FC2ブログ

一兆年の夜 第百三十六話 終わりの始まり ライデンの終着点は始まる(四)

 双子島に到着してから七の日より後。
 ライデンは其処で知り合った齢十三にして十三日目に成るスウィフ牛族の少年ウシツギは心身に成ってライデンに体話とは何かを懇切丁寧に伝える--如何わしい想像ではなく、上品な想像から察するに足話や尻尾話を駆使して。
(種族に依って伝え方が大きく異なる場合もあるけど、何となくわかってくるとどんな種族だろうと後は流れ作業の如く間隔を理解してから伝えたい事を体で表現すれば良いだけだしな。にしても小柄とは言えども感心する事が一つあるぞ。ウシツギの話では人族に尻尾がないのが不思議みたいだ。言われてみると裏島で人族らしき生命には尻尾が見えていたな。此れは一体何を意味しているのか? まあ、生物学者の意見の総意として人族は猿族と元々は同じだったと仮定を出しているそうだ。未だに其の過程は結論に至ってなかったっけな?)
 そんなライデンは表島の生活の方が裏島よりも安定しているかと問われたら次のように考える。
(最初は従来からの習慣で言葉を発しようとしたからな。寸での所で何とか向こうが俺の言いたい事を読んでくれたから良かった。他にはウシツギが密かに口から言葉を使う生命である事も俺が居られる理由に成った。其れからウシツギとの口での会話はある場所で行えるように成った。其の場所がウシツギにとって隠れ場所であるパッドリの洞穴さ。現在、俺は其処に向かう。其処で俺は一の分だけ会話を楽しむ。問題は俺の声がどれだけ表島の生命に丸聴こえするのか、だな。叫び声は認められてもこうして言葉に表す声は認められない中で如何やって会話を楽しむのか?)
 そうして自分の顔が僅かに入りそうなパッドリの洞穴の出入り口に瞳を近付けるライデン。すると光の差し具合から見辛い中で確かに己よりも体が十分の一超えて小柄な馬族の少年の素顔が見える。
「お早う」
「お早う、凡そ六十回数えるだけしかないが……良いか?」
「んう?」言葉を話す事が滅多にない為にライデンにとって短文でもウシツギにとって長文に等しい。「およそうんうん、えっと良いか?」
「そうだったな。六十回数えるだけ」ライデンはウシツギに会わせる事を理解する。六十回数えるだけ」
「六十回数えるだけう。六十回数えるだけう?」
「しかないが……しかないが」
「しかないがう、しかないがう?」
「其れで良いか、其れで良いか?」
「ああ、そうゆう事だう。うん、十分だっらう」
「では……あ、そうだ」ライデンは現在で一の分が経過している事を知って体で話をする事に戻す。「時間が過ぎた。此処迄みタイだ、口で会話するのは!」
「そうだね」ウシツギはライデンが目で其れを伝えるとわかると目で伝え返す。「もっと話したかったけど……此れも表島の辛い所だよ」
 俺が此処で自分の住む場所に戻る術を得る迄は未だ未だ会話する機会は得られるさ--ライデンは距離を離してから様々な体の動作でウシツギに知らせる。
「でも、もっと時間が欲しい!」
「今日は此処迄だ。此れ以上そうゆう会話をしたら他の生命に勘付かれてしまう」
「だよね。そうするとライデンはもう此の島にも居られないもん」
「元々、裏島でも何れは離れなくてはいけない時期が来るんだ。此処だって同じだ……其れ迄に何としても此処を出る為の準備を進めないとな」
 ライデンは周囲を見回しながらウシツギと共にパッドリの洞穴から居住区域迄帰ってゆく。其れは見張りの生命の眼が気に成ったからではない。
(銀河連合の気配を感じ取る。小さいながらも奴等は言葉を発しない生命よりも遥かに……言葉を知らない!)
 ライデンが思う言葉を知らないという意味は銀河連合が体での会話すらもしないという意味の知らない。其の理由はライデンだけが知らないという訳ではない。現時点では其処迄銀河連合に関する研究が進んでいない証拠。核心に至る生命が仮に居たとしても誰にでも納得するように説明出来る頭脳労働者は現在のところ一名たりとも居ない。あの蘇我フク兵衛一族を探しても藤原マス太一族を探しても更には万能なる才能を発揮するバルケミンの系譜を探しても。

(今は未だ来たばかりだから如何して表島の生命が言葉を好まないのかを詳しく知らない。勿論、ウシツギはそんな歴史よりも俺が話す言葉を覚える方に興味が湧く。だが、こうゆう事は余りにも熱心に取り組み過ぎると癖であいつは使ってしまうかも知れない。だから俺はそんなあいつに感情移入するように一の週だけしか其れをやらないようにした。いや、そうしないと俺は兎も角としてもあいつは故郷を追われて裏島に暮らさなくてはいけなくなる。其れ位は表島は口での会話を非常に恐れる。
 そして、其の理由がある生命との対話で明かされる。其れは言葉を誰よりも恐れるある生命と俺が対話した時だったな--)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR