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一兆年の夜 第二十一話 二つの星 進撃篇(一補)

 午前三時五十分五十七秒。
 場所はマンドロス山標高成人体型六百六十八。
 五名が見た光景、それは数十の銀河連合の死体--その中央にカゲヤマノイズモノキミが立ったまま死んだ姿。
「本当じゃないよね? イズモノキミさんはこんなに身体がおかしくなっても笑ってあたし達を迎えるはずなのに!」
 ユキは手首の付け根の幅より少し小さな目から水滴のように涙を流す。
「死んでしまあった者はあもう神様だあって送り返さないさ。
 とおにかあく俺達は往うかないといいけない!
 イズモノキミはあ後ほおど供う養すればいい話いだ」
 ギャレイ土は心なく聞こえる事を言った為、ユキはギャレイ土を睨む。
「行きましょうん、ユキちゃん!
 今は生きているん者の手助けをしないと良くんないよ」
 そんなユキの気持ちを察したのか栗鼠族の中年は右手でお尻を触りながら慰める。
 しかし、それは--
「グオン!」
「いくら他種族とはいえ雌のお尻を触るのは倫理的に問題よ!」
 立派な猥褻行為だった!
「あーあー。ロージャさんはーどうしーてそんなことすーんのかな?
 いーくら慰めーるつもりでーあったーとしても」
「いいじゃああなああい、ピネラ!
 とこおおろで泣あき止んんだああ、ユキ?」
 シャラムがそう言うとユキの目はすっかり綺麗になった!
「ありがとうみんな!」
「……じゃあ行いこうかあ!」
 五名はイズモノキミを背に駆け抜ける!

 午後五時四十二分四十八秒。
「あれええは!」
 シャルムは見た--エリオット・ボルティーニが絶命し、四股の全てを引き裂かれる光景を!
「何かあ見えたあか、シャラム!」
「あああ! エリオット団長がああ!」
「団長がどうしたって? わかるんのか、シャルムちゃん?」
「エリオット団長はああ死んだああ!
 シャラムは大地に足を付けた後、淡々と答えた!
「え? 腰砕けたことは言わないでよ、シャラム?」
「そうよ! 団長はむっちゃ強いのよ! そんな団長が死んだなんて--」
「いや、俺もおそれが本当うかどううかこの眼えで確かめたあところどおう見てもエリオットがやあられてい……いや、急げ皆の者お!」
 ギャレイ土の足は速さを求めるかのように大地を強く蹴り続けた--エリオットの死体がある方に駆け抜ける!
「隊長ー! あたし達ーを置いていーかないの!」
 それに続くように四名も足や翼に血液を流し込みながらより速く駆ける--只一名は少しで遅れるように!
「みんな速いよ! あたしは人族だからそんなに速く走れないよ~!」

