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一兆年の夜 第二十六話 海は広いな、大きいな(四)

 午後五時一分二十二秒。
 場所は第五空き室前。
「言ってきます、サバ音さん!」
「若布型はあれだけとは限らない。何せホエンラドンが数字を表せない以上かなりの数が入ってきてるぞ!」
 二名は残りの若布型を倒しに船内を泳ぎ回る!
(でえならばサバ音さんのような死者をこれ以上出さないためにも見つけ出さないと! でえ塚本さんとサバルバお爺さんと合流しないと!)
 そう思った瞬間、偶然にも二階へ通じる階段近くでサバ次とサバルバと合流した。
「サバ吉どんとサバ克の小僧かい。老いぼれ達はちょうど若布型を発見して現在三体は倒したぞい」
「三体もいるとは恐れ入った! わしらでもあの体型は厄介だ! 若布である以上まだいそうな気がするぞ!」
「若布型である以上か。入ってきた数よりも増加してる気がする。俺達は手遅れになる前に全てを見つけ出して倒すぞ!」
「ところでサバ音ちゃんがいないようじゃが?」
「……」
「サバ克よ! 何故エラで伝えない?」
「俺が伝えよう。サバ音君は死んだ」
 事実を知った二名の表情は水中とはいえやや歪みを生じる。
「また老いぼれよりも先に行く若者が出てくるとはのう。今度は二十にも成らないぴちぴちの少女がのう」
「わ、わしは悲しむ暇がないのでと、とりあえず探そうよな、隊長さんや」
「サバ次君の言うとおりだ。サバ音君の死を悲しむのは若布型を全て倒した後でいいだろ、サバ克?」
「そうだよね。そうしよう!」
「それじゃあ決まりだ! わしらは--」
「部隊長は俺だ。俺が決める! 二手に分かれるとしたらサバルバのおやっさんはサバ克と共に行動してくれないか?」
「老いぼれに小僧のお守りを押し付けるんかのう?」
「良くないか?」
「いや、いいじゃろう。小僧にはまだまだ甘やかしたい気分じゃて」
「だ、大丈夫なの? サバルバお爺さんと一緒で?」
「心配無用だ。人生経験は俺より長い。その分だけ俺にはできない事をおやっさんはする。それを期待してお前とくっつけた!」
「ま、まあそれなら話が早い! じゃ、じゃあわしらはさっさと行こうか! んでどこに行く、隊長さん?」
「俺達は二階を捜索するぞ!」
「じゃあ僕たちはここを?」
「そうじゃのう。まあ鯨族の区域に入るかも知れんのう」
「じゃあ俺達は鰭を動かすぞ! エラ会話はここまで!」
 二組、二名づつそれぞれの区域を捜索し始めた!
(でえ僕の力であいつらを倒せるのか? でえ僕にはとても自信がないよ!)
 サバ克は未だに成長の鍵を見つけられないでいた。広い海をくまなく探すように……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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