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一兆年の夜 第二十二話 二つの星 覚醒篇(二)

 午前八時二分四十四秒。
 場所は廃マンドロス町中央地区開化聖堂付近。十九の仮設民家が円を描くように配置。
 天同参花は中央に立つ。
「これより我々二十名はユキ・ライダルを奪還すべく国家神武に向かう!」
 ユキは国家神武跡にいる--参花の宣言に異を唱える者はいた。
「国家神武だと! 参花の坊主!
 あの場所は危険過ぎるぞ!」
 齢十七にして三の月と五日目になる武内人族の少年は逆立てた黒髪を力強く伸ばしながら進言した!
「危険なのは僕だってわかるよ!
 昔、門忍かどに姉さんから耳が蜂の巣になるくらい聞かされたよ!
 あそこがどれほど銀河連合が一杯いるかをね」
「だったら向かうべきじゃない!
 俺の命はいつ坊主の為に捨てても構わないが、坊主は違うだろ!
 坊主が死んだら--」
「わかってるよ、モルルカさん。
 僕はそれでも大切な者を取り戻す為にも国家神武に乗り込まないと良くないん
だよ!」
「ユキちゃんの為かう。ようやく参花様は大切な者を意識すっようになったかう」
 齢二十にして五の月と二日目になるエウク牛族の青年は参加を認め始めた。
「ユキは僕にとって必要な雌だ! 彼女が居ないと僕はいつまで経ってもエリオット
さんのように強くなれないから!」
「別にエリオットのおように強おくならあなくても良おいのです!
 参花様はあ参花あ様の強さを目指してえ下さい!」
 齢二十七にして七の月と一日目になるエウク馬族の青年は参花らしい強さを
勧める。
「いやまずはエリオットさんのように強くならないと! その為に僕は--」
 参花は懐からエリオットの教えが詰まった手紙を出す。
「エリオットさんの真似をしないと!」
 手紙を大きく広げて黙読していく。
「エリオット団長は大変な置き土産を残したな」
 齢三十にして二の月と十二日目になるキュプロ栗鼠族の中年は呟いた。
「あの手紙は何ですかね?」
 齢十七にして二の月と十二日目になるアリスト鴨族の少年は齢三十にして
十八日目になる物部犬族の中年に質問する。
「白石ーカブ助殿はー相変わらず呑ー気だね。
 あれは団長ーの教えーが詰まった手ー紙だよ!」
「ありがとね、フル太さんね」
「どうーいたしまーして」
「参花様だ? 向かうのはいいとしましてもどのように向かわれますかだ?」
 八咫烏族最後の雄であるアラウン・アルティニムムの問いに手紙を黙読中の参花
は答えない。
(向かう前にしっかり読まないと!
 この手紙にはエリオットさんの魂が籠っているんだから!)
 参花は三回手紙を黙読する。
『--初めに
 この教えを大事にすれば参花様は自分以上に成れます。
 ただし、すぐに強くなれません。
 困った時でもお構いになって宜しいのです。
 なお自分の教えは三段階に分かれます。それぞれ守・破・離で分けます。
 三つはそれぞれの意味を持ちますのでそれをお踏まえになって読んで下さい。

 守の教え
 一・声を大きく。
 二・力を入れる。
 三・とにかく攻めろ。
 四・守りに入るな。
 五・強い者の戦い方を真似する。
 六・無理をしない。
 七・仲間を信じろ。
 八・けれども仲間に頼るな。
 九・心を強くする。
 終・一の方に戻り順を追って繰り返す。

 以上の十を守りましょう。
 それが出来たら次は破の教えに入ります。

 破の教え
 一・指揮官は常に強くあれ。
 二・仲間を元気づけろ。
 三・多数の銀河連合に勝負するな。
 四・天候を観察するべし。
 五・頭を狙え。
 六・全体を観察するべし。
 七・銀河連合の行動を観察するべし。
 八・働くな。
 九・考えを怠るのなら守の教えに戻って復習するべし。
 終・一に戻り順を追って繰り返す。

 以上の十を突き詰めよう。
 それが出来たら最後は離の教えに入ります。

 離の教え--』
(離の教えはいつ読んでもわからないな。
 エリオットさんは何を離という教えにしたのか意図が見えないよ)
 参花は読み終えると姿勢を整えて--
「銀河連合を発見次第僕が指令を出す!
 無理は全て僕が引き受ける!」
 行き当たりばったりの進行内容だった!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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