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格付けの旅 デュアンは浮力の宇宙を体験する 再び暴君と邂逅するデュアン

 裏技……どの世界にも共通するのが法の網を掻い潜る裏技。此れはルールを定めるのが不完全な生命で在る限り避けて通れない真理。勿論、此れには神様だって冒し易い物。神様もルールは作れども其の矛盾を完全に取り払う事が出来ない。あの『ユークレッド幾何学』がそうで在るように『俺は嘘吐きです』という論理学の矛盾を解明しようとするのが無理なように神様だって其れを取り払う努力をしたって無理な話。俺みたいな存在もそうで在るように。長く成るので結論から言えば裏技は違法に成る迄やっても良い手段だ。勿論、ルール違反に成ればやらないように。但し、ルール違反に成る迄はやっても構わない。後からルール違反を問い詰めれば此方から『事後法』のアンフェアを指摘するだけで十分だしな。
 とまあ、俺はやっと数科学の世界で魔法を使う事が出来るように成った。其れだけじゃなく、全く新しい魔法体系を築き上げる事にも成功……だが、クロード・ベルフェゴールは帰らない。奴が若しも生きていたら……いや、止めよう。今は此の地獄を何とかして切り抜ける事だけを考えよう。
 取り敢えず工房を貸してくれた爺さんが居た……「クロードが死ぬ前にお前さんを迎え入れろって言ったんだよ。まあ堕天使のわしに出来る事は商売だけじゃ」爺さんの名前は『ルシナ・アンドロマリウス』って名前だ。
「最後の悪魔を苗字に持つ爺さんが如何して世の為人の為に行動しないんだ?」
「アンドロマリウスというのは偽善を司る最後の悪魔じゃ。そうゆう意味じゃあわしは誰よりも偽善者で在ると思うがのう」
「ああ、正義という名の下で『ジャイアニズム』を遂行する時点で何処がずれているっちゃあずれているがな」
 ジャイアニズム……或る国民的な漫画に出て来る餓鬼大将の事だ。俺が悲惨な少年時代に読んだ漫画の中にドライモンというのが在って其処に出て来る巨漢で少し小太りな餓鬼大将ジャイアムの有名な台詞「俺の物は俺の物、お前の物も俺の物」から来ている。一応児童向け漫画なのに良くもまあ残酷な言葉を吐かせるよな、一応十一歳時位なんだぞ……こんなのでも。まあドライモンの漫画版はみんな知らないと思うがドライモン自体も人間性を疑いたくなる台詞のオンパレードで一杯だ。其れは此処では紹介しない。兎に角、ジャイアニズムの意味とは台詞の通り。悪く言えば世界中の全ての物は俺の所有物と奴は言ってるようなもんだ。こんなの誰もが反発して当然だろうが!
「説明が長い、もっと短くせんか!」
「済まんな、頭が悪いんだ……そうゆう意味で俺はな」
 認めるなら多少はマシな頭だとわしは思うがな--天使の片割れだけ在って論理学にも精通しているようだな。
「其れにしても爺さんの御蔭でデュアンロールは更に強く成った。此れで俺は此の世界でも無敵に成れるぞ!」
「止めときな、坊主」
 何だ、、急に--爺さんは冷や汗を流し始める。
「あんたは今迄見た中では最も凶悪な強さかも知れん……或る奴を除けば、だが」
「そりゃあそうだ。俺は強いんだ、井の中の蛙は此の世界では味わえないぞ!」
「其れがのう、此の世界じゃあそうも言ってられないんじゃ。あいつと出会わなければ--」
 あいつ……此の気は、俺は知っているぞ--真っ直ぐ向かって来るだと……然も此奴は俺が嘗て住んでいた魔科学の宇宙で出会った其れに、似ている!
「ヒ、ヒイイイイイ!」達観している筈の爺さんが、樽の中に身を隠し始めるぞ。「わ、わしはし、知らんからなああ!」
「あんたは余生短いのだろう、そんなに怯える事じゃあ--」
 ルシナ、例の……おや、いやわかっていたのだがな--奴め、俺の眼前に現れるのかよ!
「フウウ……何でお前が此の世界にも居るんだよ!」
「久しいか? いや、そんなに大した時間も掛かっていない筈だがな……まあ良い、魔法使いの若僧が前に比べて少しは出来る所を見たいと思って此処迄やって来たんだがな」
