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一兆年の夜 第二十一話 二つの星 進撃篇(八)

 場所は廃マンドロス町南地区。建物は枯れて、大地は今にも活力を失う寸前。
(これが姉さん達の言ってたマンドロス町! もはや死んだも同然じゃないか!)
 参花は聞いた話とは大きく異なった原因を知りつつ、町が枯れてゆくのを嘆く!
「参花様! もうすぐ銀河連合があたし達の前に現われます!」
 望遠刀を構えながら走ってゆくユキは参花の腰に掛けてある二式雄略包丁を右肘で叩いた!
「そう言えばユキの成人体型はどれくらいなの?」
「一とコンマ零続く六と七の間……って話してる間に来ましたわ!」
「あれは獅子型! しかも三体!」
 二名の前には右利き、左利き、そして両利きの獅子型が並ぶ!
(こ、こんな時は力を抜いて雄略包丁を抜こう!
 おっ! 抜けた!)
 ゆっくりと三体は近付く。
「狙いは定めてもこの前みたいに外すかわからないわ!」
 ユキは深夜の事で弱気になる。
 一方の参花は左手で手紙を出して何とか広げる。
(守・破・離とあるけど破・離を読む前に守をもう一度読もう。
 この場合は、うう! や、やってみようかな?)
 参花は三体の獅子型を見る。
「『三・とにかく攻めろ。 四・守りに入るな』をを。
 じ、実行する!」
 参花は手紙を素早く懐にしまうと右利きの獅子型に突撃する!
「参花様! むやみに攻めるべきじゃ--」
「『五・強い者の戦い方を真似する』を実行する!
 僕が強いと思う者はエリオット・ボルティーニだ!」
 獅子型は参花よりも速く飛び込む--参花は雄略包丁を盾にして背中を地面につけた!
「うう!」
 参花は左に三回横転した後、流れるように立ち上がると守りに入らず、攻めに入る!
「守ったらいけない! 攻めて攻めて攻めまくる!」
 またしても獅子型に先制されるが、同じように背中に打ち付けて今度は右に三回横転した後、また立ち上がる!
 一方のユキは--
「うわっ!
 参花様の所に行きたいけど、二対一じゃ距離をとれないわ!」
 反撃する暇がないほど左利きと両利きの獅子型はユキを攻めてゆく!
「参花様を発見!
 な、何だか知らないけどあの動きをどこかで見たような?」
 ユキが見た参花の姿--同じ事を繰り返すように参花は右に左と叩きつけられては流れるように横転しながら立ち上がり、また攻めてゆく!
「『六・無理はしない』を実行中!
 ユキが心配だ! 見辛いけどユキは多分二体と戦ってるんだ!
 何だか心配だよ! このままじゃ……そんな考えは吹き飛ばす!
 と、とにかく……うわっ!」
 参花はまた叩きつけられたが、今度は三回後転した後、立ち上がる!
「イデデ! このままじゃ今度こそ立ち上がれなくなるかも?
 『七・仲間を信じろ』を実行中! ユキはそれでも生きてるんだ!
 信じなくてどうする! 僕は獅子型を攻めて攻めて攻めまくる!」
 参花は攻めるが、同じ事を繰り返すように獅子型に先制され、背中を打つ--これで十三回目。
「痛くてもまた立ち上がらないと!」
 前と同じように三回後転しながら立ち上がるが、既に彼の両足は震え出す!
「はあ、はあ。まだまだ攻めないと」
 よろけ出す足を動かしながら参花は攻めるが、獅子型は先制!
 そして同じ事を繰り返す!
 それを見ていたユキは--
「どこまで心配をかければ気が済むのよ!
 いいわ! 接近戦でも構わないから二体まとめて相手してやる!」
 守りに入るのをやめた--弦を引っ張りながら両利きの獅子型に飛ぶ!
「望遠刀がいつから遠距離専門になったの!」
 地面に背中をつけながら滑り込むようにギリギリの距離に入ると迷いなく離す!
 両利きの獅子型は好機と勘違いした! ユキの真上に入り、中心部を貫通--成人体型一まで離れたところに不時着した!
「まずは一体!
