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一兆年の夜 第百三十六話 終わりの始まり ライデンの終着点は始まる(五)

 双子島に到着してから一の月と八の日の後。其れは大雨の夕暮れ。
 小柄な生命よりも十倍超えのライデンは雨に打たれやすい。そして、立ち上がると今度は静電気を直に受けて痺れる。雲の位置が少しでも下にあると今度は諸に冷気がライデンの上半身を襲い来る。雲より上は確かに風はないかも知れない。しかし、空気が冷え込むと其の分だけ顔が凍り付く。故に寝るような態勢で雨は過ごさないといけない。更には水に濡れる事で生じる体温差に依る免疫力の低下が齎す風邪や発熱の発生を妨げる為に身を守る為の何かで雨に打たれないようにする心掛けもライデンは強いられる。然も其心掛けは森林の量を大きく減らす物で彼は益々自らが双子島に招く影響に心を痛めて行く。
(早く出て行きたい。けれども、表島の生命は俺が対話して何かを知る度に心を打たれて益々の気遣いをしてしまう。いっそ言葉を話して自らも必要のない生命である事を証明したい。
 だが、未だ其の時期ではない。俺は遂に双子島の成り立ちを知る事が出来る)
 ライデンは一定の段階迄体で会話する事が可能に成った。そんな彼が居るのが表島の酋長が居る建物の付近。雨に打たれながらも彼は齢三十九にして十の月と八日目に成るスウィフ百足族の中年ムカロウと呼ばれる酋長の声を担う雄が計三百六十五本の足を駆使して語り始める。
(雨に濡れるのが気に成り掛けた。だが、世にも珍しい三百本越えの足を持つ百足族の雄が其れ等を駆使して俺に双子島の真実を話す以上はわからない事を最小限に尋ねる以外は集中して聞かないといけない。全てを見てわかるのは余りにも俺は頭脳労働者の仕事を横取ってしまうからな。だから重要な点だけを語る。
 先ずは表島では体で会話するだけでは限界が来ていた。意思を伝えるにも体で表現すると生命の数が増える恐れもあって食糧が尽きる速度が増す。此れが如何してなのかを当時の俺には全然理解するのも難し過ぎる。何しろ、体で表現する事が段階を何回も飛び越えていきなり命口問題に到達するのが何とも過程が飛び過ぎる話だろう。だが、今では其れが何なのか良くわかった。異性を抱いた事がある俺だから究極の対話とは体を交える事だってのを。幾ら身振り手振りで表現しても相手の観方は何辺通りも分かつ。そうするとやるべきなのが体を触れ合う対話しかない。でも同性同士の体の触れ合いは同性愛者と思われないようにするので限界が来る。すると異性同士の触れ合いの方に重点が置かれる。すると同性では出来ない対話が異性では可能だ。何しろ雄も雌も互いに余計な物が在ったり妙に窪んでいる所がある。体の対話をするのに十分過ぎるだろう。そして、其れは子作りの儀式として十分だろう。生物学者の話だとそうゆう合体は精子と呼ばれる百以上のモノが卵子と呼ばれる空間に向かって突入する。丁度、俺達が銀河連合拠点型を攻め込むみたいに数多の精子が其処で死を遂げる。そんな中で唯一の生き残りの精子が卵子という名の拠点を制圧して生命の誕生を齎す訳さ。まあ要するに体での対話は性交と何ら変わらなくなる。此の侭じゃあ生命が多く成り過ぎて情無き決断をするしか道が無くなる。
 其処で次に紹介するのが体で対話する以外で対話の道を模索した。結果、声を対話の方法にする事を当時の表島の生命は決めた。其の齎した物は体の対話をしなくなった。そして、生命の増加を抑える事に成功。だが、声を言葉にした代償として何が何でもあらゆる物を言葉にするように成った。結果、体の対話の重要性を知らない生命が増加。結果、必要だった体の対話のあらゆる技術が時代を経る毎に消失。
 其れを恐れた表島で暮らす先祖達は声の言葉を禁じる。其れに反発したのが裏島で暮らす先祖達。銀河連合とは異なる為に彼等は双子島である事を利用して表島には旧対話法を使用する者達が残り、新対話法を使用する者達は裏島に移り住んでゆく。そうして悠久の時を経て違いと分け隔てる事を貫く為に旧対話法以外を使用しない表島の生命達と新対話法以外を使用しない裏島の生命達。だから俺が体で言葉を表現しようとして裏島の者達は其れに答える事がなかったのか或は答える術がなかったのか……やっとわかったぞ。
 其の分かれ目は後に銀河連合の付け入る隙を与えて裏島にだけ銀河連合共が押し寄せに来るという訳か。其れについては旧対話法を重視する表島の生命は心を痛めるみたいだろう。兄と弟の関係だのそんな物じゃなく、裏島の生命が自らの対話法以外を捨ててしまった事を俺を通じて知ってしまったのを受けて。其のせいで真っ先に銀河連合の襲撃を受け続けている事も。
 そうして俺の話を聞いて理解した表島の生命達は裏島への救出を決定する。そう、其の条件として俺の存在を知らせずに自らの力で銀河連合を打破出来る事を証明する為に俺を双子島から立ち去るように勧告した!)
 ライデンにとって未だ双子島を脱出する術を持たないが故に其の勧告を到底受け入れるには心の準備が足りない。だが……

(何故、勧告を出す事が出来たのかを此の後に知る。其れが表島の生命は大樹の銀河連合の存在を俺に公表した。如何やら表島にはバルケミン家のような才能溢れる生命が居たのだろう。そして、其の大樹型は俺の大きさからすると大したモノに成らない--)

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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