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一兆年の夜 第二十四話 二十四時間の脱出劇(八)


 午後四時零分三十秒。
 シカット達は大地の上に還ろうと登る。
「なあなっあ。俺かっら提案があるっけど」
「何だッツ? まさか俺様と同じ意見なら聞かんぞッツ!」
「シカットとマモリスってどっちっが強い?」
「そうだなッツ。マモリスは情報によると国家神武の特別隊に所属する軍者だッツ。故に俺様よりも遙かに上をゆくぞッツ!」
「それで百獣型相手っに勝てっるかな?」
「マモリスに聞けッツ!」
 ゴリ久はとある作戦を立案する。

 午後六時零分三秒。
 場所は廃鬼ヶ島西地区二番地。
 シカット達が外に出ると既に日は隠れ、月が目立ち始めた。
(銀河連合がいないッツ? いや居ない振りをしてるのかッツ?)
 シカットがそんな考えをしながら一番手に身体全体を臭気漂う島に晒すとすぐにそれらは現われた--生命を盾にして!
「わしもで……何ということじゃアア!」
「あ、れは僕達以外に捕まった者達っだ!」
「銀河連合を甘く見てたぞい!」
「奇襲でっはなく生命質なっんて!」
「ますます生き残るのが--」
「ここまで大変なこととはようぜえい!」
「許すまじ、銀河連合ぞう!」
 シカット達の前方に半径成人体型十以上ある鍋のようなものの中に十三名の捕われの生命が両手(または前両足)両足(または後ろ両足)を縛られたまま茹でられた。その周りには四十二もの銀河連合が待機しながらシカット達に向けて身振り手振り(または足振り)しながら伝える。
(あいつらは俺様達がこのまま何もしなかったら生命の命は保証しようって身振りをするのかッツ? このまま俺様達が死ねばあの生命達は助かるとか身振りするのかッツ? そうしたいのは山々だがッツ、俺様は銀河連合がどれほど約束を守らないかを知ってるッツ! 奴等は俺様達を死なせた後ッツ、あいつらの命まで食らうッツ! そうゆう事を平気でする連中だッツ! しかし目の前の命を前にするとどうしても--)
「ここは我があいつらの代わりに差し出されようかぞう?」
「何を腰砕けったことっを! 奴等っはどうせ約束を守っらんぞ!」
「だからって十三名を死なせられると思うかぞう!」
「心が痛むぞい! 僕だって自らを死なせてでも救いたいのにどい!」
 彼等の心を更に追い込む事態が起きる!
「助けてくれエエ! あぢいよおオオ!」
「死ぬのは良くナアイ! 死にたくナアイ!」
「はんぶ、バブブ!」
 茹でられた生命の叫び--八名の心を追い込むのに十分だ!
「ぎ、銀河連合がゆっくりボク達の方に近付くやわ!」
「食いに出るかぜえい! シカットさんぜえよう! どうするぜえい?」
「決まってるッツ! 俺様は七名を超える生命は救うとは依頼されてないッツ!」
「つまり死なせるのかぜえい! 反対だぞえい、そんなのえい!」
「だからって俺様達の命を差し出して救えるなんて甘い考えはやめろッツ!」
「くそおうえい!」
「シカットの若造よオオ! ここはわしに任せてくれんカカ?」
「何をするッツ?」
「それはなアア、わしだけが盾になりあいつらを救うのジャジャ!」
 イノ吉は自己犠牲をするかのような事を言い出す。
「死っぬ気っか、爺さん!」
「死にはせンン! わしは防御戦の達命じゃヤヤ!」
「いや説明にならっないよ!」
「あいつらが助かる見込みはなくとも盾になる気かッツ?」
「この場合はわしの助かる見込みが大変危ないじゃロロ?」
「まさか老いてる身だから早死にする気なやの?」
「早死にイイ? 最近の若造は何でも老年が死にたがり屋だと思い込んデデ! わしは生きる為に盾になるのじゃアア!」
 イノ吉は謀り無き特効を仕掛ける!
「イノ吉のじじいッツ! 死ぬのは絶対許さんッツ! 両手両足が取れてでも生きろッツ!」
「五体全て無事に生き抜くゾゾ、わしはなアア!」
「イノ吉の爺さあああんぜえい!」
 鍋のようなものの側にいる一体の狼型がイノ吉に向かって突進する!
「食われると思ったか若造ウウ!」
 イノ吉は狼型の牙を逸らすようにかすり傷で済ます!
「……行くぞッツ皆の者ッツ!」
「大丈夫なのっか? 爺さんっでは--」
「わしの事は心配するなアア! お前達とは後で合流すルル!」
「約束は守ってよの、あなたも最近の老年なんだしやな!」
「健闘を祈るぞう!」
「死んだら許さんぜえい!」
「イノ吉さっああん!」
「僕は信じますぞい! あなたなら神様に生かされると信じておい!」
 シカット達は第二西岸の方角に向けて走る--イノ吉を信じて!
「必ず助けに来るッツ!」
「ぐおオオ! 奇跡的じゃナナ。耳を掠るなんてエエ!」
 イノ吉は狼型の猛攻に徐々にではあるが劣勢になりつつある。
 一方、狼型以外の銀河連合から二十三体が七名を追う!

