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一兆年の夜 第二十四話 二十四時間の脱出劇(五)

(四体の百獣型ッツ? まだ入ってくる可能性も視野に入れるッツ。俺様は傭兵だッツ。いかなる可能性だって身体で受けてきたッツ! 多くの仲間を死なせたッツ。額の傷はその証だッツ。さあどう出ようッツ)
 シカットら六名は部屋に入ってきた四体の百獣型から逃げる方法を模索する。
「傷物の鹿野郎。提案があっるよ」
「何だッツ? 言ってみろゴリ久ッツ!」
「部屋全体を眺っめて俺はあることに気付いった。それはこの部屋っが迷路に成ってるというっことに」
 それを聞いてシカットとイノ吉以外の三名は座りながら部屋全体を見渡す。
「そうなのおい?」
「ママアア!」
「『ママ、ママ』五月蠅いやわ! 近付いてきたらどうするよの?」
「確かに迷路じゃがアア、それがどうしタタ?」
「僕の提案ではここは二手に別れっましょう」
「ほうッツ、つまり誰かが百獣型を引き付けてッツ、一方は部屋から出るのだなッツ?」
「正解。んで引き付け役っはさっきから五月蠅い兎族の子供っで決まりだっね」
「えええ! 良くないっよおオオ!」
「黙らんかアア! お前みたいな若造は何度でも痛い目に遭う方がいいのじゃヤヤ! わしが若い頃なんか--」
「お祖父さんの若い頃は後で聞きますぞい。兎族の少年だけじゃ安心できないのでここは--」
「もう一名引き付け役が必要だッツ。ここは自分も加わろうッツ。お前らと異なり覚悟は据わる方だッツ!」
「何か好きじゃないやわ、あなたはの」
「美雌に好かれないとは俺様はどこまでも神様に申しわけがつかないのやらッツ。腰砕けはこのくらいにしていつ出るッツ?」
「ちょっと待って? 後十の秒くらいっでイイ?」
 は無言で応答した--母依存症の少年を除いて。
 それから十の秒が経つとシカットは前右足で雨山の尻を蹴飛ばす--雨山は四体の銀河連合の正面まで飛ばされた!
「あ、あのお? はろーないすとっるみー? えっと--」
 雨山は少々頭が回らなかった。百獣型は訛りなのかどうかわからない言葉を聞かれ歯の軋む音を立てながら解読作業に入る。
 その間にシカット以外の四名は百獣型の視界に入らないように平行四辺形を斜めに半分切った部分の上部を進むように逃げた。
「ぼんじょっるびー? えっと今度っは--」
 四体の百獣型は一斉に攻撃を開始--解読するだけ意味を為さないと理解した模様。
「わあああ!」
 雨山は兎族特有の瞬発力で攻撃が当たる前に後方に逃げた!
「奥に進んでどうするッツ! それじゃあ--」
「ママアア! 助っけてエエエ!」
 雨山は台形を半分に切った上半分を周回する形で逃げるが--
「わああ! えっと僕っは絶体絶命?」
 左右に二体ずつ配置する事で雨山を取り囲む。
「オイ銀河連合ッツ! 俺様を食らう方が数倍美味しいぞッツ! こっちだッツ!」
 シカットは右側に二体を引き付けようとするものの--
「一体しか追ってこないッツ! その一体でも俺様じゃ勝てないッツ!」
 シカットは部屋を脱出しないように追ってくる百獣型から逃げる。
 一方の雨山は--
「ああ、僕の人生はここっで終わっるの?」
 雨山の心に走馬燈が浮かび上がる。その時だった--
「人生に終りが来るのが早すぎるぜえい!」
 齢十九にして八の月と七日目になる武内山羊族の少年が左側から壁伝いで雨山の背後に着地すると--
「襟首を掴んで何--」
「ひゃわひゃわ--」
 百獣型は少年二名を上中下による攻撃を仕掛ける!
 だが山羊族の青年は変幻自在の動きで三体からの攻撃を避けるとそのまま右側の壁伝いで逃走!
「すげええ!」
 雨山は山羊族の少年の背中に乗った。
「あれが君の大将かうえ?」
「好っかない雄だけど」
「あの螺旋を描く角は武内山羊族ッツ! ならばお前は--」
「自己紹介しましょうぜえい! 拙者の名前はエリファウルぜえい。武内山羊族の誇り高き雄だぜえい!」
「俺様の自己紹介は後にするぞッツ!」
 エリファウルはふくれっ面になった。
「確かに好かない雄だぜえい!」
 迷路を駆使する事で三名は部屋を脱出。
 三の時より後、台所のような場所で先に逃げた四名との合流を果たす。
 シカットは六名目を救出。名前はエリファウル。武内族ゆえ名字はない。高所や壁のある場所で変幻自在の動きを駆使する者だ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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