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一兆年の夜 第二十四話 二十四時間の脱出劇(六)

 午前十時二分七秒。
 場所は不明。台所のような場所で七名は気味の良くない光景を眺める。
「秋刀魚族や鮭族はみんな炙っられたまま銀河連合に食っべられる。俺の場合は多分身体を分っけられて目ん玉を取り出っされて--」
「気味の良っくないことだよ! 僕もそんな風にっされるよ!」
「拙者の場合は家を毟り取られえい、身体を分けられえい、そんで肉は美味しく銀河連合の胃の中で消化されてゆくなれい」
「魚の種族には他にも外に出されてぞい、お日様の光を浴びさせられた後食われる者もいるぞい」
「やめろッツ! 銀河連合の食に関する話は俺様達の気分を良くしないッツ。俺様は後一名救助しなくてはならないッツ」
「後一名の救助オオ? 若造よオオ、わしが見たところこの聖堂にはもういないと思うゾゾ。今頃は銀河連合に鍋で蒸し焼きにされてるかも知れないってのニニ」
「恐いこと言わないよの。恐怖でお肌の張りが良くなかったらどうするよの?」
「腰を砕かすのはこのくらいにしようッツ。俺様は何としても後一名探さないと任務を果たせないッツ」
「傭兵という仕事は厳しいのオオ」
 シカットが部屋に抜け道がないかを調べていた。彼の行動に六名もまた部屋全体をくまなく探す。
(とはいえこの匂いはいつまで経っても慣れんッツ。それにここへ上陸して多分十一の時が経つのか? もう船はあいつらに壊されたかッツ? 或いは勝手に使われるかッツ? いずれにしたって後戻りは出来ないッツ。残り一名を救助したら本番だッツ! 鬼ヶ島をどうやって脱出するかをなッツ)
「にしても無いっな。抜け道っはこの部屋にっないよ」
「部屋を出るしかないのかあい? 僕は恐くて無理だよおい」
「百獣型が現われったら僕達は……ママアアア!」
「また母親の名前をよ! ボクだってお母さんは心配よの」
「わしはもう両親は想念の海に旅立った後オオ。最近の若造は親離れできないかノノ?」
「爺さんは俺達を腰砕けに見ないでもっらおうか! 俺だってこうみ……この引き出しを開けてみっると中に何かあるっぞ!」
 ゴリ久は流し台の下にある成人体型二までの体型なら入る引き出しを開けて何かを発見。
「何かわかったのおい? どんな……何これい?」
「でかしたぞゴリ久ッツ! 恐らくこれはかつて鬼族が台所に作った隠れ場所ッツ。俺様ならそう考えるッツ」
「こじつけでしょに? どうせ数十の年で銀河連合に--」
「わしは年長者ゆえ先に入るぞオオ」
「オイッツ、早まるなッツ!」
 シカットの注意は一足遅かった--イノ吉は堂々と隠し通路に入る。それに続くように雨山以外の四名も後を追う。
「あのお祖父さんは勇気があっるんだよ! だって父親の心を持っつから--」
「知らんッツ! 親とか子は関係ないぞッツ。勇気という者は生命次第だッツ。誰だってすぐに勇敢でいられないッツ。イノ吉の爺さんはただ俺様達若造よりも先に行かせない想いがあるこそ踏み出せるッツ。それは簡単じゃない行動さッツ」
 そう言ってシカットは中に入ろうとする。
「雨山ッツ。先に入れッツ!」
「え? でも--」
「ママはここにはいないッツ! 会いたきゃ指示に従えッツ!」
「ひいっいい!」
 雨山は飛び跳ねるように中に入った!
(じゃあ行こうかッツ! ここに七名目が居るかどうかだなッツ。必ずいるッツ! 俺様は傭兵としても使命としても信じる心だけは大切にするぞッツ!)
 シカットは確信を持って中へと入ってゆく。

 午前十一時五十七分八秒。
 道は細く、中は暗く前も後ろも見えない。銀河連合が突然襲いかかる恐怖を抱きながらも七名は深淵を下ってゆく。
(前にいるのは臆病者である雨山だなッツ。恐いなッツ。いくら戦場をくぐり抜けても恐怖は克服できないッツ。俺様がこうして恐怖を抱き続けられるのも一重に恐怖が俺様に信号を出し続けるお陰かもなッツ。学者じゃない俺様がこんなこと考えても仁徳島で通用するとは思えないなッツ)
 それでも七名は哲学的な事を思考して恐怖を和らげようと必死だ。
「どこまで続っく?」
「それボクも思ったやわ。お肌に良くないわ。土の中は」
「ただわかるのはここは空気がよおい」
「え? そうなのかうえ?」
「言われてみれば空気が快っい。何だかママの温もりを感っじる」
「若い頃を思い出すノノ。けどこんなことも考えたくなるのウウ」
「どんな事おい?」
「空気が良いと見せかけて銀河連合が襲いかかるという良くない事ヲヲ。わしも若造共を腰砕けに思えなくなってくるのウウ」
「そりゃあ互い様っさ! 俺達若造もまった未熟者だってことの証じゃない?」
「未熟者かッツ。それは俺様も入るのかッツ?」
「ったく好かない雄だぜえい。入らなきゃ困るぜえい!」
「全くッツ……」
「ンン? 何だか光が差し込んできたのウウ」
 七名は光の先を進むとそこには成人体型およそ縦が八十一、横が九、高さが三十六もある巨大な船が目の前に現われた。
「こ、これは何だッツ!」
 七名はあまりにも巨大な船が地下深くで造られた事を知り、驚愕した!
(こんな船は一体いつの時代に造られたッツ? 秘境神武の者が隠れて造ったッツ? 鬼ヶ島の鬼族が隠れて造ったッツ? いやそのどれもが外れかも知れないッツ! この船は全身が鉄であちこちにある光を出しそうな物はとても今の時代では造れないッツ! まさか神様ッツ! どうなんだッツ?)
「驚いたぞう? いやはやここに来る生命は我だけじゃなかったんだねぜおう」
 看板に乗っていたのは齢三十三にして七の月と八日目になるルケラオス象族の中年。
「その緑の入った鼻はまさかルケラオス象族の--」
「我はマモルモリノス・アダルネスぞう。宜しくぞう」
 シカットは最後も救助した。名前はマモルモリノス・アダルネス。シカットを含める八名で最も強い者だ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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