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一兆年の夜 第二十三話 人生貸借対照表

 ICイマジナリーセンチュリー八十年七月一日午前十時零分零秒。

 場所は仁徳島仁徳本町中央地区仁徳会館多目的研究報告会議室。立方体にして
成人体型四千。出入り口は六つ。左右に三つずつ。均等な長さだ。
 机はなく椅子が百以上あるが、会議に参加する者が多すぎる為、まだに足りない。
 今日の会議の目的は多種に及び、それぞれの分野で混沌とした状態で交わ
される。会議開始は午前九時から。点呼をしたのは齢二十にして一の月と二十七日
目になる仁徳人族の青年だ。
「--となると神々の合計八百辺りから太陽暦を四の倍と閏日を足される計算を
やめられ太陰暦を十九の倍と閏月を七の倍を足される計算に移行されるならば宇宙
の全てに追えられようと自分は考えておろう」
「それも考えたがそれでも年月が経ちすぎっとまた宇宙は暦の速さを上回る速度で
膨張しっぞ! どうすっだ?」
「そこは新たに加わっしバルケミン暦で補完しっとどうっでえ?」
「ウラメシ・バルケミンの暦は太陽暦と太陰暦とはまた異なるズレがあるぞう!
 閏の日や月を何回も入れっきゃ季節の移っ目がわからう!」
「ところでわしの考案した貸借対照宇宙論には誰も反応しないいーのかな?」
 齢四十五にして八の月と八日目になるアデス羊族の円形脱毛した老年は持論を
出すものの--
「お金の分野ならいざ知らず宇宙論で貸借対照表を持ち出しても定着には百の年は
覚悟しとくべきですよ、博士」
「わしはもう四十五じゃよ。いつぽっくり逝くかわからないーいよ」
「第一信じられますか? 宇宙は我々生命体と銀河連合のように表裏一体で構成
されるなんて論は?」
「もう四十五じゃぞ! このメエガン・メヒスイトは命を懸けて宇宙にもお金と同じいー
く天秤作用があることを証明しようとしとルーのに!」
「ところでただものとは何者なのぶ? わしはただものを二十の年まで研究しぶが
生体から何から何まで謎が多すぎぶぞ! 星なのぶ生命なのぶそれとも銀河連合
なのぶ--」
「おかもとはああ何故ええおかもとしいいとるうう? 癌んの研究ををを始めた者
なああらわかああるだろおおう? あれは薬とし--」
「生命は何故笑うかとか言われにゅとそこに行き着くまでにょ効用と気力、その絶妙
にゃ間隔が笑いに繋がるにょか? それともそれを外すことで爆発は起きず--」
「交尾が不思議トオ思われるのはこれ哺乳類ダアケかもしれんけど最初に雌が
痛むんダアけど自然と脳の神経は楽しむ信号を送るヨオうになって--」
(はあ、会議にならないいー会議においてわしの主張は中々通せないいーのう。
 混沌とした会議では主役はICだ。宇宙の膨張に追いつく暦をどうすルーかで一杯
か?
 それならわしの貸借対照宇宙論だって--)
 メエガンの悔しさを吹き飛ばすように右後ろの出入り口から齢三十にして二十日目
になる仁徳鬼族の熟女が扉を叩き壊して現われた!
「銀河連合牙来た! 至急応援尾!」
「鈴村きね子! 扉を壊すな! 修理が大変なんだぞ!」
「応援似来ない斗仁徳島牙食われるよ! 早く応えて!」
「今は会議中だ! つーか俺は戦いたくない!」
「弱音尾吐く斗殴るよ!」
「しゃあないーのう、わしが出よう」
「博士! いくら年とはいえようとあなたでは足手まといになりましょう!
 ここはこの沖田スラス太にお任せを!」
「君は黙ってICについての議論に入っていーなさい!
 まだ二十七にしいーて五日目なんじゃろう?」
「そ、それは--」
「何してっだ、スラス太! ササーキー暦を新たに作るといっし事について今から
説明しっじゃないのか?」
「そ、それにつかれては、え、えっと--」
「スラス太君。君はここで話しいー合いでもしなさいーい!
 若い命はこれから先の生命体の礎なんじゃよ!
 大丈夫よ! わしはこう見えて壁役は務まるぞいーい!」
「よ、よろしいのでしょうか?」
「何しっと! 早く--」
「……おわかりになられました!
 では自分は議論に入りましょう」
 沖田スラス太はそのまま説明を再開する。
(若い命を散らすものではないー。特にわしらのような知識屋共はのう)
「それでは行って下さい! ですが死ぬことは許しません!」
「わかっとるよ」
「話端付いたのね。行きましょう、博士!」
 メエガン・メヒスイトは老体に鞭打ちながら館の表出入り口に出る。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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