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一兆年の夜 第二十四話 二十四時間の脱出劇(七)

 午後零時三十分四十秒。
 場所は巨大船の標本。中は平面な板で出来たよくわからない物。均衡が定まらない椅子。周囲は何の目的があるのかわからない回転しそうな物。硝子で出来たお椀。様々な物をシカット達八名を驚愕させる。
「これはまさしく神様ジャジャ! 神様じゃからこそ不思議な魅力を感じるウウ!」
「神様っかあ。確かっに俺もその意っ見に賛成。生命が造るには何を手がっかりに造ったか分っからない以上神様だよ、こっれ!」
「それにしてもう、どうしてこれは銀河連合に見つからないのだろうやわ? 銀河連合ならこれを有効に--」
「神様を有効には使えないよい。動かし方がわからない上、どれくらい前に造られたか定かでない年まで放置してる以上銀河連合は使いたがらないよい」
「だといいっけど……」
「それは外れねぜおう。もう少しの理由があるはずぞう」
「もう少しの理由ぜえい? 何だぜえい? 言ってみろぜえい」
「年長者には最低限敬語を使うべきだよおう」
「もう一度言ってみ--」
「喧嘩は生きて脱出した後にしろッツ! 恐らくは偏屈学者であるルケラオス鯨族の吉良ホエ頭野助の仮設『世界観補正』による効力かッツ?」
「知ってるんだなぞう。ところで君の名前は--」
「それよりもマモルモリノスよッツ。お前はどこから来たッツ?」
「山羊族の少年にも言ったが--」
「俺様の名前はシカット・ムーシッツ。シカット・ムーシっていうんだッツ。俺達七名は武烈聖堂跡のとある隠し通路を経てここまで来たッツ!」
「君は他者に好かれない性格だなぞう。まあそんなことは後にするかぞう。我は鬼ヶ島の西地区にある民家のあった場所で偶然発見した通路を経てここに来たよおう。これでいいのぜう」
「二名とも好かれない性格だゾゾ!」
「爺さんもっだぞ!」
「あんたの場合は母依存症をどうにかしなさいやわ!」
「外見が美しい割に中身が美しくないパタ音の姐御も大概だぞえい!」
「要約すると俺達皆、他者っとの交流が上手っじゃない物同士ということっでいいな!」
「僕まで一緒にされると傷つくなあぞい」
 シカットは七名の救助者を改めて見回しながら--
(こんな連中で必ず生き残れるかッツ?)
 と心配した。
「えっとマモルモリノスさん?」
「何かぞう」
「この場所に通じる通路っは他にありっました?」
「二の時より前にここに来た我が言うぞう。二つだけぞう」
「そうなのかアア……」
「それでマモルモリノスが来た通路は険しいかッツ?」
「もう『マモリス』でいいぞう」
「ではマモリスッツ!」
「『ッツ』は余計ぞう!」
「通路は険しいかと聞いてるがッツ!」
「楽だよおう! ただしここに来るまでは我の足で六の時はかかったぞう」
「つまり早くって五の時。大丈夫っか?」
「や、やめっよう! どうせ銀河連合が待ち構えてるって!」
「弱気で行くなアア! 気合で何とかするべきじゃロロ!」
「ボクの寝技は一対一でしか発揮しないやわ」
「拙者一名だけなら逃げ切れるがぜえい」
「僕の力では良くて五体しか倒せずに朽ち果てそうだぞい」
「だが立ち止まる理由になるかッツ! 俺様は俺様も含めてお前ら七名を必ず生きて鬼ヶ島から脱出する事を依頼されたッツ! ここでそんな依頼を守れないようでは傭兵を名乗るのも無理な話ッツ! だから俺様は無理矢理でもその道を進むぞッツ! そこに百獣型が俺様達の百より倍は居たとしてもだッツ!」
 シカットはそう宣言すると相変わらず勝手気ままに船の外に出ると先ほどの道とは反対方向にある通り道に進む!
「コラアア! わしらを置いて一名だけ進むなど傭兵のすることカカ!」
「あの雄は好きじゃないやわ! 例え同種族であってもやわ!」
「全くえっと、シカットのお兄さんっはパパみたいに勝手気ままで困る!」
「我より強そうにない君が言ったところで命を大事にしないのと同じだぞう!」
「とか何とか言って本当はシカットとか言う傷物の鹿野郎っは俺達が後っを追うのをわかってて動いてるんだぜ!」
「それでも僕はシカットさんの後に続きますぞい!」
「全くお前らと来たらッツ……」
 八名は今揃い、ここから脱出劇が始まる! いつ命が尽きるともわからない--
(七名の一名の命は大変軽く想念の海に旅立ち易いッツ! それでも俺様は俺様を含む全員を生きて鬼ヶ島から脱出するッツ! それは全生命体の希望の第一歩と成るのだからなッツ!)
 果てしない一歩を踏み出す!
 その時午後一時零分零秒……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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