 午後七時一分二十二秒。
 場所は西地区三番地。高さ成人体型十以上ある巨大な岩石が『ふ』の字に並ぶ。
「そろそろかぜえい?」
「どうしたエリファウルッツ? 具合でも良くないのかッツ?」
 エリファウルは突然、二十三体の銀河連合の群れに突入!
「それは危険っだよ、エリファウルの兄ちゃん!」
「拙者を誰だと思うたかぜえい!」
 エリファウルは虎型と縞馬型の攻撃を変幻自在の動きで躱しながら巨大な岩石群に誘い出す!
「足斧を装着した拙者は強いぞうえ! 悔しいなら登ってみるんだなうえ!」
「エリファウルの坊やわ!」
「心配するなうえ! 拙者はイノ吉の爺さんに感化されたから足止めを務めるんじゃないぞうえ! 拙者の力がどこまで通用するかを確かめる為だぜえい!」
「それじゃあもしも死んだらどうするぞい?」
「死ぬかようえ! 拙者は……うわっとうえ! どうやら話は終りだぜえい! 後はよろしくな!うえ」
「わかったぞう! ただしこれだけは言えるぞう! 我より弱いということをなおう」
「生きるのだぞッツ! お前は俺様より若いが俺様以上に成れる素質があるから死なれては悔いが残るだけだッツ!」
「じゃあ頼んっだよ、エリファウル!」
「任せときぜえい! と言っても七体相手はさすがに苦しいぜえい!」
 エリファウルの動きに慣れたのか、徐々に距離が縮まってゆく!
 一方の残り十六体はシカット達を追いかける!

 午後七時三十分三十一秒。
 場所は西地区第二西岸。船は無い。
「当てが外れたわやね……ふわああ--」
「欠伸をしてる場合ですかおい! 銀河連合が来ましたぞい!」
「眠いやね。じゃあそろそろボクも働く時が来たやわ!」
 パタ音は熊型に狙いを絞って懐に入ると寝技を掛け、十秒も経たぬうちに首の骨を粉砕した!
「凄いっよ、この熊猫は!」
「と言っても残り十五体はきついやわよ!」
 パタ音は寝転がりながら食らうのを避ける!
「加勢するかッツ?」
「必要ないやわ! ボクはここで銀河連合の足止めするかやら!」
「雌の癖に一丁前のことをおう!」
「雌は関係ないでしょよ! ボクの綺麗な顔が変形したらどうするよの?」
「それもいいっかも! 俺は他種族だから変形しったパタ音の顔っを見て見たい--」
「グウウ! これで二体目やわ! 生きて帰る理由が出来たやわ! ゴリ久は罰として寝技の相手をして貰うやわ!」
「そりゃ良っくなかった!」
「まあまあ生きたいという願いは本物ですしどい、そこまでにしましょうぞい!」
「この! この! どんどん学習してきて逆に懸けられそうやわ!」
「それでも逆に掛けてみろッツ、パタ音ッツ! 生きてゴリ久相手に寝技を試したいなら死ぬんじゃないぞッツ、いいなッツ?」
「うわ! 死にそうやわ! でも死なないんだからああ!」
 パタ音は四体を相手に寝技が困難になってゆく!
 残り十体は引き続きシカット達を追いかける!
(南地区に懸けるかッツ? 船があるかは定かじゃないがッツ!)
 シカット達は第一南岸目指して足を進める!

 午後八時二分一秒。
 場所は南地区四番地。
「何なんだッツ、ここはッツ!」
 四番地跡は数百もの十文字の形をした墓石で埋め尽くされた!
「銀河連合にも死者を埋葬する心はあるのですぞい。良かったぞい」
「そうっかな? 良くない予感がっするけど」
「母依存症の雨山にしては勘が良いぞう!」
「見ろっよ! 墓石の下から何かが--」
 混合銀河連合が土を飛ばして這い出た! その中の獅子蛇型はゴリ久目掛けて口を全天周しながら突進!
 甘いぞう--という掛け声と共に獅子蛇型は成人体型十も吹っ飛ばされた!
「助かったっぞ、マモリス!」
「我を誰だと思ってるぞう!」
 銀河連合の追っ手八体は各方角からマモリスに攻撃を仕掛ける!
 八体、容易いぞう--と言う言葉を放つと自慢の鼻を一周させながら八体を成人体型五から八まで吹っ飛ばした!
「加勢しようかッツ?」
「我はここに留まるぞう! 戦いこそ我の生き甲斐だぞう!」
「病気を患ってるよおい!」
「マモリス! わかってっるな!」
「これもゴリ久ぞう、君の作戦通りにやらせるぞう」
「作戦どい? 何の--」
「話は後だッツ! 俺様達は岸に行くぞッツ!」
「置いていっいの?」
「本当に大丈夫じゃない時は叫んで下さあい! 僕達がマモリスさんを助けに--」
「一名加勢したところで変わるかぜおう! 足手まといを増やすだけだぞう!」
「力押しだがここはマモリスの強さに懸けようッツ! マモリスよッツ」
「フンヌウウ! 何だぞう?」
「油を断つなよッツ! でないと死ぬぞッツ!」
「我は神様に好かれてはおらんぞう! だから死にきれないぞう!」
「何か安心っでき--」
「行くっぞ! そこに船があることっを願って!」
「取りをお前が務めるなッツ!」
 マモリスは動きを読まれ、攻撃を受け流されつつありながらも依然として油を断たない。
「気持ちが良くなるほど戦いの申し子だぞう、我はぞう!」
 むしろ強くそして徐々に大きくなる--銀河連合が感じるマモルモリノス・アダルネスの存在感は!
 シカット達は第一南岸に船がある事を信じて突き進む!
 四名の背後に銀河連合の追っ手二名を抱えながら……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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