 次は……も、もうこんなに!」
 左手を前右足で押さえつけた! 獅子型は前左足爪でユキの顔めがけてひっかくが--
「あっぶない! うわっ!
 痛いんだからやめて!」
 ユキは右膝蹴りを右首筋に当てる--獅子型は痛みのあまり離すが、怯んだところをユキは立ち上がり、望遠刀を構える!
「立ち上がって、銀河連合!」
 銀河連合が正面を向いて立ち上がるとすぐさま物部刃を放つ--人中に命中し、血を扇状に噴きながら死んだ!
「はあはあ、そろそろ参花様を助けないと!」
 深呼吸をした後、ユキは参花の所に向かう!
 五の分の後。参花と距離を詰めるなり--
「参花様!」
 ユキは参花を助けようと望遠刀を構えるが--
「僕を助けるな、ユキ!」
「何を言ってるのよ! もう限界でしょ!」
「限界でも僕は君を頼らない!
 何故なら『八・けれども仲間に頼るな』を実行中だ!」
 参花はエリオットの遺言を忠実に守る!
「思い出したわ! あの動きは団長の真似だったのね!
 まさかあの手紙は--」
「エリオットさんの遺言だよ!
 僕はすぐにはエリオットさんには成れない!
 すぐには--」
「参花様!」
 獅子型は同じように攻めるが、同じように守り、同じように叩きつけられ、同じように三回転がりながら立ち上がる!
 獅子型はその姿を見て恐怖を感じたのか、少し仰け反る!
「すぐには天同に成れない!
 でも『九・心を強くする』を実行中!
 心だけは上下関係なし!
 そして『終・一の方に戻り順を追って繰り返す』を実行中!
 それは……ウオオオオオオオ!」
 参花は力を入れながら獅子型に飛び込む--反応が遅れたのか今度は獅子型が後手に回る!
「声はとにかく気合いを出す為!」
 右に振ったが、左頬に掠る!
「力を入れるのはまず全力を出し切る事!」
 突きを放つが、避けられる!
「攻めに入り、守りを避けるのは攻めは簡単だが--」
 獅子型は前右爪による攻撃を放つが! 
 だが参花は流れるように獅子型の右横に避ける--同時に峰打ちを放ち、獅子型を仰け反らす!
「守りは難し!」
 参花はその間に構えを整える!
「真似をするのは強き者は戦い方を知る為!」
 獅子型は振り返るとすぐに参花に飛び込む!
 しかし--
「無理をしないのは体中の力を抜く事で綺麗に洗う為!」
 参花は獅子型のしたに潜り込む!
「そして僕は勝つ!」
 参花は獅子型の股間から唇にかけて斬りつけた!

 午後九時三十五分五秒。
 参花とユキは三体の銀河連合の供養を終えた!
「死なせて申しわけありません!
 償いは町を取り戻す事で払います!」
 二名は一の分の間お辞儀をした!
「悲しいけどこれが戦いなのよ!」
「うん」
「『うん』じゃない! 『はい』でしょ!
 さっきまで格好良かったのはどこに行ったの?」
「ごめん!
 あれはエリオットさんの真似をしただけだよ!
 あの方ならこんな言い方だと思って!」
 参花は元の頼りない少年の笑顔に戻った!
「あの手紙は効果を発揮したって事でいいの?
 とにかく行きましょう! 真島隊長やアラウンさんが奥まで先行してるんだから!」
「そうだね。じゃあそろそ……え?」
「どうし--」
 突然の出来事だった!
「な、何よ! 離してよ!」
「ま、待って、く、れ!」
 ユキは北側より颯爽と現れた成人体型三は満たない鷲型に望遠等も物部刃の入った籠も背負わずに両肩を掴まれてそのまま北の方へと連行される--参花を追おうとするものの先ほど獅子型との戦闘で受けた傷が完治しないのか、満足に動く事も出来ない!
(動け! ユキが連れて行かれるのにどうして動けない!
 動いてくれ、僕の体ああ!)
 心の叫びは空しく、ユキは北の方へと連行された!
「ち、くしょおおおおお!」
 参花は体が動けるまで叫び続けた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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