「如何やって俺を知ったんだ!」
「私には天界にもコネを持っているからね。何でも羽無しが居ると聞いて少しだけ遊びに来たんだがな」
 えっと名前は……なんだ--と俺は尋ねる。
「私の名前は皇帝『ブラックレイピア』……覚えて於け、今は此の世界を支配する事に喜びを感じる身さ!」
 再会したくない奴と再会するなんて信じられない事態が起きたな。今の状態でも勝てる気がしない。上には上が居る、下には下が居る。後者は『悪口』同様簡単に出来る。出来ない道理が何処にもない。卑屈に成る事だって同じさ。だが、俺が奴にとって下に見られるのは屈辱処か寧ろ安心感を抱く!
「安心したか、私が圧倒的な格上だと知って?」
「頭に来る程、他者を見下すのが大好きな奴だ」
 当たり前だ、他者に見下される位なら殺した方が安心だしな--唐突に話を逸らしやがった……此れだから悪は腹立たしいにも程が在る。
「済まん済まん、話を逸らすのは私のいけない癖だな。今の本題は見下される事だったっけ? 其れなら今の私にとって無縁の状況。無論、其の状況が永遠に続かないのは理解する上だな。其れでも今の私は無敵だ!」
「--言ってろよ」其れでも俺は相手に見下されるのが何よりも腹を立たせる案件。「--此の俺が貴様を塵芥にしてやる!」
 ……成程、零詠唱か--奴が呪文詠唱をしている……何処で魔法を覚えたんだ!
「デュアンや、ブラックレイピア様に敵うのか!」既に調教済みのルシナは次のように警告する。「止めとけ……あの方は既に天使術と悪魔術を習得した後なんだぞ!」
「--下がっていろ、ルシナの爺さん。此の男を相手に俺は超空中戦を仕掛けるぞ!」
 詠唱は未だか、眠く成った--危ない、左前蹴りを後ろの壁が壊れるほど下がらなければ避け切れなかった!
 早速俺はボーリングオブコスモスで奴を星の外へと追い出した。奴は躱す事が出来たのに其れをせず態と俺の誘いに乗った……其れが可能なのがあの良くわからんチートバリアだな!
「凄い、ブラックレイピア様を空迄追放したぞ!」
「--未だだ、奴は一切ダメージを負っていない……其れを想定して俺は奴が態と受ける事を読んだ!」と言いつつも俺は新しく作り替えたデュアンロールで空へと飛翔する。「じゃあな、次会う時は霊魂かもな!」
 悪口……人間が神に成れない要因の一つに現状不満が在る。悪口或は愚痴或は陰口というのは上手く行かない事を他者のせいにする為に人間に備わった負の鎖。俺も此れだけは辞められない!
 『ブラックレイピア』との戦いに地獄も天国もない。宇宙空間内で……何だ此の圧迫感は!
「フフフ、ハーハハッハッハ……此れが数科学が支配する宇宙に於ける無重力の概念なのだよ、デュアン」
「圧し潰されそうだな、まるで逆だろうが!」
「嘗ては此の数科学の世界でもヒッグスで満たされていると阿呆が主張していたのだが……粒と波の関係がやはりそいつを否定するに十分な働きを齎したな。如何だ、全身の骨が罅入る感触は?」
「フン、馴れればこんな無重力も大した事がない」と俺は痩せ我慢を口にする。「ウググ……やっぱり此処も呼吸が出来ん。逆に全身が収縮するような感覚に襲われる」
「私と貴様が居た宇宙では沸騰し、空気が膨らむように成るのが法則なのだな。処が此処は大きく異なる。真空が支配するのに其の真逆で空気が収縮する方向に持っていかれる……結果、此のような圧し潰されるような感覚が襲うのだな」
「浮力は星の内部でしか作れん、か」
 さ、そろそろお喋りの時間は終わった。さっさと戦いを楽しもうぞ--奴との直接対決がこうして始まる!


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tag : 格付けの旅 小説 SF 冒険 ファンタジー

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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