海洋種族用中型船。陸上種族用区画食堂。
 そこには吉良ホエ人以外の九名が集合。そこでは様々な意見が交わされる。
(ラテス島まで明くる日の夜遅くになりそうがん! それまでにわしは身体を解さなければっじ!)
 アリゲルダは脳まで筋肉が詰まってるかのように尻尾まで全て筋力鍛錬の事ばかりであった。
「アリゲルダよス! 鍛錬を怠らないのは良いことだス。
 しかし、俺達の数は結局六名だス。どんなに質を高めても量は赦しを容れちゃくれないス。それはわかるなス?」
 アリゲルダは思考を読まれて少し顔が険しくなる。それを見たオタマンは--
「気にするなッケロ。誰だって思っている事を覗かれるのは好かないことだしッケロ」
「少し気になる事があるッケロ。吉良ホエ人はどうして傭兵になったッケロ?」
 それに反応するように船体が大きく揺れた!
「学者鯨一族の僕ガ傭兵に? それは家の重みニ堪えられなかったカラダヨ!」
「相変らず響きまちゅね!」
「堪えられない? どのように堪えられないでちゅか?」
「僕の一族ハ夢中になったよ!
 『世界観補正』と呼バレル仮説に!」
「『世界観補正』! まさか君乃ような中年牙逃げるくらい進んでる乃科!」
 ギッガーンが火を噴くように驚く姿を見てサンショウ五は少し引く。
「『世界観補正』なんて迷いし信仰。拙者乃運命牙それ出決まるもの科!」
「べ、別に僕は『世界観補正』を逃ゲテナイヨ。寧ろ進みスギテ怖クナッタんだ!
 そこに導き出サレル真実に!」
「どうゆう意味がん? わしにはさっぱりだがん!」
「アリゲルダは黙ってろっが!」
 カメレーオの言葉に少し怒りを沸いたアリゲルダは突っかかろうとするもののまたもオタマンに制止された。
「オタマン君がいるならアリゲルダ君も怒りは鎮むね?
 ところでホエ人先輩はどこまで進みましたか?」
「それは……緊急事態発生!」
「ちょっと待てい! こんな時間に銀河連合かい!」
 その後に続く言葉は予想の外である!
「海上に突キ出タ枝型銀河連合が発生! 数ハ二十三体! 繰り返す! 海上に突キ出タ枝型銀河連合が発生! 数ハ……増加シテ二十七体!」
 誰よりも早くアリゲルダは甲板に出る! すると--
「どご、うなってるっが!」
 船首部分から見た光景--海上から次々と無数の枝が顔を出す!
 その光景はまるで一本の大樹が形作られようとしていた。
「どッケロ、どうした……ああああッケロ! いくら何でも早く成長しすぎッケロ!」
 甲板には一名また一名と増え、九名全員が出た時には胴回りまで姿を現す!
「いくら何でも成長が早すぎるス! どんな超常現象だス、これはス!」
 カマキュロスは強がりな口調でも顔全体には冷や汗が大量発生する。
「組長い。超常現象ですら発生させるほど銀河連合は強大になってる証拠かも知れませんい」
 シ紋は冷たく静かに話しても体中の震えまで隠し通せない。
「あわわわでちゅ!」
 チャアダは恐怖心を起こして全身を痙攣させる。
「あれだけ乃成長端体中似重荷尾背負うぞ!」
 ギッガーンは医師として震えを抑えようと必死だ。
「ああ? 今度こそ死ぬかもね?」
 サンショウ五は無表情ではあるが口で恐怖しているのを表現。
「僕ハ大丈夫だ! 船にまで枝型は入ッテナイゾ!」
 ホエ人はあくまで情報を伝える。
「まさかこれも世界観補正の産物ッケロ?」
 オタマンは先程の話をする事で恐怖心を抑えようとする。
「よくわかんないが少なくともわしらは大変な相手を倒そうとしていることはわかっぞお!」
 アリゲルダは口とは反対に--
(だからこそわしは今まで筋力鍛錬をしてきっぞ!
 確か三の年より前に起きた応神諸島のとある小島で発生した事故に決着をつける為っで!)
 己自身の疵痕を塞ぐべく怒りを溜め込む!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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