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一兆年の夜 第二十五話 大空のトリ(二)

 午後二時三分三十一秒。
 坂井組は二手に別れた。組長坂井ブク郎はウェンディ・エレシウムと白鳥カブ壱を率いる。彼等は鬼ヶ島の北西を偵察飛行。残ったフォウルン・フォーディーとハヤブス・ハルトマンは南西を偵察飛行。
(風が強くなってきてろう。万が一ではあろうと、空難事故に遭えば銀河連合どころじゃなかでえ)
「考える事があり」
「風が強いから話すねえ!」
「いいから聞き! 『二手』って文字には手があり。でも俺達は翼しかないし! この場合『二翼』という言葉を使用すべきじゃない?」
「一応『手羽先』という別の言葉もあるでえ。『二羽』か『二羽根』でもありかろう」
「言語は難しい」
 二名は下らない話をしながら心を平静に保つ。
(空は雲だらけえ。鬼ヶ島周辺はいつも天候が変動するって聞いた事えろうが、こんなに様変わりしやすいねのう!)
「ハヤブスい! ここは一旦船に戻りし!」
「そうでろう、空が危なけろう! 手遅れになる前に戻るしかねえ!」
 二名は大きく旋回しながら反対方向にすると逆風に煽られながらも船の方に戻ってゆく!
(風がこんなに大変でろう!)
「ぶるっしい! この感じは気を付けい、ハヤブスい!」
「風の中に怖い感じのする匂いでえ? 間違いねえ! 銀河連合でえ!」
 二体の背後に付いてくるように燕型と鶴型が接近!
(見えなくともわけろう! 背後を取られてろう! どうせろう?)
「風が強くて翼持刀を出す余裕がない! しかし、出さなければ後ろから噛みつかれし!」
「翼を緩める隙もなこう! 速度を下げるなんて出来なえねえ!」
「風が弱くなる瞬間に懸けし!」
「無茶な事言うねえ! 風が弱くなる瞬間な……これでろう!」
 ハヤブスは袋から翼持刀と物部刃二本を出すと素早く右翼の羽根に引っかけてわざと速度を落とす!
「俺は機を逃し!」
 鶴型に自分の体型一個分ギリギリまで近付かせると前回りするように半回転し、鶴型に放つ!
「命中する音……二つい! ハヤブスい! 無茶すんない!」
「御免でえ! 格好付けたつもりが風に流されてれえ!」
「先に帰るし!」
「組長には二体倒した事を伝えてくれえ!」
 二名の距離は遠のく。けれども二名とも無事に帰還する--二体倒した代償に翼持刀一挺と物部刃二つを消費・または紛失する形で。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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