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一兆年の夜 第三話 あたいは生きる(五)

 何なの? 何なの? 何なんなの? 理解不明。
「理解しようとするな! この感情は理知的であればあるほど自らを見失う!」
 理解出来ないけど、ユーリディスの言葉のお陰で--ってな、なになになに?
「こっちに来い! 玄関はがら空きだ!」
「腕を引っ張らないでよお! 痛いんだからあ!」
 来いと言ってるけど、無理矢理来られた感じね!
 そのお陰で何とかあんなモノから逃げ--きれてない!
 上から来るなんて聞いてないよ! あれは大きな口を開けてあたいを飲み--
「実兎を死なせてたまるかああ!」
 ユーリディスはあれを右手の甲で殴った!
「吹き飛んだわ! で、でも大丈夫? ユーリ--」
「やってしまった……自分は生まれて初めて力を相手に振るってしまった」
 ユーリディスが辛いのは見られない。目を背けたい。
 そうか、ユーリディスも同じなんだね。あたいと。
「ユーリディス……今度はあたいが無理矢理引っ張るよ!」
 あたいはユーリディスに助けられたように今度はあたいが--えっ!
「ど、どうし--」
 アレの口からもう逃げ--いたっ!
 あたいはまたユーリディスに吹き飛ばされた! 今度は反対の方角にね。
「があああああああ!」
「ユ、ユーリディイイイイス! 左腕が、左腕が」
 無くなって、付け根から大量の赤い物が吹き出したわ!
「左の感覚が、ぐうううう!」
 ユーリディスの気持ち程じゃなくても見てるあたいの心に痛くのしかかったわ!
 このままじゃユーリディスがあんな物に食べられてしまう! 助けな--
「来るなあああ、言ったはずだ実兎! お前は生きろと!」
 あたいに叫んだユーリディスは右手の甲で強く殴--
 いや、それより先にあれはユーリディスの右手を食べた!
「があああああ! やっぱりこいつは自分達と同じく学習している!」
「ユーリディスウウウ! 今からあたいが--」
「来るなと言ってる! お前は生きろ! 犠牲になった自分達の分までえええ!」
 ユーリディスはアレの口から何とか避けられた! でもあの体じゃもう--
「何をしている実兎! ここでお前が死んだら羽通之が悲しむだろ! 羽通都だけじゃない! 万物の神々や死んでいった両親、先祖、それに智や史乃や子音だって悲しむ! もちろん自分も含めてだ! 自分は父を守れなかった! だが、今度こそ守らなければならないんだあああ!」
 ユーリディスは手を失った右腕であれに--でも間に合わなかった。ユーリディスは頭を……
「ユーリディイイイイイイス!」


 食べられてしまった

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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