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一兆年の夜 第二十二話 二つの星 覚醒篇(五)

 七月十五日午前六時零分零秒。
「ふああああ」
 天同参花は十五の年になった。
「おはようございますだ、参花様だ!」
「おはよう、アラウン」
 参花は元気一杯だ。
(では、ゆくぞ!)

 午前九時零分零秒。
 全ての仮設民家は畳まれた!
「お腹の虫は鳴ってないか!」
 参花は十九名全員の満腹状態を確認。
「……よし!
 ではこれよりボルティーニ団はユキ・ライダルの救助に向かう!」
「「「「「「オオオオオ!」」」」」」
 周囲成人体型十以上響く雄叫びを上げながら一行は征く!
(僕は僕の赴くままに進むんだ!
 例え僕の命が果ててもユキを救わなければならない!
 無事でいろ、ユキ!)
 ユキという星を救うべく天同参花は一日という短い時間で自らの命の炎を燃やし、星へと輝かせる!

 午後一時零分零秒。
 南から北にかけて風が強く吹く不安定な天気。
「あれえ、があ、国家神武うなのかあ?」
 二十名は国家神武の成れの果てに驚愕した--まるで生き物のように蠢く!
(恐いのはわかってる! 銀河連合は僕達の鏡!
 いつだって銀河連合は僕達の出来ないことを平然と行う鏡越しの存在!
 エリオットさん! もうすぐあなたの側に往く僕をどうかお叱りを!)
 参花は両眼を静かに閉じる。十の分経っても開けない。
「坊主! 大きすぎる銀河連合から数十が出てきたぞ!」
「中にーは……え?」
 参花以外の団員はその姿に恐怖を感じた!
「あ、あれは、何?」
「僕だって聞きたいね! あね、あね、あれは正にね、正に--」
「イズモノキミ? 何故イズモノキミがこっかに--」
「よすんだ、スワンダ!」
 参花はスワンダが見るに堪えない惨状になっても眼を閉じる。
(ごめん、スワンダ! 僕はまだ一兆年の神々の意志を聞けないんだ!
 お叱りは僕の命に代えても引き受けるから!)
「参花様だ! いつお指示を為さるのですかだ!」
 それでも参花は眼を閉じる!
(僕は未だに覚悟を決めない!
 そんな雄が仙者を務まれるか! どうか神々よ!
 あなた方の考えを僕にお聞かせ下さい!)
「こいつうううう!」
「さすがはイズモノキミ殿を真似た銀河連合! 剥き出さずにワシらとやり合おうんとは!」
「感心できる相手? あたいが相手してるのはリアクターに似た銀河連合!
 なんて棒捌きなの! どうしたらリアクターの動きを真似れるわけ?」
「スワンダの仇! 坊主が今、神々の意志を聞いてるんだ!
 ここをやらせるか!」
「うおおおおお! 真島ギャレイ土をお嘗めるうなああ!」
(みんなが戦ってるんだ! 何とか言って下さい!
 このままではみんなの為にもなりません! どうかどうかどうか……)
 その時だった--参花が見た光景は黒と灰の色から、赤く青い色、やがては想像の海である桃を超えた色に変化。そこから映し出された光景は水色が必死に赤く細い何かから逃げてゆく様子を描き、青く白い何かがそこで黒く赤い色の無数もある枝のような何かと戦い、そして--
(……これが結末? だったら、僕は神々の意志通り命を運ぶ!)
 参花は眼を力一杯開けた!
「これは……イズモノキミさんにジンバルさん! それにピネラさんや他の団員までも!」
 銀河連合は死んだ団員の姿を真似て今を生きる団員達を襲う!
(どこまで僕達を弄べば気が済む!
 だからってここで怒りに任せられるか!
 僕は……)
「僕はそれでもユキを救うんだああ!」
 参花は叫び声を上げると、国家神武に向かって進む!
「参花様だ!」
「ようやあく決意しいたのでえすね!」
「今の声はきっと狭間は喜んでるわ、落ち込みながら!」
「遅いでーすよ、参花ー様!」
「スワンダが死んだ後に決めるな、坊主!」
「参花様は覚醒成されたのね!」
「ワシらが参花様を援護するん! どうかワシらに指示を!」
「生き残ってる団員に告ぐ!
 一名で戦うな! 銀河連合一体と戦うなら二名以上で戦うんだ!
 出ないと死んでしまう!
 いいか、二名以上で銀河連合一体と戦え!
 いいな!」
「「「「「「オオオオオオオオオオ!」」」」」」
 十二名となった団員達は指示通り二対一で戦い始めた!
「一対一は僕がやらせてもらう!」
 参花の動きは徐々に加速してゆく!
「来たか!」
 六対から成る百足人型の銀河連合が地中より参花を食らおうと出てきた!
「斬りたいが、これらは姉さん達を死なせた獅子型との戦いに備えて温存する!」
 そう言いながら参花は百足人型の攻撃を避けると同時に二対目の頭上を左足で蹴り、その勢いで拠点型より成人体型十まで接近!
「イデエ! 無理はしないと書いてあるのに!」
 そう言いながら足を止めず更に加速!
「参花様だ! 我が国家神武の中まで担いで征きますだ!」
 勝手に参花の両肩を掴んだアラウンは向い風に乗って拠点型より成人体型三まで近付く!
「あれは鳥系の銀河連合達!」
 その数は三十以上!
「ここまで、のようです、ねだ!」
 力を使い果たしたのか足を離した!
「ここから先は--」
 参花は拠点型の周りにある血管に両の腕で掴むと勢いのまま登ってゆく!
「参花様だ! どうかご無事でええ--」
 アラウンは三十三もの銀河連合の群れに入ってゆく!
(アラウンも無事で!)
 参花が掴んだ血管は上下左右に揺らしながら参花を振り落とそうとする!
「うあああああ! 離して、なああるかああ!」
 参花は勢いに乗って誓うにある別の血管に飛び移る!
(今だけだ。今だけ僕は強くなる!
 ユキを助ける為なら僕は今だけ強くなってみせる!)
 血管から血管に飛び移りながら参花は拠点型の中に通じる穴を発見!
(あれなのか? もしかしたら中に入って縮むんじゃないのかな?)
 参花は銀河連合の中に入ると身体が縮む話を知っていた。
 それでも--
「それでもユキを助けるのならいつだって縮んでやるさ!」
 参花はその穴に飛び移る!
(暗い! 恐い!
 でも……『虎穴にいらずんば虎児を得ず』だ!
 ユキを救う為なら僕は銀河連合の恐ろしい体内にだって入るんだ!)
 真っ暗闇に落ちてゆく……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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