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一兆年の夜 第二十一話 二つの星 進撃篇(九)

 午後十時三十分三十八秒。
 場所は廃マンドロス町中央地区開化聖堂付近。
 双方併せて百以上の死体が散乱!
「はあはあはあ、百獣型あ! 例え足斧おが刃毀れえしてもお前だあけには負けなあいぞ!」
 真島ギャレイ土は体中傷だらけになりながらも百獣型に向かってゆく!
「隊、長ー! 無理をーなさらーないで下ーさい!」
「百獣型は戦い慣れをしているんようだ! ワシらがこれほど傷ついておるんのにあれは無傷。当たりもしないなんてどうかしておるん!」
「だからってここで引くものかだ!」
「百獣型に勝てないようでは私達は指揮官型にも勝てないわ!
 団長や棟一様の仇を討つ為にも倒さないと!」
 隊長格の三名は百獣型に間合いを詰めてゆく!
「勝てると思うかう? オラはわかるう!」
「三名は傷だらけね! このままじゃ食われるね!」
「参花の坊主とユキはまだ来ないのか!」
 三名が隙を伺う間に南の方から大地を蹴る音が近付く!
 白石カブ助は思わず振り返る!
「あ、れはね! 参花様だね!」
「何? 参花様が来たのか!」
「本当ーだ! 参花様ーだわ!」
「ようやく来ましたかだ、参花様だ!」
 百獣型と対峙する三名以外全ての者が振り返るとそこには参花只一名が駆けつけた!
「おや? 坊主! ユキはどうした?」
「はあ、はあ、はあ、連行されたんだ!」
「もう一度聞く! ユキは--」
「銀河連合がいきなりユキを連行したんだ!」
「何ー!」
 皆は驚く!
「ど、どうゆうんこ--」
「あ、れは……どこかで?」
 参花は隊長格三名と間合いを詰める百獣型に見覚えがあった!
(知ってる? 僕はあの獅子型? に見覚えがある!
 首に掛けた骨らしきモノ! あれは間違いがなければ恐らく姉さん達の骨!
 姉さん達の命を何だと思ってるんだ!)
 参花は自然と雄略包丁を抜く!
 そしてそのまま走り出す!
「ウオオオオオオオ!
 ようやく会えたな、姉さん達を死なせた獅子型あああ!」
「お止め下さい参花様だ!
 百獣型は一対一で勝てる相手じゃ--」
「避けえろ、アラウン!」
 百獣型は余所見したアラ運に飛び込む--気付くのが速かったのか、嘴の差で斜め左に避けた!
「我はいいだ! それよりも参花様の身が危険だ!」
「百獣型! 隙を突いたのはあなただけじゃないわ!」
 リアクターは鋭棒を百獣型の後頭部めがけて遠投した!
 しかし--
「成人体型五しかない距離で避けるなんて!」
「そこの獅子型あ!
 僕がお前の相手をしてやる!」
 参花は百獣型に飛び込むが、百獣型は懐まで間合いを詰めると素早く参花の背後に回った!
「いない!
 どこ--」
「後ろでえござあいます!」
「え?」
 参花が右に振り返ると百獣型は振り返る方向に前右足による攻撃をした!
「デュウアア!」
 参花は攻撃を受ける--首を守る為に咄嗟に身体を斜め横転させながら地面に擦れるようにうつ伏せに倒れた!
「ウウ、うう、強い!」
「参花ー様!」
「よせ、ピネラちゃん!」
 百獣型は素早く参花の間合いに詰めると口を大きく開けて丸呑みした!
「私ーで我慢しーてええ!」
 それは一瞬の出来事だった--参花は起き上がるなり「間に合わない」と感じるものの白い影が参花を左に突き飛ばし、後ろ左足を遺して百獣型の腹へ放り込まれた!
「ああ、あああああ!
 ピネラさあああん!」
 百獣型は無情にもピネラと思わしき骨を吐いてはそれを前両足で踏みつけ、粉々に砕いてゆく!
「やめろ……それ以上やれば僕は感情を抑えられなくなるぞ!」
 その言葉に対する答え。それは砕いた骨を舌で舐めた!
「姉さん達の命だけでは飽き足らないかアアアア!」
 参花は暴走した!
「良くない事になっただ! 参花様は--」
「参花様! 百獣型相手にむやみに攻撃するのは--」
 参花はひたすら包丁を振るった--間合いに入っては振るう作業の繰り返しを!
 しかし、百獣型に触れる事は叶わない!
「この! この! コノ!」
 それでも参花は振るうのをやめない--先ほどまで獅子型と戦った傷が癒えない状態であっても!
「クう! このまま亜じゃあ食わあれてしまあう!」
「でもその距離では間に合わないね! このままじゃ--」
「いいえ、私なら間に合う!」
「どこが間に合うんだ! 疲れているんところを背後から食らっていくん--」
「ああああああ! 仇を討たせてくれエエエ!」
 参花は力一杯出す!
 でも刃先が百獣型に間に合う前に開いた口に呑み込まれた--かに見えた!
「アアア! はあはあ--」
「大丈夫ですか、参花様?」
 百獣型の口から鋭棒の柄が見える。
「口かあら血をお流しいている。といいう事は--」
「もう大丈夫です、参花様!
 百獣型は……え?」
 死なない--参花がそう思いを巡らす理由。それはリアクターの腹を貫通する百獣型の前右爪をその眼で見た事。
「リアクターさん?」
「ガッフ! が、ああ」
 リアクターが放った赤い液体は参花の顔面に付着!
「隊長! 大丈夫っすか、リアクター隊長!」
「リアクターの姐御!」
 モルルカとスワンダはリアクターの側まで駆けつける!
「ああ、ようやくわかったよ!
 仲間を信じる事とはいついかなる時でも仲間を死なせないというのを--」
「参花様だ! そんな事言ってる暇は--」
 百獣型はリアクターの身体ごと参花を引き裂こうとした!
「間に合あわない!」
 誰もが間に合わない!
 そう思われたが--
「中条隊はこれより百獣型に一斉攻撃する!」
 齢二十四にして七の月になったばかりの応神人族の女性の合図と共二十以上の物部刃が百獣型めがけて降り注ぐ!
「間に合ったう!」
 スワンダとモルルカは駆けつけるなり、参花とリアクターを含めて物部刃の雨に当たらないように身体を屈ませた!
 百獣型は鋭棒を呑み込んだまま、雨を避けつつ北へと去ってゆく!
「わわ、わわ! この合図はあの雌か!
 俺達に当たったら責任取れるのかよ!」
「ふう、どうやら間に合ったのかな?
 いえ、間に合わなかったみたいね」
 参花達は意外な伏兵のお陰で生き延びた……。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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