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一兆年の夜 第二十八話 大樹の銀河連合 前篇(四)

 午前八時三分十八秒。
 迫り来るのは北西より鮭型三体、鯖型二体。南南東より鮹型一体、貝型三体、鮎型一体。船に真っ直ぐ突進!
 それを阻止すべくサンショウ五は北西を、アリゲルダは南南東から迎え撃つ!
(わしは強力な銀河連合を相手するっぞ! サンショウ五さんは--)
 アリゲルダは口の開閉でエラ会話したもののサンショウ五に上手く伝わらない--彼は南南東の銀河連合を迎え撃とうとする!
(サンショウ五さんっが! そこはわしに任せてくれっで! あんたは北西の奴等を迎え撃ってくれっぞ!)
 身体も表現する事でようやく理解したサンショウ五は北西方面へ向かう!
(わしはデカイ銀河を相手しないとっだ!)
 アリゲルダは最初に狙いを定めたのは鮹型。彼は鮹型に接近するとわざと絡まれる。
(さすがは鮹族が基の銀河連合っが。剥き出していようとも全身は筋肉の鎧がん。サンショウ五さんでは絡まれたら最後だっどう!
 だがわしはこんな事だってあろうかと鍛え抜いた筋肉はこの絡みつく八本足だって--)
 アリゲルダは鰐型特有の捻り回転と日頃から鍛え抜いた必要最低限の筋肉で鮹型の筋肉を次々と断裂させてゆく--二枚の雑巾を強引に引きちぎるかのような音を海中で発しながら!
(今度はわしが絡む番だっが!)
 断裂した八本足の一部と頭部と目の間に口から後ろ両足を絡める。そのまま右回転を駆使しながら鮎型及び三体の貝型に向かって突進!
(何て力がっず! 特に吸盤は鮹型の力の象徴だなっど!
 穢れ多い事にわしはその力を他四体まとめて倒す為に使わせてもらうっがあ!)
 貝型三体と鮎型は巻き込み、アリゲルダは船体の最も頑丈な部分に向かって正面衝突--身体への重荷を避ける形で!
 貝型三体の内二体は中に衝撃が伝達して身動きが取れなくなる。一体は衝突寸前で回避するものの軌道修正が取れなくなり、そのまま深部に生える海草に絡まる。
 一方の鮎型は頭部に激突して即死。
(鮹型にぶつけてもこいつはまだ力を残すかっづ! 身体が柔らか過ぎるぞっど! 筋肉の鎧なのに柔軟運動まで施し済みかッヅ!)
 鮹型は断裂しなかった僅かな八本足でアリゲルダを絡みつこうとするが--
(敢えて肉を切らせるっぞ! そして--)
 骨を断つように彼の大きな口は鮹型の目玉のある部分を噛む--そのまま左回転と右回転を交互に十回以上行う!
 そして抉り出すように鮹型の身体を両断--頭の千切られた部分からゆっくりと黒い液体を周囲に垂れ流す。
(危うかったっぞ! 墨を出していたらわしは死んでいたかもしれっぞ!
 どうやら銀河連合は鮹族の全てを学習していなかっぞ。それが幸いしたとはわしもまだまだ修行不足だっごう!)
 鮹型を倒したアリゲルダは貝型三体を一体ずつ丁寧に倒してゆく。
 それから十の分より後、同様に五体全て倒したサンショウ五はアリゲルダと共に船に戻ってゆく。
(サンショウ五さんは無傷かっぞ! さすがん!)
 アリゲルダもまたサンショウ五と同じく傷一つ無く帰還した。
(わしは鰐族である以上は表皮が硬くて当たり前っぞ。
 しかし、海での活動では肌に染みっぞ! 後でギッガーン先生に看てもらわないっど!)
 どうやらヤマビコノアリゲルダは見た目とは異なり、肌荒れを気にする雄であった。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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