 午後五時四十四分五秒。
 場所はマンドロス山標高成人体型六百六十六。
「んんん、え、ぃ、お、ぉ、ぉ、ぁ……」
 齢十四にして十一の月と二十五日目になる神武人族の少年は銀河連合指揮官型の右拳を顎もとに受け、宙返りしながら地面に口づけしていた。
(僕は、このまま……)
 少年の意識は洞窟の中へと誘われる。それを確かめた指揮官型は少年を食らおうと左手を伸ばす。
「させえるかああああ!」
 ギャレイ土は指揮官の頭上より少し上まで飛び上がり、前右足で蹴った--指揮官型は反動で後ろに飛ばされた!
「よおし! 今だあ三名!
 至急こおの少年を俺達のお仮設民家まあで運ぶぞ!」
 ギャレイ土の合図と共にシャラム、ピネラ、ロージャの三名は少年の服を掴むと急いで指揮官型から離れて行く!
「遅れて申しわけ……って何して--」
 遅れてきたユキは三名が一名の少年を運んでいる様子を見て尋ねようとしたが、その隙を突くように指揮官型はユキに襲いかかる!
「しまあった!」
 ギャレイ土は予想以上に速い指揮官型の動きに驚愕と同時に咄嗟の反応出来ない!
「うわああああ!」
 指揮官型の左隠し腕から放たれる突きを見てユキは叫ぶしか行動できない!
 突きはそのままユキの身体に命中……しなかった!
 それはシャラムの心の部分を貫通したが、僅かであるがユキの身体に触れる事はなかった!
「え? シャラムさん?」
「ああ、だい、じょ……」
 シャルムはそのまま目を閉じた--永遠に!
「あーれ、シャルムーは?
 え! 何でシャルムがー?」
「シャラムちゃん! 君の死を忘れない!」
 二名はそれぞれの反応を示しながらシャラムに一の秒くらい黙祷した!
「シャラムさん? あ、あたしはどう--」
 悲しみのユキを好機と踏んだ指揮官型はシャラムの身体ごと貫こうとした!
 だが、それを阻むようにギャレイ土は飛び後ろ右足で指揮官型の顔を蹴った!
「逃げるうぞ、ユキ!
 今の俺達いではあいつにい勝てなあいかも知れない!
 悔しいけえど、あいつのお動きを見ればあすぐにわかあった!」
 口でユキの襟を掴んで自分の背中に乗せたギャレイ土はすぐさま指揮官型から全力で離れて行く!
「許さないわ、あいつ!」
「許さなあいのはこおっちも同じだあ!
 だが、今は戦うべえきではなあい!
 死んだあエリオットなあらそう俺達いに告うげたはあずだ!」
 四名はそれぞれの思いを胸に自分達のいる仮設民家へと逃げ込んだ!
 あれから一の日が経つ……。

 ICイマジナリーセンチュリー六十三年七月十日八時三十分一秒。

 場所はマンドロス山標高成人体型五百付近。ボルティーニ団真島隊の仮設民家。
五角形の右奥にあるユキ・ライダルの仮設民家。
「美味いよ、このご飯!」
 成人体型が一とコンマ一続く三と四の間。鶏量十二以上の少年は茶碗一杯まで
入ったマンドロス五穀ご飯を行儀の宜しくない状態で食べる!
「ご飯粒付いてるよ、君!」
「ありがと、君。何か可愛い子見ると僕は嬉しくて堪らないよ!」
 灰色の髪は顎まで伸び、前髪は睫毛より僅かだが下まで伸びる。
「やだ! 恥ずかしい!
 私の一族は代々細工無き顔とか言われて自信なかったのに!」
「そういや門忍かどに姉さんからライダルの一族はみんな頭が八つ分の身体をしていて、
綺麗に程遠いって言ってたのを聞いたことあるよ」
 両眼は人差し指の大きさより小さいが、瞳は青黒い。そんな瞳でユキを見つめ
ながら少年は姉の話をした。
「門忍? どこかで聞いたことあるような?」
「えっと僕には三名の姉がいたんだよ!」
 鼻は兎族のように母性をくすぐられるものだ。
「三名の姉? えっと君はひょっとして一番上に兄がいるでしょ?」
「兄? 物心つく頃になくなってるから詳しくはわからないけど棟一って言う兄は
いたんだよ!」
 幸福そうな伸ばすと顎まで着く両耳がある。
「んん! ま、まさか君の名前ってなんて言うの?」
「僕? そう言えば自己紹介する前に君に気絶させられたんだっけ?」
 上下唇は小指より僅かだが細く、拳が入るくらい口は大きい。そんな口で少年は
自己紹介を始める。
「僕の名前は参花さんか。名字は天同だけど、今はもう意味は成さないよ」
 端整な顔立ちで参花と呼ばれる少年はほぼ同じ年齢の少女ユキに満面の笑み
を浮かべた。
「天同?
 えっと、それって、つまりあたしはその天同という君に鳩尾に深く右手をあげたの?
 うう……申しわけありません参花様!」
「い、いきなり土下座しなくて良いのに!」
 天同参花。この物語の主人公である。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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