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一兆年の夜 第二十三話 人生貸借対照表(二)

「あれ、は?」
 メエガンは十の生命に囲まれた銀河連合を凝視する。
(指揮官型? いやはや異なるのう。まルーで貸借対照表のような銀河連合じゃのう!)
 成人体型一とコンマ四に満たないものの体型は人型だが右と左で大きく異なる部分があった。この銀河連合は右の背中から鳥の翼を連想させる白いものを生やす。一方の左からは蝙蝠族の翼を連想させる黒いものを生やす。メエガン曰く貸借対照表のような銀河連合であった。
「その白黒似告ぐ! 大人しく拠点型やら鬼ヶ島やら似戻るのだ!
 さもなくばこの金棒出死なせますぞ!」
 齢三十六にして二の月と十四日目になる仁徳人族のコノハナノイサワノキミは右手に持つ金棒を突き出して警告した。
 白黒型の答えは当然イサワノキミと反対方向に立つ齢四十二にして九日目になる仁徳蟷螂族のタケナカノマルタビコに黒い翼で攻撃する!
「いでええス! ワシが老年だから攻撃したなあス!」
 頬に掠っただけで済んだマルタビコは両刃を構えたまま白黒型との距離を開けようと後ろに下がるが白黒型はマルタビコよりも早く距離を詰めてゆく!
(あ、あれじゃあ雌卵社会研究のタケナカノが食われルー!
 ! いでえ、激痛腰が響く!)
 メエガンは正座の構えをしながら持病の激痛腰で動けずにいる。
 一方のマルタビコはとうとう懐まで入られ白黒型の大きな口に飲まれようとした!
(ああ、やられ……なかったのか?)
 白黒型はマルタビコに集中しすぎたせいなのか背後にいたイサワノキミとその他八名によって雁字搦めにされた!
「助かったス!」
「さあ後端どうする乃、イサワノキミさん?」
「決まってる! 俺牙白黒型斗一対一出戦う!」
「イサワノキミさん、また決闘でっかう!」
「離して模何尾する科わからない! 科斗言って縛ったまま痛めたり死なせたりする乃端神様似申しわけ牙つかない!」
「ンァだから正面切って穢れるのですね!」
 雁字搦めにした者達はイサワノキミが白黒型の正面まで移動し終えると隙を突いて食べられないように離したと同時に成人体型六まで飛び離れた!
「いざ尋常似勝負!」
(始まルー、イデデ。コノハナノはもう衰えが見え始めた中年、キクウウ。勝てルーかの?)
 勝負は一瞬で決まる--白黒型の頭は金棒で中央部分が口元まで歪む!
「グオオオオ!」
 一方のイサワノキミは黒い翼で左肘部分にかけて切断された!
「ァァイサワノキミさああん!」
 白黒型は既に絶命した。けれどもイサワノキミは切断した部分が深刻だった。手当をするべく十名は彼の元に集う!
(わしは何の為に来たのか、イデデ。どこまでも役立たんのう)
 イサワノキミは傷口を塞ぐものの容態が深刻なのか武内蛇族にして医学研究者のスネッグムのいる北仁徳町に運ばれてゆく!
(どうか死なないようにイー! イデデ、わしよりも若いコノハナノが死なれたら困ルー。
 どうか死なないーいでくれー!)
 腰に届かないとは言え前左足で痛みを和らげようとしながらメエガンはイサワノキミを連れて北仁徳町に向かった一行を見届ける。
(銀河連合の死体はどうすルーのじゃ? まさかわしにするのか?
 この腰でやるのは苦労するぞいー)
 そう思いながらメエガンは無理をせず銀河連合の死体を弔ってゆく。
 弔いながらも自分と銀河連合の死体。双方の影を見つめる。
(光あるところに影有りいー。影あるところに光が差し込む。世は正に貸借対照表じゃの)
 弔いを終えたメエガンは仁徳会館に戻った。
 時は午後一時二分五十七秒。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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