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一兆年の夜 第二十四話 二十四時間の脱出劇(三)

 雨山は骨から骨へと飛び移りながら兎型の攻撃を避けてゆく!
「ママー! 助けってエエ!」
「ママさんはいないが俺様が助けてやるッツ!」
 中央にいる兎型の正面に近付くとそのまま前左足で額に当てる--足斧が刺さった中央の兎型は血を勢いよく噴いて、そのまま痙攣する。
「すっげえ!」
「何ボケッとしてるかッツ! 俺様は足斧なんだ--」
「危ないぞ鹿族の若造ウウ!」
 左方にいる兎型が足斧が刺さって動けないシカットに襲いかかる。
 だが、顔を覆うように鍋のようなものを両角に引っかけたイノ吉が防御する事で防ぐ!
「とれたッツ!」
「こ、この間っに逃げ……うわあああ!」
 雨山の背後に右方に配置されたはずの兎型が口を頭よりも大きく開いて食らおうとした!
「あれ? 助っかったの?」
 兎型は開いたまま口から血を垂れ流すように絶命。全体を見渡すと左首筋に足斧が突き刺さる。
「間に合ったッツ! もうあの足斧は使い物にならないから投げてやったぜッツ!」
「ありがっとう傷物さん!」
 シカットは無視する--そのままイノ吉を救うべく右前足に取り付けた足斧を最後の兎型目掛けて投げた!
「外したぞッツ、我が儘小僧のせいでッツ!」
「僕のっせいじゃないもんね!」
「それよりわしを助けんかイイ、二名とモモ!」
 兎型は鍋のようなものを食らった--イノ吉は一か八かの角による突進を敢行!
「死なばもろともオオ!」
 兎型の両の肺に刺さり、そのまま息絶えた。
「まだ生きとルル! わしはどこまで穢れるかアア!」
「あ、ありがっとう。そ、それじゃ……わわ!」
 逃げようとする雨山の襟首を掴むと自身の角に引っかけるように投げた!
「逃げるなッツ、雨山の小僧ッツ!」
「絡まって取れっない! 図ったな!」
「俺様はお前みたいなのでも救助に入れてるんだッツ! さっさと次に行くぞッツ!」
「だ、誰も傷持っちの……うわあわ!」
 シカットは雨山を抱えたまま全速力で武烈聖堂の成れの果てに向かった!
「わしを置いていくなアア、二名ともオオ!」
 二名目を救出。名前は珍雨山。瞬発力による機動力及び旋回能力に長けた者だ。

 午後二時五十分。
 場所は廃武烈聖堂前。
「……というわけじゃよオオ。つまりあいつらにとって--」
「何の話をしってる?」
「声が少し大きいッツ! 聞こえたら一斉に--」
 三名は成人体型が縦五、横三、高さ十ある巨大な岩に隠れながら武烈聖堂への侵入の機を狙う。
(早く入りたいッツ! けど中には大量の銀河連合がいるッツ! 俺様でも勝てない百獣型や指揮官型がいれば一巻の終りだッツ! どうするッツ?)
「聞いとるかアア、鹿族の若造ウウ!」
「声を静かにし--」
「さっきの話の続きを何回言えばいいかわかるカカ?」
「じゃあ言えッツ! 話だけなら聞くッツ」
「実はなアア、奴等はさっきまでわしが持っとった鍋みたいなもので生命や同族の肉を茹でるんだよオオ!」
「それでッツ?」
「大豆を発酵したものを鍋に降りかけたと思ったララ、蓋を閉めて熱するんじゃアア!」
「理解でっきないよね、それ」
「話をするだけで吐きそうダダ!」
「どこまで熱するッツ?」
「肉の色が赤から白になるまでじゃヤヤ。そしたらアア、あいつらは箸で肉をつまんで口に入れてゆくんじゃヤヤ」
「うーんッツ、現物を見ないとそれがどうかは理解しかねるがッツ、とりあえずこの間隔だなッツ」
 シカットは右回りに角を回すとそのまま武烈聖堂に突入した!
「待たんかアア! そこには--」
「まだうようよいっそうだよ!」
 二名もまた武烈聖堂に突っ込む!
 扉を開けようと成人体型二まで近付くと突然、左右が外側に向けるように開く!
 中から齢二十二にして五の月と四日目になる大陸藤原犀族の青年が飛び出す!
「開いたぞい! 誰だぞい?」
「そっちの台詞だッツ! 中には……いるじゃないかッツ!」
「もう追いついたぞい!」
 背後に四体の銀河連合が追尾する!
「二名ともッツ、足斧はちゃんと着けたかッツ?」
「僕は両前足で掴んっでる」
「わしは前右足に着けたガガ」
「ねえ僕はあい?」
「思い出したッツ! お前は藤原サイ造だなッツ?」
「そうだけどい。ってそんなことよ……言ってる場合じゃないよおい!」
「背後に隠れろサイ造ッツ! 何とかして俺様達で倒してみせるッツ!」
 サイ造は言われるがままに三名の背後に逃げた!
(牛型、羊型、鰐型に山椒魚型ッツ。これらなら俺様と二名の足で倒せるなッツ!)
 その通りに三名はかすり傷をもらうだけで一回の攻撃で四体を倒した。
 その間、実に十の分。
「ありがとうい。お陰で助かったい」
「僕って強いっかな?」
「強いかどうかは時と場合で変わるッツ! 今はお喋りの時間じゃないッツ! 中に入るぞッツ!」
「また早とちりするウウ! そんなに救助する者は偉いんかノノ!」
「せっかちでないと務まらないかなあい?」
 シカットは三名目を救出。名前は藤原サイ造。最初こそ弱々しいが時を経るにつれ徐々に実力を発揮。持久戦に強い者だ。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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