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一兆年の夜 第二十一話 二つの星 進撃篇(四)

「えい!」
 ユキは右から二番目の獅子型に物部刃を放つ--まるで軌道がわかるように左へ逸らすように避ける!
「どうして! 最小限の動きが出来るのよ!」
「ユキをやらせるか!」
 参花はさっきの獅子型を倒したように息遣いを整えるも--
「あれ? さっきはどうしてあんな動き出来たのかな?」
 動きは元に戻る。
「わっ! 間一髪だったわ!」
 ユキは構える暇もなく右側の獅子型二体から次々と繰り出す攻撃を避けるしかなかった!
「二体だけ……この間に参花様の身に何かあったらどうしよう!」
 ユキの予想通り--残りの三体は参花に襲いかかる!
「門忍姉さんには良くないけど、一対三は僕にはどう考えても無理!
 何とかユキを連れてここから逃げないと!」
 参花は出入り口を目指して逃走する!
「ユキ! どう考えても二対五では僕らに利はない!
 ここから逃げよう!」
「わかってるけど、二体の銀河連合はあたしを逃がさないわ!」
「僕は三体もいる!
 いくら狭間姉さんに鬼ごっこで鍛えられてもこれじゃあ捕まるよ!」
「これが鬼ごっこなら捕まると死ぬわ!
 銀河連合はあたし達を何とも思わないんだから!」
「そうだよ……イデ!」
「参花様!」
 参花は俯きに転んだ--好機と捉えた三体の獅子型は一斉に食らいつく!
 参花が起き上がる頃には眼前に迫った!
「うわあああああ!」
「参花様ああ!」
 不思議な事が発生する--三体は接近しすぎた為、それぞれ側面衝突した!
「良かった……いや良くない!
 この間に逃げよう!」
 参花が再び逃げ出す頃には三体は立ち上がるものの互いに獲物を食らおうと同族争いを始めた!
「あ、あいつらは何をしてるの?
 味方が味方を食らうなんてどうかしている!」
 ユキが二体に追われながら三体の獅子型が不毛な同族争いを眺める。その間に参花と合流!
「お待たせ!」
「お待たせじゃないわ! ここから逃げようと思ったけど--」
「ど、どうしたの? 逃げないと--」
「三体の銀河連合が争う間にあたし達で二体を倒さない?
 一対一なわけだから!」
「そんなこ、うわ!
 無理だよ! 獅子型だよ! 強いよ!」
 泣き言を吐く参花に望遠刀を抱えたまま右手の裏拳を左頬に当てる--頬は青黒く腫れた!
「痛いよ! ユキは力を暴れさせるからやめようよ!」
「もう一度殴られてみる?」
「はい」
 参花は返す言葉を出せなかった。
「と、ところで、ウイ!
 ど、どの銀河連合と戦えばいいの?」
「ヒャッ!
 あたしは右と戦う!」
 そう言いながらユキは振り返るなり、右側にいる獅子型の前右足に右足の払いをする--獅子型は転びそうになりながらも左側転して元の体勢で着地!
「もう足払いは出来ない! 勝負よ、右の銀河連合!」
 一方の参花は残った獅子型から逃げる!
(一対一でも勝てそうじゃない! ここは逃げあるのみ!
 でも必ずユキは助けないと!)
 そのまま天同門忍の間から出て行く!

 午前二時二十分二秒
 場所は廃崇神聖堂。奥より右横にある天同狭間の間。
「行き止まり。狭間姉さんの間も窓枠はなかったよね!
 という事は結構危険な状態?」
 出入り口の反対側にある行き止まりを背もたれしながら参花は迫り来る獅子型と相打ちする覚悟を決めようか迷う。
「来るな! 僕はただじゃ死なないよ!
 た、だだっじゃじゃ、な! ほら! 包丁だって構えてるんだからな!
 み、いみてよ! はここぼぼれええなななんて、ってどうしよう!」
 恐怖のあまり身体を震わせる!
 次の瞬間、獅子型は飛び上がった--
「うううううああああ!」
 参花は思わず目を瞑るが--
(死んだな? あれ?
 痛いんじゃないの? 死んだら痛み出すって僕は決めたんだけどな?
 決めた? そ、それより目を開けようかな?)
 参花はゆっくり瞼を開けるとそこに映し出された光景は心の臟に向かって一直線に鋭棒を地面ごと貫通して、円を描くように血溜りを出し続ける獅子型の死体。少し左向い側に齢二十九にして一の月になったばかりの顎まで届く深紅の髪を揺らすアリスト人族の女性が立つ。
「だ、誰?」
 参花が疑問をする間に--
「ここにいましたね! 無事でしたね!」
「ワイは死にかけタヨ! アイツラが同士討ちをする振りをしてワイ達に襲いかかるなんて聞いてなイゾ!」
「参花様! 無事で良かった!
 ってあなたはキングレイ隊のリアクターさん?」
 獅子型四体を倒し終えてアラウンが派遣した二名と共にユキが駆けつける!
「やはりこの方が天同参花!
 初めまして、私の名前はリアクター・キングレイ。アリスト人族にして現在はボルティーニ団のキングレイ隊を率いる物でございます」
「こ、こちらこそ。僕は天同参花って言う」
「参花様! そこを適当にしてどうするの!」
 参花達はキングレイ隊五名と合流し、三の時を満たない急ぎ足で下り、ギャレイ土達のいる仮設民家群に戻った!
(そこから先の事は何故かユキにこっぴどく叱られ、睡眠時間を取る間もなく出発したよ!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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