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一兆年の夜 第百三十六話 終わりの始まり ライデンの終着点は始まる(六)

 双子島に到着してから一の月と十日目の日替わり。
 ライデンは表島の北東より泳ぐ事十三の時……漸く大樹型より成人体型十迄接近する事に成功。
(途中、足がとうとう陸に着かない事や度々襲い掛かる小型の銀河連合に苦しめられてなあ。まさか蚊族や蠅族のような一般的な大きさの銀河連合が必死に成って襲い掛かるのを思い知るとどれだけ大きくても体感的に速度が速く感じる小型の奴を相手に実際は速い俺達大柄な連中は探す事や捕捉する事に苦労する。但し、叩いて倒せる分だけ大柄な肉体は大したモノだ。最も更に小型は耗が極めて小さい隙間を利用して俺の叩きから逃れる気がする。衝撃が伝わろうとも大地全体に分散されるように俺達は巨大隕石が落ちた位では全滅しないのと同じようにな。
 だが、叩く攻撃で心苦しいのは……やはり小さな相手をまるで絶対強者とは誰かを思い知らせるようで胸が痛む。さっさと俺達とほぼ変わらない大きさの銀河連合に成って欲しいモノだよ。俺達は絶対強者に君臨したくないんだ。そうゆう銀河連合みたいな心持は俺達に必要ない。さっさと此処から居なく成りたい。彼等は俺の力を頼らずに自分達の大きさと自分達の弱さと向き合いながら一歩踏み出しに来た。其れが一過性であろうとも俺は永遠に前進する事を信じて小型の大樹型を倒し、居なく成ろう!)
 ライデンはほぼ二分の一程しかない大樹型の眼前に立って左右の拳で何度も振り下ろして攻撃。意味する所は横薙ぎの攻撃は衝撃が下迄到達しない。だが、縦からの攻撃は相手の自重も合わさって浸透しやすい。戦闘経験が豊富なライデンらしい小柄な生命ならではの工夫の一環だろう。偶々、自分が巨大な存在であるが故に上からの攻撃が妥当だという結論に至るだけ。
「銀河連合、お前達が普段からやっている高みからの攻撃は辛かろう、悔しかろう。だが、此の攻撃を何度も受け続ける事で如何に自分達がやって来た事が絶対強者である事に溺れているかを今直ぐに……何、足を絡めたな!」
 ライデンは決して地に足を付けている訳ではない。そうゆう意味では未だに小型であっても大樹型の方が高い。何よりも地面に根差して此処迄成長している以上は。ならば植物本来の戦法に従って足下が留守な部分を絡んで溺死に追い込む方が適切だと捉えよう!
(どんなにやられても決して自分達のやり方を変えるつもりはない。時には俺達が普段からやっている弱者の戦法も取り入れて位に入る訳だ。成程、絶対強者に溺れていたのは俺の方だったか……しかし、俺は溺れて死ぬつもりはない!)
 ライデンは溺れる位なら自ら海に沈んで足に絡み付く根っこの塊を革仙者の能力を行使してでも引き千切る。多少水圧で本来の力の流れに乗り辛い中でも革仙者化は水圧で抑え込まれた力を解放する。
(一瞬だ……発動時の一瞬こそが此の能力の爆発力を意味する。後は其の爆発の波動を勢いに乗せて奴の幹に裸締め或は抱き壊しと呼ばれる絶対強者が好む力業を仕掛けるだけだ!)
 そんな考えが過ぎった時、既に……ライデンは大樹型の上半身と下半身を千切り離した後だった!
(前にリリザースさんが言ってたな。良い事を考えたつもりでも其れが考える通りに上手く行かない。何故なら考える事に余分な労力を削いでしまう為に行動に移した時には既に時間切れで後手に回っている事が多々。だからこうして考える前に考えた事が行動に現せる事こそが理想郷さ。まあ、今回は偶然出来たけど次は上手く行きそうにない。
 さて、そんな事よりも大樹型は確かに引き千切った。そろそろ陸に上がって戻らないと!)
 ライデンは顔を出すと何処から泳いで来たのかを月の位置を参考に算出。其処から島に向かって泳ぎ出す。双子島に戻る為に泳ぎ出すのか? 否、双子島の生命が無事に和解しているか如何かを大きな肉体である己でありながらも遠目で確認したい為。
 だが--
(おかしいぞ、泳いでも泳いでも辿り着かねえ!)
 泳いでから十五の時より後……空腹で頭がおかしく成ったのかとライデンは考えた。睡眠が足りない事を受けて頭脳の働きが大きく低下したのが原因だとも考えた。其れは良くある話で決して逃れられる判断力低下の言い訳として十分である。
 けれども、ライデンは再度月の位置を確認する。一の時が過ぎようとする月の位置一つで距離の算出が可能。其処で導き出されたのが……さっきよりも島へと辿り着く迄の時間が千四百時間も掛かる事を算出。
(ンな事があるか。俺の泳ぐ速度が……こんな、こんな--)
 双子島から離れて三十の時を超えたあたりからライデンは意気込みが失われ、急激に意識が遠退いて行く……超巨大な海藻に包まれる事で更に巨大な船のような存在に依って引き上げられるという幸運に出会わなければ此処で命を落としていただろう!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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